みなさんは怪我や病気で「全治○ヶ月」と診断されたことはあるだろうか? 我が娘がひざの靭帯を2度も切っているのだが、全治○ヶ月とはいわれず、「9ヶ月で選手復帰を目指しましょう!」といわれたまま。半年経つがまだ完治はしていない。
この全治や完治の区別ってわかりにくい。全治は全て治ったとも読み取れるし、完治は完全に治ったとも読める。どちらも同じじゃない? と思う人もいるだろうが、実は違うようだ。
今回は、ちょっとややこしい全治と完治の違いについての雑学をご紹介するぞ!
【人体雑学】全治と完治は違う?
【雑学解説】「全治」と「完治」の違いとは?
よくニュースでは、「全治○ヶ月」という表現をする。それを聞いたひとは「あ、あの選手、○ヶ月したら復帰するから、次の大会は大丈夫そうだねー」なんて思ってしまいがち。
でも実は違うんだ! 詳しくみていこう。
全治とは?
全治とは「全有効治療期間」の略である。「全て治った」という意味ではない。
「全有効治療期間」というとなんだか難しいのだが、ようは、その怪我を治すために病院に通う期間の目安のことを「全治」と表しているのだ。これは、怪我をする前の状態に戻ったという意味ではない。
たとえば骨折をしてしまったとしよう。ギプスを巻いて松葉杖をつきながら通勤するというなんとも痛々しい姿から数ヵ月後、ようやくギプスがはずすことができ、今度はリハビリに通う。
全治というのは、リハビリに通う前までの期間のことをいうのだ。
スポーツ選手が「全治3ヶ月の怪我」といっても、3ヵ月後に復帰できるとは限らないということになる。
完治とは?
完治とは字のごとく、完全に治った状態を表す。怪我や病気がすっかり治り、社会復帰・競技復帰した状態のことを表す。
医者に「完治です」といわれるのは、「入院・通院の必要がなくなって、普段の生活で動作的にも心理的にも支障がない状態になりましたよ」という状態のとき。
たとえば、おばあちゃんが骨折して入院したものの、入院期間が長くなったため、退院はしたけれど体力・筋力が落ちてしまった。昔みたいに台所仕事がうまくできない、という状態では、完治とはいえないのだ。
わが娘も普通に生活しているが、スポーツ選手として復帰はできていないので、まだ完治とはいえないらしい。
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【追加雑学】全治不詳・全治不明といわれることもある?
病気や怪我によっては、1年以上治療が必要な場合もある。これを「全治不詳・全治不明」と表現することがある。
また、脳梗塞でマヒが残ってしまった・心筋梗塞で心臓が弱ってしまい、普通に日常生活を送ることができなくなってしまった、など後遺症によって完治する見込みがないような場合も「全治不詳・全治不明」と表現する。
ニュースなどで耳にすることもあるので、注意深く聞いてみてほしい。傷害事件などで「被害者は全治不明の重体」といっていたら、回復の見込みがない状態にあるかもしれないことや、とても悲惨な目にあったんだろうなと想像できる。火事で「全治不明の大やけど」などの表現も聞いたりする。
雑学まとめ
全治と完治の違いの雑学をご紹介してきたが、いかがだっただろうか?
プロのスポーツ選手などは、ケガ後早々に復帰するとメディアから「脅威の回復力で復帰!」などといわれてしまう。プロとはいえ、並々ならぬ努力をして治して復帰しているのだろうなあ…と思うと、「本当に完治しているのかな?」と少し心配にもなってしまう。
全治と完治の違いを覚えて、間違えないように使おう!
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