夜道を車で走っているときに、暗闇できらりと光るものを見かけたことはないだろうか。ふたつの光が暗闇に浮いているその様は軽くホラーである。
ゆっくり近づいてみると、正体は猫だ。光っているのは猫の目なのである。少し距離があっても確認できるほどの目の光。どうして猫の目は光るのか。その機能や役割はどういったものなのか。
今回の雑学記事では、その理由を解明していこうと思う!
【動物雑学】暗闇で猫の目が光る理由
【雑学解説】猫の目が光る理由はその構造にある
猫は夜行性動物である。そのため、暗闇で獲物などを見つけやすくするために、目の構造が人間とは大きく異なっている。暗闇で目が光るのもそれが理由である。
まず、人間の目は網膜・脈絡膜・強膜といった順で光を吸収する仕組みである。しかし、猫の目は網膜と脈絡膜の間にタペタム(もしくはタペータムともよばれる)という反射板が備わっている。この反射板によって光を網膜に反射させるため、暗闇で車のライトが目にあたったとききらりと光るのである。
網膜に入ってきた光を反射することで、わずかな光でもそれを2倍にすることが可能だという。そうすることによって暗い場所でも獲物を捕らえたりすることができるのである。
【追加雑学①】猫の目が細く鋭いときと大きく丸いときがある理由
猫は、瞳孔の形や大きさで、吸収する光の量を調整までしているという。昼間にみる猫の目が、瞳孔が細く縦線のような感じであることが多いのは、自分の目で吸収しようとしなくても十分な光が得られるからである。
反対に夜間に見る猫の目は、瞳孔が開き真ん丸で優しい感じになっている。昼間と違い光が少ないため、瞳孔を大きくすることで吸収する光の量を多くしているのだ。夜になると懐中電灯が必要な人間とは違い、自らの目の構造で光を調整できるなんてなんとも羨ましい。
同じ猫でも、昼に見るのと夜に見るのとではその印象や人相(猫相)は大きく違うことだろう。昼のしゅっとした猫の目もかっこいいが、個人的には真ん丸な目が好きである。優しい感じがするため、そういった人も多いのではないだろうか。
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【追加雑学②】猫の視力はどのくらいあるのか?
遠くにいる鳥なんかをじっと見つめて、尻尾をフリフリしながら機会を窺っているところなんかをよく見かける。遠くの獲物までよく見えているな、と思うのだが実はそうでもないらしい。
猫の視力は0.1から0.2程だといわれていて、視力的には良くない方だ。しかし、動体視力の優れている猫は、俊敏に動くものが見えやすい。猫じゃらしをゆっくり動かす時より、素早く動かしたときの方が勢いよく飛びついてくるのはそのためである。
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【追加雑学③】どうして猫は夜間に車の前に飛び出してくるのか
車が来たから飛び出しているわけではないようだ。猫は行きたい方向が決まったとき、一直線に進んでしまうのだ。何かを見つけそちらに行きたいと機会を窺っているときも、そこが車の通る道なのかどうかなど猫は認識していない。
飛び出したタイミングと運の悪いことに車が通るのが重なったとき、大きな音や振動や車の強いライトに驚き立ちすくんでしまう。
車の前に飛び出してきた猫が通過しきらずに、その場にうずくまってしまったという経験をした人もいるかもしれない。急ブレーキをかけて停車すると、間もなく暗闇に消えていく猫の姿を見たことだろう。
本当に心臓がひやっとする瞬間である。そうやって回避できた場合はいいが、ブレーキが間に合わず轢いてしまうことで猫の交通事故が多発している。轢いてしまった人も、飛び出した猫も悪いわけではないため、後味の悪い結果となってしまう。
雑学まとめ
今回は、暗闇で猫の目が光るのはなぜかという雑学をご紹介した。
その理由は、タペタムという人間にはない反射板によるものだった。自ら光の量を調節したりと、猫の目はとても機能性がいい。視力はよくないが、代わりに並外れた動体視力をもっていることでカバーできるようだ。
しかし、強い光には弱いため、夜の車のライトを浴びた猫はその場に立ちすくんでしまう。ドライバーの人は暗闇で光る猫の目を発見したとき、出来る限りスピードを落として気を付けて通過してほしい。
そうすることで交通事故を未然に防ぐことができ、猫も人も最悪の結果にならずにすむのだ。知れば知るほど興味の湧く猫という存在を、これからも大切にしていきたい。
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