昔、祖母からこんなことを言われたことがある。
「遠くの船の汽笛が聞こえたら、雨が降る」
私はこの言葉を信じ続けている。自宅から距離があるはずの船の汽笛が聞こえたら、その後日は高確率で雨が降るのだ。
私の場合は遠くの汽笛だが、遠くの鐘の音や遠くの電車の音などでも同じことがいえる。いったいどうしてなのだろうか?
今回は、そんな不思議な雑学を紹介しよう。
【自然雑学】「遠くの音が聞こえると雨が降る」と言われる理由
【雑学解説】空の気温で音の方向が変わる?!
大気の気温の変化で、音が伝わる方向が変わる。晴れの日は地表の温度が高く、上空の温度は低い。音というのは、温度の高い方から低い方へと伝わっていくので、晴れの日は音が上方向へ移動する。そのため、遠くの音は聞こえない。
しかし、雨が降る前の大気は違う。雨が降る前は、前線の関係で上空も暖かくなってくる。
そうなると、地表と上空の温度差が縮まるわけだ。温度差が縮まることによって、音が晴れの日のように上へと移動しない。
暖かい大気に音がぶつかって、地表へと跳ね返ってくる。そのため、普段は聞こえないはずの遠くの汽笛や鐘の音などが聞こえるのだ。そして翌日、もしくは後日、雨が降るので「遠くの音が聞こえると雨が降る」といわれるようになった。
もちろん、必ずしも遠くの音が聞こえたら雨が降るというわけではない。しかし、結構な高確率で雨が降るように感じるので、参考にする価値はあると思う。
ある意味、自然が天気を教えてくれているのかもしれない。私は今でも遠くの汽笛の音が聞こえると、「明日は雨かな?」と思い、天気予報で確認する習慣がついている。
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【追加雑学】「ツバメが低く飛ぶと雨」といわれる理由は?
「○○だと雨が降る」という迷信のような言葉繋がりで、もう1つトリビアを紹介しよう。
あなたは「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」ということを聞いたことはないだろうか? 私は理科の教科書か、理科系の本でこのような言葉を見たことがある。実はこれも、雨を予測するには参考になる。
ツバメは飛びながら餌である虫を捕まえる習性がある。
雨が降る前は湿度が高くなり、虫の羽が湿気る。そうなると、虫はうまく羽ばたけずに、低い位置を飛ぶようになる。虫が低く飛ぶので、追いかけるツバメもあわせて低く飛ぶのだ。
ツバメが盛んに低く飛ぶ光景を目にするようになると、近いうちに雨が降る可能性が高い。こちらも100%ではないが、低く飛ぶツバメを見たときは、その後の天気に注意したほうが良いだろう。
雑学まとめ
「遠くの汽笛(鐘・電車など)が聞こえると雨が降る」
まるで迷信のような言葉だが、大気の温度の違いで音の伝わり方が変わるという現象によるものだった。
遠くの音が聞こえるときは、雨の前線などの影響で、上空の温度が下がっている。そして、地表との温度差が縮まっているので、遠くの音が聞こえるのだ。
「必ず雨が降る!」というわけではないが、天気予報を見る前の参考としては、使える雑学ではないかと私は思っている。
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