北海道旅行に行った際、筆者が一番感激したのはチーズ専門店だ。種類の多さとおいしそうな試食の数々に圧倒されて、チーズ大好き人間の筆者は小一時間も滞在してしまったほどである!
お店の人によると、北海道は原料となる乳も牛だけでなく、ヒツジやヤギが手に入りやすく、熟成の方法もたくさんあるそうだ。チーズ好きなのによく知らないのがちょっと恥ずかしかったが、チーズの種類は非常に奥が深いものだと思った。
今回はそんなチーズの種類分けのトリビアを紹介する。
【食べ物雑学】チーズの種類はどう分けるのが正解?
【雑学解説】スライスチーズとかさけるチーズとか、そんなレベルじゃなかった…
よくあるおつまみチーズに多いのが「プロセスチーズ」。実はプロセスチーズの原料は牛乳ではなく、「ナチュラルチーズ」である。
なんのこっちゃ? と思った方もいるかもしれないが、原料である乳からまずはナチュラルチーズ、そしてナチュラルチーズを加熱加工してプロセスチーズを作っているのだ。
つまりナチュラルチーズは非加熱、それを加熱して作るのがプロセスチーズである。
ナチュラルチーズは乳の風味が強く、食感も柔らかいものから、固めまでさまざまだが、熟成が進むと味や風味が変化してしまう。一方のプロセスチーズは画一的な味になる分、一定の状態のまま長期保存できる。
これが最も大まかなチーズの分け方だが、原料や製法別に分類していくと…なんと世界には1000種類以上のチーズが存在するらしい。簡単に種類と特徴を挙げてみよう。
有名なチーズの種類をご紹介
フレッシュチーズ
クリームチーズ・カッテージチーズ・モッツアレラなど。乳を酵素や乳酸菌で凝固させ、そのまま食べるチーズ。熟成させないので柔らかく、乳の味が豊か。
白カビチーズ
カマンベール・ブルーチーズなど。チーズの表面に白カビを塗って熟成させるタイプ。表皮は硬いが中はとろりと柔らかく、風味は濃厚。
青カビチーズ
ゴルゴンゾーラが有名。チーズの内部に青カビを繁殖させるので、中心まで独特の風味が満ちている。ピリッと刺激的な味。
ウォッシュチーズ
エポワス・マンステールなど。表面を塩水やその土地のアルコール類で洗って熟成させることからこの名前がついた。
シェーブルチーズ
サントモール・ヴァランセなど。ヤギ乳で作った風味の強いチーズ。柔らかくくずれやすい繊細な食感。
ハードチーズ(セミハードチーズ)
粉チーズで有名なパルミジャーノレッジャーノや、ゴーダなど。長期保存可能な水分量の少ないチーズ。プロセスチーズの材料になることが多い。
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【追加雑学①】白カビ派?青カビ派?菌がチーズをおいしくする
考えてみればミルクをカビで熟成させようとした最初の人は勇気がある。おなかを壊すとか考えなかったんだろうか…。このカビの種類によっても、チーズの味わいが変わるので、それぞれ特徴を紹介しておこう。
白カビチーズはチーズの表面にカビを塗るので、風味が強いのは主に表面だけだ。中のとろりとしたクリーミーな質感が大好きな人も多いだろう。白カビが作る酵素でたんぱく質が分解されることで旨みが増す。
一方の青カビチーズはまんべんなくカビを混ぜ込み、チーズの内部までしっかり熟成させる。チーズ好きでもブルーチーズは好き嫌いが分かれるところだが、ピリリとした強い刺激と塩気、強烈な香りにとりこになる人が多い。
筆者も昔はカマンベールの皮を食べられなかったのだが、いまやブルーチーズでも大好きだ。これが大人になるというやつか。
【追加雑学②】自宅で簡単!日本でも牛乳からチーズを作ることが可能
通常のチーズは凝固用にレンネットと呼ばれる「凝乳酵素」などを使って固めるが、要は牛乳の中のたんぱく質を凝固させれば固形化してチーズができる。
誰でも一度は、牛乳に酢やレモン汁を入れると白い固形物がフワフワ分離する体験をしたことがあるのではないだろうか。あれを応用して、カッテージチーズを作ることができるのだ。
原始的だが、作りたてのフレッシュチーズのおいしさは格別! 子どもと一緒に作るのも楽しいのでおすすめである。
カッテージチーズが簡単に作れるレシピ動画を以下に紹介しておこう。加熱するときのヤケドさえ気を付ければ、子どもだけでも作れそうな簡単レシピだ。フランスパンにぬったチーズは飯テロなので空腹時は要注意だぞ!
雑学まとめ
種類を挙げていたら、スーパーのプロセスチーズだけでは我慢できなくなってきた…。
いまや専門店からのネット通販は簡単にできる時代。紹介したような世界のチーズを、お家で食べ比べることも可能だ。
筆者のおすすめはヤギ乳で出来たシェーブルチーズである。ただし、間違ってもハードチーズの塊にそのままかみつくのはやめよう! 歯が欠けてしまっても責任は負えない…(表面に保護のために塗っているワックスも食べちゃダメ)。