指を曲げたり伸ばしたりして、関節をポキポキと鳴らすクセがある人は多いだろう。筆者自身も「関節が太くなって、指が変な形になるぞ!」などと子供のころに注意されたのを覚えている。そのまま気にせずボキボキと鳴らしまくっていたのだが…。
関節のポキポキ音が骨の音だというなら、指が変形してしまうことにも納得がいく。しかし大人になった今も、指の形が変になってしまったことは一切ない。
周りを見回してみても、「関節を鳴らし過ぎて指が変になってしまった…」と嘆いている人など見たことがない。
ということで、あのポキポキ音の正体は一体何なのかに迫ってみた。すると意外や意外。骨とは関係のないところで音が鳴っていたのだ! 今回はそんな驚きの雑学をご紹介しよう!
【人体雑学】関節がポキポキなるのは骨の音ではない?
【雑学解説】ポキポキ音の正体は気泡の弾ける音だった!
関節には、骨同士の摩擦を和らげ、スムーズに指を動かすことができる役割を担う「滑液(かつえき)」という液体が入っている。滑液にはヒアルロン酸やコラーゲンが含まれており、いわゆるクッションのような働きをしているのだ。
美容に気を遣う女性なんかはピンとくるのではないだろうか。いずれもプルプルのお肌にも欠かせない物質である。
この滑液の中の気泡が弾ける音があのポキポキ音なのだが、なぜ指を曲げたり伸ばしたりしたときにだけ鳴るのだろうか…。
ポキポキ音が鳴る仕組み
それは指を伸ばす動きで関節が離れ、滑液が満たされていた空間が広がることにある。液体が満たされた空間が広がれば、液体の中の気圧が下がる。気圧が下がると、液体は二酸化炭素などのガスを発生させるのだ。
これが、滑液の中に生まれる気泡の正体である。
指を鳴らすときによく聞いてみると、たしかに「ポキッ」というよりは、気泡が弾ける「パンッ」という音のように感じる。そもそも「ポキッ」と聞こえるのは、骨の音だという思い込みからだろう。
ちなみに一度指を鳴らすと、しばらくは音が鳴らないはずだ。これは、ガスが再び滑液の中に溶け込むのに、数十分の時間が必要なためだ。いわれてみるとなるほど納得。
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【追加雑学】関節を鳴らしても直接的な害はない
骨の音ではない以上、当然指の形が変になったりはしない。滑液の中で気泡が弾ける現象についても、人体にとくに害はない。問題は、指には関節があるだけでなく、神経が通っているということだ。
ポキポキ音が鳴るということは、通常の可動域を超えた動きをしているということになる。それ相応の負荷が神経に掛かっているのだ。指ならまだいいが、首などの大事な神経が通っている箇所を、ボキボキ鳴らしている人は気を付けたほうが良さそうだ。
首を鳴らすと肩凝りがスッキリしたように感じるが、その音も気泡が弾ける音なのだから、そもそも完全な思い込みである。
雑学まとめ
関節のポキポキ音の正体についての雑学をご紹介してきた。それは、骨同士の潤滑油の役割をしている滑液の中で気泡が弾けた音だった。大人が「指が変な形になるぞ!」と脅してきたのは、単にポキポキ鳴らすのが行儀悪くみえていたからだろう。
たしかに指を鳴らす仕草は、ヤンキー漫画の喧嘩シーンを彷彿とさせる。行儀が悪いといわれれば、そう見えなくもない。しかし迫力満点のワンシーンも「気泡が弾けているんだな」と思いながら見ると、なんだか間抜けに思えてきてしまう…。
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