目が2つ、鼻や口は1つ。そして目・鼻・口の順に上から配置されているのは同じなのに、同じ顔は存在しない。それなのにも関わらず、顔立ちのふり幅がなんと大きいことか。
特に、最近では「これは同じ人間なのか?」と驚くほどの「美人」がメディアを賑わしている。人の顔の好みは各々であることは置いておいて、美しい人を見ると誰もが「美人」だと称賛する。
「美人」に対する価値観も各々あってよいものだ。だが、メディアに映っている「美人」は、ほとんどの人が「美人」だと感じているからこそ、有名になっているといっても過言ではないだろう。
今回の雑学テーマは、この「美人」について! 人はなぜ「美人」を「美人」だと感じるのか? 自分の顔のことはさておき、顔の謎について、科学的、進化史的な経緯から調べていくとしよう!
【人体雑学】人はなぜ「美人」を「美人」だと感じるのか?
【雑学解説】「美人」についての科学的な考察とは?
「美人とはなにか」ということについて、様々な研究がされている。それを調べていくと、人が「美人」を「美人」だと感じる理由は、以下の2点が挙げられる。
- 左右対称で整っている顔であること
- その文化圏の平均的な顔であること
1については、一般的に人の顔は微妙に左右非対称になっていることが多い。左右対称に近ければ近いほど、整っている顔。つまり、「美人」であるということになる。
2については研究の一部を紹介しよう! 複数の女性の顔写真を平均額作成ツールなどで合成すると、合成前よりも美人になることが多いそうだ。理由は、多くの女性の顔の形や配置、パーツなどの平均をとることにより、顔の評価がプラスに働くからである。
1と2をあわせもつ顔。つまり、「左右対称性」と「平均性」の両方が揃うと、ほとんどの人が「美人」と感じるのだ。
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【追加雑学①】「美人」は時代や地域によって多少違う
もちろん、時代や国、地域によって、人が「美人」と感じる価値感は多少違ってくる。
たとえば、今の時代の「美人」とは正反対の「おかめ」のお面。そのお面が作られていた時代には、ある種の「美人顔」とされていた。中央アジアに位置するタジキスタンの美人の条件は、「眉毛が繋がっていること」だそうだ。
冒頭にある「ほとんどの人が」は、今の時代で同じ価値観のある文化の中で育ってきた人たちのことを指している。SNSで世界が同時に繋がっている現代では、特定の場所にいても様々な文化圏の人々と交流が可能だ。そのため、ある程度の「美人の平均像」ができあがっているともいえるだろう。
【追加雑学②】「美人」は繁殖力が高い
進化史的な経緯からは、「美人」は繁殖力が高いとも考えられる。
繁殖力が高いということは、強い免疫機能を持つこととイコールである。「左右対称性」や「平均性」は、免疫機能をつかさどる抗体が多様だというシグナルの役目を果たすことを、「Lie, H. C., Rhodes, G., & Simmons, L.W.(2008)」という研究書の中でも示している。
そのため、「左右対称性」や「平均性」が揃っていることで、強く健康な遺伝子をもっている1つの証明になる。つまり、自分の遺伝子を残せそうな相手を自然に探していると「美人」にいきつくというわけだ。
本能的に子孫を残すために、「美人」に強く惹かれて、ほとんどの人が「左右対称性」と「平均性」のとれた顔に魅力を感じるのである。
雑学まとめ
今回は、なぜ我々は美人を美人と認識できるのかという、ちょっと哲学的な雑学を紹介してきた。
マンモス時代のような大昔は、人間はみんな猿のような顔立ちをしていただろうし、この時代は「美人」は存在しなかったであろう。
飢えや寒さ、外敵から逃れるのに必死だった時代の人たちにとって、「美人」は優遇価値がなかったはずだ。むしろ、嗅覚が鋭かったり、視力が抜群に良かったりなど、生き抜くための機能面が優れている人が称賛されていた。
便利な世の中になり、そこまで身体機能が優れていなくても生きていける時代となった。だからこそ、「美人」の価値が上がり続けているともいえるのではないだろうか。
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