世界を制したオリンピックのメダリストは、まさしくその国のヒーローだ。才能と努力の結晶であるメダルを手にした者は、栄光をつかんだ勝者として大きな賞賛を得る。
現代のオリンピックでも優勝はすっごく名誉なことだが、近代オリンピックの前身である古代オリンピックはもっとすごい。
古代オリンピックでの優勝者は、大会だけでなく人生の勝者を約束されたのである。今回はそんな古代オリンピック優勝者の、賞金についての雑学をご紹介しよう!
【オリンピック雑学】古代オリンピックの勝者は、賞金で一生暮らしていけた
【雑学解説】古代オリンピックで優勝したら超英雄!!
現代のオリンピックでは、競技ごとに1位から3位までの選手にメダルが与えられる。オリンピックでメダルを得ることは大きな名誉だし、そのために選手は日々鍛錬している。
勝者が大きな栄光を手にするのは今も昔も変わらないが、古代オリンピックは今以上にすごかった。
古代オリンピックでは、表彰されるのは優勝者だけ。トップに立った1人だけが英雄だった。そんな熾烈な戦いを制した者への賞賛は大きい。…とはいえ、公式に大会から贈られるのはオリーブで作られた冠だけである。
優勝者は冠だけを手にして帰るわけだが、帰ったあとがものすごいのだ。オリンピックで優勝した選手は地元の大ヒーロー。待っているのは盛大な凱旋パレードだ。
でも、それなら現代でも行われる。
さらにすごいのはそのあと。オリンピック優勝という大きな大きな栄光を手にした者は、その土地の誇りと一生困らないほどの賞金や年金、社会的地位が贈られるのだ。
一度の優勝が一生分の稼ぎになるなんてすごすぎる。オリンピックが人生を変えることとなるのだ。まさに人生の勝者に成り上がるのである。
そのため、古代オリンピックの選手はもう必死! 不正や選手の買収、闇取り引きなんかもあったようだ。当時の人々にとってオリンピックは、まさに人生の勝ち負けを賭けた激しい戦いだったのだ。
【追加雑学①】古代オリンピックの最初は短距離走の1種目だけだった!
2020年に開催される東京オリンピックでは、339もの競技が行われる。339種目って…そんなにスポーツの種類があることにびっくりしてしまう。
今でこそこれだけのスポーツが世界規模で競技として成り立っているが、紀元前に行われていた古代オリンピックではもちろん競技数もうんと少なかった。
古代オリンピックが誕生した最初の頃は、なんと1種目! 1スタディオン(約191メートル)の短距離走だけだったのだ。
その後ボクシングやレスリングなど、だんだんと種目数は増えていき、最終的には23種目に落ち着いた。
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それでも、23種目。当たり前だが種目数を並べるだけでも、現代のスポーツがいかに成熟しているかがよくわかる。
しかし、人生を賭けた熾烈な戦いが繰り広げられていた古代オリンピックが最初は1種目だけだったとは…。頂点に立つのも現代以上に大変なことだ。
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【追加雑学②】古代オリンピックでは暴君ネロも優勝した?
ローマ帝国の悪名高い「暴君」としてその名を歴史に刻んだ皇帝ネロ。身内を次々に破滅に追い込みキリスト教徒を迫害しまくったとされるネロは、その死後から2000年経った現代でも「暴君」の代名詞として語り継がれている…。
そんなネロ、実はオリンピック優勝選手だったことをご存知だろうか。とはいえ、そこもさすが暴君。期待を裏切らず、ジャイアンも真っ青な強引プレーで優勝にこぎつけたのだ。
そんな彼の暴君っぷりは、こんな感じ。
- 4年に1度のオリンピックイヤーではないのに無理やりオリンピックを開催させる
- スポーツより芸術! なネロ、無理やり「音楽」を競技に加える
- 「音楽」でのネロの舞台は退席厳禁。死んだふりで抜け出す人が続出するほどの拷問リサイタル
- 戦車レースでは戦車から落ちてリタイア…にもかかわらず優勝させる
- 他の競技でも同様に権力を発揮しまくり優勝しまくる
- ネロの死後、彼が大量に不正をはたらいた大会は記録から抹消。「なかったこと」に…
…まさに暴君の代名詞にふさわしい暴れっぷりである。
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雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。優勝すれば生涯安泰だった古代オリンピック。まさに人生がかかったレースは今以上に激しい戦いだっただろう。
現代でも、国民のヒーローとなるメダリスト。優勝すれば素晴らしい名誉を得られるのは今も同じだ。
オリンピックへの高い関心とその人気は古代も近代も変わらないことがわかる。
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