オリンピック雑学

ルール無制限。古代五輪の中でも最も過酷な競技は"パンクラチオン"|オリンピック雑学

古代五輪の中でも最も過酷な競技はパンクラチオンという雑学

近代のオリンピックが始まったのは1896年だ。また、ギリシャ中心に古代オリンピックが始まったのは紀元前8世紀頃からだと分かっている。

古代オリンピックはレスリングやボクシングなども行われていたが、基本的に制限時間などはなく、現代では考えられないような過酷な競技が多かった。

その中でも、もっとも過酷だといわれているのが総合格闘技のパンクラチオンである。今回は、古代オリンピックでもっとも過酷な競技、パンクラチオンについてご紹介しよう。

【オリンピック雑学】古代五輪の中でも最も過酷な競技はパンクラチオン

パンクラチオンは噛みつきと目つぶし以外反則はない。

【雑学解説】パンクラチオンは多数の死者が出たこともある

古代オリンピックは現代では考えられない競技が多い。ボクシングは古代オリンピックでも初期の頃から行われている競技だ。

最初は素手で殴り合う競技であったが、途中から革紐を手に巻いて戦うようになる。しかしこれは安全のための道具ではなく、敵を攻撃するための武器として作られたもので、金属の鋲が埋め込まれていたという。

そんな古代オリンピックでもっとも過酷な競技だったといわれるのが、パンクラチオンである。パンクラチオンはボクシングとレスリングを組み合わせたものと呼ばれることもあるが、実際は全く独自の技術をもつ総合格闘技ともいわれている。

パンクラチオンは噛み付くことと、眼球を攻撃すること以外すべて許されており、打撃・投げ・サブミッションなど多彩な技術があったという。

ただし、素手の格闘技なので武器を使うことは許されなかった。パンクラチオンは現代の格闘技のように体重によって階級分けされることもなく、もちろん時間制限もない。

二人の選手が素手で戦い、相手が倒れて動けなくなるか、ギブアップのサインを出すまで戦いが続くのだ。戦いはほとんど殺し合いだったといわれており、多数の死者が出た大会もあったという。

死者が出ることを防ぐために、審判には試合を止められる権利が与えられた。しかし、選手が審判の静止を聞かないことも少なくなかったため、審判はムチなどを武装していたというのだから驚きだ。

パンクラチオンの技術に関して詳しいことはわかっていないため、現代では消滅したという意見も多い。一方で、古代インドや中国の格闘技に影響を与えたという意見も存在する。また、パンクラチオンはグレコローマンスタイルのレスリングの原型だといわれている。

グレコローマンスタイルは腰から下を攻めることができないというルールのレスリングで、現在もオリンピックの正式種目だ。下の動画は、グレコローマンスタイルの大会を撮影したものだ。

ただし、グレコローマンスタイルの公式競技は男子のみとなっており、女子の大会は行われていない。パンクラチオンが原型だというグレコローマンスタイルの方が、フリースタイルより制限が厳しくて面白い。

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【追加トリビア①】パンクラチオンは人類最古の格闘技のひとつ

パンクラチオンがいつ頃誕生したのかは分かっていないが、紀元前2000年頃にはパンクラチオンはすでに存在したという。

パンクラチオンが確認されたもっとも古い記述は、ギリシャ神話の中である。ヘラクレスとテセウスがライオンとミノタウロスと戦う際に、パンクラチオンの技術を使っていることが確認されている。

また、パンクラチオンは戦争の技術として採用されていたこともわかっており、マケドニアやスパルタの重装歩兵もパンクラチオンを使用していたという。

マケドニアのアレキサンダー大王はパンクラチオンの成績が優れたものを積極的に採用し、パンクラチオンのオリンピックチャンピオンだったディオクシパスを自分の側近にしている。

【追加トリビア②】パンクラチオンは現代のオリンピックで復活する?

現代ではほとんど名前を知られていないパンクラチオンだが、実は完全になくなったわけではない。1969年にはギリシャ系アメリカ人のジム・アルヴァニチスがパンクラチオンを復活させるための活動を始めた。

古代のパンクラチオンをそのまま復活させたわけではないが、ジム・アルヴァニチスは歴史的資料を参考にパンクラチオンの研究を続けたという。

そのおかげもあり、知名度は少しずつ上がっている。2004年のアテネオリンピックに競技として採用されることを目指し、1999年には国際パンクラチオン連盟が結成された。

残念ながら、アテネオリンピックに採用されることはなかった。しかし、地域大会は行われており、オリンピック採用を目指しているという。日本にもパンクラチオン協会が存在する。

国際レスリング連盟が主催するパンクラチオン世界選手権も行われており、シニアやジュニア以下の世界選手権も行われているのだ。下の動画はパンクラチオン大会の様子である。

もちろん古代オリンピックのような過激なルールではなく、現代の総合格闘技のようなものになっており、打撃ありや打撃なしなどの種目に分けられている。

いずれ、現代のオリンピックでパンクラチオンが競技として復活することも十分に考えられるだろう。

トリビアまとめ

古代オリンピックでもっとも過酷な競技パンクラチオンについてご紹介した。現在では考えられないような過酷なルールで行われたパンクラチオンだが、歴史は非常に長く、古い。

世界最古といわれる、古代インドの格闘技に影響を与えている説があるのは驚きである。

不完全なボクシングと不完全なレスリングを組み合わせたものと評されているが、実際は戦争でもっとも役に立つ技術と恐れられていたらしい。

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