食事のマナーとして音を立てて食べないのは基本! ときおり、くちゃくちゃ音を立てながら食べる「クチャラー」に出くわすが、ああいうのはマナー違反である。基本、食事は静かにとるべきだと考えられている。
しかし、例外的に「そば」は音を立てても問題ないと捉えられている節がある。本当にそばは音を立てて食べてもOKなのか? なぜ、そばだけこのような特別な扱いを受けているのか、気になったので今回はこの雑学について検証してみた!
【食べ物雑学】そばは音を立てて食べてもOK?
【雑学解説】音を立てるほうがマナー
これは、そばだけでなくラーメンやうどんなど麺全般にもいえることだが、麺と汁の両方がセットで1つの食事になっている。そのため、こういった麺類の魅力を存分に楽しむためには、麺と汁を絡みつけて食す「啜(すす)る」という食べ方が絶対的に必要である。
啜るという食べ方をする以上「ズズッ」と音を立てて食べるのは仕方ないこと。麺だけを単体でクチャクチャ食べても全く味がしないのはお分かりいただけるだろう。
ということで、そばだけが音を立てていいというわけでなく、日本でなら一通りの麺類は音を立てて食べても大丈夫。これは日本の文化ともいえるだろう。
ちょっと前に、日本人が麺類を音を立てて食べるのが外国人にとっては不快なようで「ヌードルハラスメント」として問題になったが、これは文化なので致し方ないところもある。外国人にはある程度多めにみてほしい。
そば固有の特徴としては「立ち食いそば」に代表されるように、急いで食べられるものというイメージがある。実際、江戸時代ではササッと食べられることから「庶民の食べ物」として広まった。
その延長として「そばは急いで食べるものだから、音を出してもしょうがない」「そばは行儀よく食べる必要はない」という認識が日本人のあいだで根付いたのだ。
ある意味そばは、正式な食事マナーとは別個に発展したもので、大衆文化として「音を立てて食べるのが当たり前」な食べ物という共通認識ができあがったといえる。
いうなれば「音を立てるほうがマナー」だといえるきわめて異例の食べ物が「お蕎麦(そば)」なのだ!
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【追加雑学①】年越しにそばを食べるのはなぜ?
日本では年越しにそばを食べるという風習があるが、なぜだろうか? これには諸説あるのだが「縁起を担ぐため」という意味は共通している。
その諸説のなかのいくつかをご紹介する。まずは「長生きするため」だ。そばは長く細いことから、長生きを連想させる食べ物なので、年の終わりに食べるようになったという説だ。
また「悪縁を断ち切るため」という意味もある。江戸時代に主流であった十割そばは、つなぎが含まれていないため、伸ばすとすぐ途切れてしまう。このことから旧年の苦労や悪縁を断ち切るという意味をもったともいわれている。
ほかにも、月末にそばを食べる習慣があったためそれが広がったという説や、昔は金粉をそば粉を練ったもので集めていたため「そばは金を集める縁起物」のイメージをもったので、年越しに食べるようになったという説がある。
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【追加雑学②】そば湯って身体にいいの?
そばを食べたあとのシメとして有名な「そば湯」。飲む人と飲まない人がいるが、飲んだほうがいいのだろうか?
答えは、健康にいいので絶対に飲んだ方がいい。なぜならカリウムやビタミンB群、食物繊維やたんぱく質など身体にいい成分が多量に溶けだしているためだ。
雑学まとめ
そばの音についての雑学、いかがだっただろうか。そばを音を立てて食べてもいいのか迷っている人も多いと思うが、存分に音を立てて食べてほしい。一般的なマナーでは音を立てて食べない方がいいのだが、そばという食べ物はこのマナーとは切り離して考えられる、異例な食べ物なのである。
むしろ「粋な食べ方」として、思いっきり音を立てて食べる方が気持ちいいともいえる。日本人も外国人も、そばに関しては仲良く音を立てて啜ってほしいものだ。
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