アマガエルを知らない人は、ほぼいないだろう。田んぼや畑、また家の庭先などで見かける身近な生き物だ。
子供のころは、アマガエルの赤ちゃんを手のひらに乗せてよく遊んだものだ。なぜか大人になってからは、触れなくなったが…。あのひやっと冷たくて、ツルツルした感触がいつからか苦手になったのだ。
しかし、触れなくなってよかったのかも!? なんとアマガエルは毒ガエルだというではないか! 子供のころ、普通に触って遊んでいたのは、大丈夫だったのだろうか…。
【動物雑学】アマガエルは毒ガエル
【雑学解説】アマガエルは皮膚から毒性の分泌物を出す
アマガエルを触ったことがある人は、触ったときの感触を思い出してみてほしい。なんだかツルツルとした冷たい感触…。あの感触が苦手な人も多いと思う。
じつは、あのツルツルと湿ったものが、アマガエルの毒なのだ。
アマガエルの体を覆っているのは、粘膜。この粘膜がアマガエルの体を守っているのだが、じつはその中に毒が混じっているのだ。
毒といえば、ヘビやサソリなど、敵を攻撃するための毒をもつ生き物はほかにもたくさんいる。しかし、アマガエルの毒は、どうやらそういう意味合いではないようだ。
どういうことか説明しよう。
アマガエルの毒は、自分の体を守る毒
アマガエルは、湿気の多いジメジメした場所に住んでいる。このような場所にはカビや細菌が繁殖しやすく、アマガエルの体にも付着するのだ。
こういったカビや細菌から体を守るために、体を覆っている粘膜から毒が分泌されるというわけだ。アマガエルは体の中に、抗菌性のたんぱく質を豊富にもっており、その毒は細菌から体を守る抗菌剤のようなものだそうだ。
毒をもつほかの生き物のように、ぴゅっと毒を飛ばしたり、噛みついた歯から毒が注入されるわけではなく、じわ~っと背中から分泌されて、体全体を粘膜という抗菌剤で覆うのである。
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【追加雑学】アマガエルの毒で失明する可能性もある
なんだぁ…アマガエルが毒をもっていると聞いて、衝撃を受けたが、毒じゃなくてばい菌殺す抗菌剤じゃん! そう安心してアマガエルを触れる(わたしは触らないが)…かと思いきや、やはりわたしたち人間にとって毒なのだ。
どこにでも見かけるアマガエルの映像だ。子供のころは、可愛い~! なんて言いながら、捕まえて触りまくっていたのだが…。
ツルツルと湿った体をしている。たしかにアマガエルを触ったあとは、手が濡れたような感触があった。田んぼの中から出てきたから、体が湿っているのだろう…ぐらいにしか思わなかった。
この湿った毒は、なんと細胞を溶かす働きがあるという! とはいっても、非常に弱い毒のようで、アマガエルを触っただけで、手の皮膚が溶けてしまう…といったような危険があるほど強いものではないそうだが…。
実際、アマガエルを触って、なにか問題が起きたなんて聞いたことがない。触っても悪影響はないらしい。
では、アマガエルの毒のなにが怖いのか? それは、毒が体内に入った場合…の話だ。
アマガエルを触った手には、細胞を溶かす働きのある毒が付着する。毒性は弱いとはいえ、その手で眼をこすったら? その手で食べ物を口に入れたらどうなる?
眼や口の粘膜は弱い。アマガエルの毒は、わたしたちの眼や口の粘膜を溶かすぐらいの強さはあるそうだ。まず激しい痛みを感じ、炎症をおこした眼は、最悪の場合、失明する危険もあるという…。
アマガエルが原因で失明…。
そんな怖い話、早く言ってよ~! と言いたくなるほど、子供の頃に何度も何度もアマガエルを触った…。たまたま何も影響がなかったからよかったものの、その手で眼をこするなんて、子供ならふつうにやりそうである。
雑学まとめ
アマガエルのツルツルと湿った体には、毒がまじっていたのだ。しかも、わたしたちの眼などの弱い粘膜を溶かして、最悪、失明の危険もあるという…。
アマガエルは、噛んだり刺したりする攻撃性のある生き物ではないため、小さい子供でも平気で触る。そして、小さい子供だからこそ、その手で眼をこすることはありえる。もし触ったときは、必ずしっかり手を洗うように、うちのやんちゃ坊主に言わないと!