毎日世界中の空を飛び、私達を安全に目的地に届けてくれる飛行機。
飛行機で死亡事故に合う確率は0.0009%といわれるほどすばらしい乗り物だが、こんな疑問をもったことはないだろうか?
「そういえば飛行機って白い機体ばかりだなぁ…」
そう、その通り! 飛行機の塗装はほとんどの会社が白をベースにしている。今回の雑学では飛行機の塗装はなぜ白いのかについて解説する。
【生活雑学】飛行機の機体が白色である理由とは?
【雑学解説】飛行機の塗装に白が選ばれるのはなぜか?
調べてみるとわかるが、日本に限らず世界中のほとんどの飛行機が白い塗装をベースとしている。もちろん偶然ではなく、世界中で白い塗装が選ばれるのには理由がある。
コスト面
まず誰しもが最初に思い浮かべるのがコスト面での理由だ。しかし一言で「コスト」といっても実はかなり奥が深い。
塗料は色によって値段が違うが、単純に白色の塗料は他の塗料と比較して値段が安い。さらに他の色にする場合は、下地に白色を塗ってからカラーリングする場合が多いため、そういう意味でも安上がりだ。
そこで発生するのが重さの問題だ。塗料を重ねるほど当然だが機体は重くなる。重くなるとどうなるか? そう、燃料費がかかるのだ。
さらに着色塗料は紫外線によるダメージが大きく、長期間のフライトにより色が変わってしまったり、薄くなってしまう。つまり、白色に比べてメンテナンスとクリーニングにもお金がかかる。
ダメ押しにもう一つ。白い車と黒い車を直射日光下で比較するとどうなるか? 知っている方も多いと思うが、黒い車の方が車内が暑くなる。これと同じことが飛行機でも起こる。
実際の飛行中は外気温も低いため、そこまで影響していないが、地上で整備を行なっている時間に無駄な光熱費をかけないため、という理由もあるそうだ。
つまり飛行機を塗装するときだけでなく、燃費を良くする・光熱費を下げるという意味でも白い塗装が選ばれているそうだ。なるほど、コスト的な理由だけでこれだけあるのか。
安全面
意外なのが、安全面でも理由があるということだ。
これは整備士を経験していないとわからないかもしれないが、白色だと機体を下側から見たときにオイルなどの漏れや機体の亀裂、塗装の腐食などが容易に見つかるのだそうだ。
また、もし飛行機が墜落した場合、海上でも陸上でも白い機体は比較的探しやすいという利点もある。あまり考えたくはないが…。
精神面
最後は簡単な理由だ。
白い色は安心感や清潔感を与える。うん、単純でわかりやすい。
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【追加雑学】飛行機に塗装が必要な理由とは?
そもそも飛行機に塗装が必要なのはなぜなのだろうか? 先ほども述べたようにコストを下げるという意味でいえば、色なんて塗らないほうが安くなる気がするが…。
もちろんこれにも理由がある。雨の中でも飛び続ける飛行機には腐食が天敵となるが、塗装をすることで機体を腐食から守るためだ。また、ドアの枠や非常口の位置など、航空法で定められた表示をわかりやすくするためという理由もある。
さらに最近では宣伝目的で塗装することも多い。たとえば映画の公開記念などで機体が塗装されることもある。もちろん、この場合は機体の色は白でなくなることが多いのだが…。
雑学まとめ
今回の雑学では、飛行機はなぜ白いのかについてご紹介してきた。あらためて理由を並べてみると、逆に飛行機を白以外に塗装する理由が思いつかないくらいたくさんでてきた。ここまで知っていれば、飛行機好きな子供から尊敬の眼差しを向けられること間違いなしだ。
ただ最後にも紹介したように、宣伝目的で白色以外に塗装することもあるため、「絶対に白でなければいけない」という理由ではないので注意しよう。
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