小さいころに家の庭でつかまえては遊んでいた「ダンゴムシ」。さすがに大人になってからは関心を向けることはなくなったが、ふとしたときに見かけると懐かしい気持ちになる。
そんなダンゴムシだが、実は外来種であるという噂を聞いた。筆者は「え！ 今ではこんなに身近な虫なのに」と思わず声をあげてしまった。
ダンゴムシといえば、たとえば鉢植えの裏や、そのあたりの日陰などを探せば日本中どこでも見つかりそうなものだ。そんな虫がはたして本当に海外からやってきたのか？ 今回の雑学記事では、この真相を調べてみた！
【動物雑学】ダンゴムシは明治時代に日本にきた
【雑学解説】日本人の身近に住んでいるのは「オカダンゴムシ」という外来種
調べてみると、なんと我々が馴染み深いダンゴムシは明治時代に海外からやってきたことがわかった。正確には「オカダンゴムシ」という種類だ。これは一般的に日本人が「ダンゴムシ」と呼んでいる虫と同じ。
日本にやってきた正確な理由はわからないが、おそらく海外との交流が深くなった明治時代に商船にまぎれてやってきたといわれている。
うーむ、とはいっても今では日本に昔から住んでいると勘違いされるほど身近な虫になっているのだから、相当な数がやってきたのではなかろうか…。そもそも、日本固有のダンゴムシはいないのだろうか。気になって調べたところ、実はいることがわかった。
それは主に海辺に生息しているとされる「ハマダンゴムシ」。どんな姿かは以下の動画をご覧いただきたい。虫が苦手な人は閲覧注意だ。
普段、庭で見かける「オカダンゴムシ」より色が明るい。筆者も実際には見たことがないが、こういう日本固有のダンゴムシがいるとは驚きである。
ちなみにダンゴムシとよく間違われる「ワラジムシ」。ワラジムシもさまざまな種類が確認されているが、家の近くで見かける種類は実はヨーロッパから渡ってきたといわれている。
こうしてみると、身近な自然にも知らないことばかりだ。子供のころに還った気持ちで、久々に庭や野山で遊んでみようかなと思う筆者であった。
スポンサーリンク
【追加雑学①】ダンゴムシはお尻から水を飲んでいる
ダンゴムシに関して調べている途中、もう1つ驚くべき事実がわかった。なんとダンゴムシはお尻から水を飲んでいるというのだ。
え？ お尻と口が一体化しているの？ と思ったがそうではないらしい。ダンゴムシにも、もちろん普通の口があり、エサはそちらから食べる。ただし、水分補給だけはお尻からするというのだ。
その様子はNHKの学校向けコンテンツ「NHK for School」で動画と共に解説されている。
うーむ、まさかお尻から水を飲んでいるとはなんとも不思議な生物だ。もし、ダンゴムシを見かけたら本当にお尻から水を飲むのか観察しても面白いかもしれない。
【追加雑学②】ダンゴムシを使った漢方薬がある。
さて、ここからは少し趣向の変わった雑学をお届けしたい。それはダンゴムシを使った漢方薬があるという話だ。その名は「鼠婦（そふ）」という漢方薬。使われている材料の中にダンゴムシやワラジムシが含まれているそうだ。
主に解毒や痛み止めに効果があるといわれている。
そもそも、ダンゴムシを口に入れても大丈夫なの？ と思うかもしれないが、ダンゴムシはエビと同じ甲殻類なので食べられるという話だ。ネットで探してみると、実際に食べてみたというレポートを発信している人がけっこういる。
ただし、漢方薬は専門家の指導のもと服用するのが望ましい。ダンゴムシ本体もそのまま食して、何かあってはいけないので、あくまでもそういう話があるとだけ知ってもらえれば幸いだ。
雑学まとめ
今回の雑学ではダンゴムシに関するあれこれを紹介した。まさか、家の周りにいるダンゴムシが海外からやってきていたことに驚いた人も多いのではないだろうか。
今回のように身近な自然には案外、知らないことがたくさんある。皆さんも時には自然のなかで遊んでみてはどうだろうか。意外な発見が待ち受けているかもしれない（筆者は自分の体力の衰えを発見しそうである）。