2020年の東京オリンピックに向けて、すでに何年も前から様々なプロジェクトが始動している。新しい競技場の建設や、各国からの観戦客を迎えるため多言語対応の対策など、その準備は多岐に渡る。
その中でも特に大がかりなのは、選手村の整備だろう。選手や関係者、合わせて1万人を超えるとされる人数が寝泊まりする施設を整えなくてはならない。選手たちが快適に安全にくつろいで過ごせるような環境を作る必要もある。
選手村といっても、コテージがずらーっと並んでいるわけではない。カフェ・美容室・医療施設なども設置されており、最近ではカラオケやインターネットカフェまである。もはや“村”ではなく、ひとつの立派な都市という存在になっているのだ。
が、しかし! そんなに手の込んだ作りの選手村が用意されるにもかかわらず、選手村に宿泊しない選手がいるという。なんということだ…。今回はそんな選手村についての雑学に迫るぞ。
【オリンピック雑学】選手村に宿泊しない選手はけっこういる
【雑学解説】オリンピック選手村ではなくホテルに宿泊する選手は意外と多い
平和の祭典オリンピックでは、スポーツを通して国際交流しよう、という目的がある。世界各国の選手たちが一同に寝食を共にする選手村も、そういった狙いがあるわけだ。
実際、競技では真剣に競い合っているライバル同士が、選手村で仲良く談笑している映像も見たことがあるのではないか。
ところが、そんなオリンピック委員会の願いをよそに、選手村に宿泊しない選手は意外と多いようだ。もちろん、試合会場の都合で近くに宿舎を確保しなくてはならない場合もある。
しかし、一部の有名選手やメダル候補選手は、精神集中のためや、専属トレーナー・栄養管理士、また家族のサポートを受けるために、個人でホテルに宿泊することも珍しくない。
来年の東京オリンピックに際しても、日本の有力選手の多くは選手村に宿泊せず、トレーニングセンターを利用する方向になっている。コンディションを整え、プライベートを確保するためのようだ。
トッププレーヤーたちも、選手村で多くの選手と一緒に過ごしたいと思いつつ、メダル獲得のためには細かな調整ができる静かな環境が必要のようだ。祭典という賑やかなイベントの側面と、アスリートとしての自己管理というはざまで起こる葛藤が見受けられる。
しかし中には、選手村でのトラブルを懸念して宿泊しないことにする選手もいるようだ。
では、実際過去に起きた出来事を見てみよう。
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【追加雑学①】オリンピック選手村で起きたトラブルとは?
2016年のリオデジャネイロ五輪では、選手村の不備がありすぎて、多くの選手団がホテルに移動する事態となった。水漏れ・電気の配線が悪い・トイレの詰まり・シャワーのお湯が出ないなど、トラブル続出だったのだ。
その他にも盗難被害やボヤ騒ぎなど、深刻なトラブルも起きている。そんな環境ではたしかに精神集中どころか、いつ何が起こるかビクビクしていなくてはならない。
東京五輪では、そのようなトラブルがないことを願う。「お・も・て・な・し」が強みの日本ならではの、気の利いたハイセンスな選手村を期待したいものだ。
【追加雑学②】オリンピック後の選手村はどうなる?
オリンピックに向けて何年もかかって、また莫大な資金を費やして建設される選手村だが、その役目も実際にはたったの2週間ほどである。ではいったいオリンピック後の選手村はどうなるのか?
過去に作られた選手村は、後に分譲住宅として売却されたり、ホテルや学校として利用されたりしている。中には更地になったところもあれば、廃墟と化してしまった場所もある。
2020年東京オリンピックの選手村は、大会終了後にマンションとして売却・賃貸されることになっている。すでにモデルルームにはかなりの人が見学に訪れているようだ。周辺には学校や商業施設も整備される見通しである。
オリンピックによってできた新たな町に住めるなんて、なんだか夢のある話だ。通りに有名選手の名前を付けたりして?! その町で育った子どもは一流アスリートになれるかもしれないぞ。
選手村の雑学まとめ
今回はオリンピックのひとつの名物ともいえる、選手村についての雑学をご紹介した。村といっているが、その規模はかなり大きなもので、準備は相当大がかりである。
にもかかわらず、選手村を利用しない選手が意外と多いという事実が判明した。しかし、その理由はたしかに頷けるものである。選手たちが安心して競技に集中できるようにするためにも、どこに泊まるかに関してはある程度の自由への理解が必要だ。