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人間の都合で…ブルドッグの出生に関する悲しい現実とは…?

雑学カンパニー編集部

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ブルドッグと帝王切開の関係の雑学

「ぶさかわ」の代表、ブルドッグ。大きな頭に大きな口、太くて短い脚につぶらな瞳。なんとも愛くるしい姿で癒してくれる。見た目に反して性格はとても穏やかで、グウグウ大きないびきをかいて寝てる姿なんかたまらない。

多くの犬種の中でアメリカでは上位に入るという人気ぶり。日本でもブルドッグ・フレンチブルドッグ・パグといったぶさかわ犬が人気である

そんな大人気のブルドッグの出生の秘密そこには、人間の都合により引き起こされた悲しい現実があった。改めて、ブルドッグの出生についての雑学を詳しく解説しよう。

【動物雑学】ブルドッグの多くは帝王切開で生まれる?

ライオンくん
人間が理想とするブルドッグにするため交配を繰り返した結果、遺伝子に異常を持つブルドッグばかりになってしまったんだ!
ウサギちゃん
かわいそすぎるよ...

【動物雑学】ブルドッグの8割は帝王切開で生まれる

ブルドッグの8割は帝王切開で生まれるというトリビア

なぜ、こんなにも多くのブルドッグが帝王切開で生まれるのか。その答えは、改良されたその体の構造に問題があることがわかった。

ブルドッグの遺伝子の問題

ブルドッグは100年以上にわたり、人間による交配を続けられてきた動物である。よりブルドッグらしい、人間の理想とするブルドッグを求めるあまり、遺伝子に異常をもつブルドッグを誕生させることになってしまったのだ。その結果、呼吸・骨格・皮膚などに疾患をかかえるようになってしまう。

ライオンくん
そりゃ、あんまりだよ人間さんよ...

海外で調べられた139匹のブルドッグのゲノムがほぼ同一であったという。ゲノムとは、生物が正常に生きるために必要な遺伝子の染色体の一つである。言うなれば、生きていくために必ず必要なものであり、免疫力なんかもそうである。

しかし、くしゃっとした顔に大きな頭、太く短い脚をもったのが理想のブルドッグだ! と人間が決めてしまった結果、同一のゲノムしかもたない個体になってしまった。そのため、免疫系を制御する遺伝子に多様性の欠如がみられるようになったのだ

ブルドッグの平均寿命は10年と短命であり、伝染病にかかりやすい。また、呼吸器疾患やアレルギーなどの深刻な問題を抱えている。これらは前述のとおり、遺伝子の多様性の欠如によって引き起こされる問題の数々である。

ウサギちゃん
なんか...もう...涙で前が見えないよ...

ブルドッグの改良された体の問題

【ブルドッグ】改良された体の問題についてのトリビア

ブルドッグは体の構造もその理想に近づけるべく改良され、結果骨盤が小さくなってしまった。骨盤が小さいということは、赤ちゃんが生まれてくるための産道が狭いということに繋がる。

頭の大きな赤ちゃんが、狭い産道を通って生まれることが難しいことが、帝王切開で生まれる理由である。稀に自然分娩で出産するブルドッグもいるが、狭い産道で頭の大きい赤ちゃんを産むことに変わりはなく、母犬の苦痛は長時間に及ぶ。

自然分娩させてあげたいと思う飼い主もいるかもしれないが、ブルドッグの体のことを考えると帝王切開で出産する方が、逆に負担が少ないかもしれない。もし、どうしても自然分娩を選択する場合は、細心の注意を払ってほしい

ライオンくん
産むのも一苦労なのか...

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【追加雑学】ブルドッグ以外も!帝王切開での出産が必要な犬は他にもいる

フレンチブルドッグも帝王切開で出産することが多い。理由はほぼブルドッグと同じである。

そして、チワワもその選択がされることがあるという。もともと小型犬で、中には平均を下回る体の大きさの個体もいる。小型犬の中でもさらに小さい個体が母犬となる場合、母犬の骨盤の大きさによっては帝王切開を選択することもある。

しかしブルドッグとは違い、初めから全てのチワワに帝王切開を予定しているわけではないため、母犬の骨格によって診断し判断しなければならない

母犬の骨盤と胎子の大きさをエコーなどで確認し、どうしても母犬の骨盤との大きさに違いが生じた場合、自然分娩は諦め帝王切開に切り替えた方が母子ともに負担が軽減されるのである。

ブルドッグの帝王切開と自然分娩

【ブルドッグ】帝王切開と自然分娩についてのトリビア

帝王切開と自然分娩にはそれぞれのリスクがあるが、帝王切開は自然分娩に比べるとやはりリスクが高い。感染症の問題、そしてお腹を切るのだから出産後も負担は大きい

だからといって自然分娩はブルドッグの体の構造上危険であることは明確だ。ブリーダーや飼い主には今一度理解を深め、そのうえで選択してほしいと思う

雑学まとめ

今回はブルドッグにまつわる雑学をご紹介した。ブルドッグの多くは帝王切開で産まざるを得ない。そこには身勝手な人間の理想が関係している。

これから飼おうと思っている人もすでに飼っている人も、自分の近くにあるその命が、高いリスクの中で生まれたものであることを再確認してほしい。

帝王切開で生まれたブルドッグに限らず、どの動物にもいえることだが、最後まで責任をもって命と向き合ってほしい

人間の都合で苦しむことになったにもかかわらず、私たちを癒してくれる存在に感謝といっぱいの愛情を与えてあげたいと思う。

ライオンくん
幸せな一生を願うぞ...!
ウサギちゃん
いつも癒しをありがとう...!

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