夕方、仕事を定時で終わらせて帰ろうと駅に向かうと、駅前の電柱の電線に大量の鳥がとまっていた。
大量の鳥がピーチクバーチク喚き散らしており、とてもさえずりとは呼べるものではなく、騒々しかったことを覚えている。
その光景を思い出して、ふと疑問に感じたのが「なぜあの鳥たちは電線にとまっているのに感電しないんだ…」ということ。今回は、その素朴な疑問について調べてみた!
【動物雑学】スズメやカラスが電線にとまっても感電しない理由とは?
【雑学解説】鳥は1本の電線にしか触れていない!
よく海外のハプニング映像で、人里に降りてきたクマやサルが電線に感電して落下する映像が流れることがある。クマやサルはこのように電線に触れると感電してしまうのに、スズメやカラスなどの鳥類が電線に触れて感電したという話は聞かない。
むしろ、カラスなどは我が物顔で電線に居座っているように感じる。なぜ、鳥類だけこのような優遇を受けているのだろうか?
実は、鳥だけが特別なわけではなく、スズメやカラスが電線に触れても感電しないのは、触れている電線が一本だけしかないためだ。基本的には異なる電圧の物体に複数触れなければ、感電という現象は起こらない。だから、一本の電線に触れているだけの鳥たちの体には電流が流れないのだ。
しかし、地面に立ったまま電線に触れてしまうと、地面と電線の電圧差があるため感電してしまう。つまり、電線以外に何も触れていないという状況が、感電しないためには必要である。
また、電気は少しでも抵抗の少ないところを流れようとする性質がある。鳥の体と電線では、電線のほうがずっと抵抗が少なく流れやすい。そのため、鳥が電線に触れても、電流は鳥の体をスルーして電線のほうに流れ続けるのだ。
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ということで、鳥が感電しないのは一本の電線にしか触れていないから。鳥でも別の電線に移ろうとして複数の電線に触れると感電する。
最後に、電線にとまるスズメの様子を見たことがないという方向けに、動画をご覧いただこう。
電線というより、映像の綺麗さや二羽のスズメのかわいらしさに見惚れてしまった…! 撮影者の腕が分かる動画である。
【追加雑学】カラスはどれくらい賢いのか?
カラスといえば「狡猾」「ずる賢い」といったイメージがある。そのイメージどおり、実際にカラスは賢いのだ。行動生物学者のあいだでは、カラスのことを「羽をもった霊長類」と呼ぶこともあるほど。
ここまでいわれると気になるのは、どれくらい賢いのかということだ。カラスの賢さを定量的な値で示すのは難しいのだが、人間の7歳児くらいの知能をもっているといわれている。
具体的には、カラスは「三段論法」の考え方を理解できるらしい。三段論法の考え方とは、「AはBである。また、BはCである。つまり、AはCである。」という思考のことだ。たとえば、「人は必ず死ぬ、そして私は人である。つまり私は必ず死ぬ」のように展開される。
こうした考えを理解できるカラスは、かなり高度な知能をもっているといえるだろう。
雑学まとめ
いかがだっただろうか? カラスやスズメが電線に触れても感電しないのは、電線の1本にしか触れていないためだ。
たしかにいわれてみれば、海外のハプニング映像で電線から落下するクマやサルを見たとき、ぶら下がっている電線から他の電線にわたろうとしたときに感電していた記憶がある。
だからといって、1本だけであれば100%感電しないとは言い切れないので、皆さんも1本だけであっても電線には絶対に触れないようにしていただきたい。