植物・木

江戸時代の賢い知恵。桜が土手沿いに多く咲いているのはなぜ?

雑学カンパニー編集部

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桜が土手沿いに多いのはなぜ?という雑学

桜は日本を代表する花といっても過言ではない。春になると美しく咲くのが毎年楽しみだ。ところで桜といえば、多くは土手沿いに生えているものである。川と合わさったシチュエーションが相まって、それもまた綺麗だ。

しかし実のところ、桜は景観だけを意識して土手に植えられたわけではない。なんとこれには、災害に立ち向かおうとした昔の人の知恵が関係していたのだ! 今回の雑学では、桜が土手に多い理由について解説していくぞ!

【自然雑学】桜が土手沿いに多いのはなぜ?

桜が土手沿いに多い理由に関する雑学

じいさん
土手沿いの桜がキレイじゃのう…ところでどうして桜は土手沿いに多いんじゃろうか?

ばあさん
それは川の氾濫による決壊を防ぐためなんです。江戸時代の人たちの知恵なんですよ。

【雑学解説】江戸時代の知恵で災害対策!

土手沿いの桜は江戸時代の災害対策であるという雑学

土手沿いに咲く桜の景色は、もとはといえば江戸時代の人たちが、災害対策のために作ったものだ。

当時の人たちが特に困った自然災害は、大雨が降って川が氾濫することだった。この川の氾濫によって、土手が決壊してしまうようなこともしばしばあったのだ。

土手の決壊を防ぐためには、地面を固めておく必要があった。しかし、広範囲に及ぶ土手の地面を固めようと思うと、人件費がかかり過ぎてしまい、政府も頭を抱えていた。そこにこんな案が飛び込んできたのだ。

「桜を植えて、そこに人を集めれば自然と地面が踏み固められるのではないか?」

じいさん
ほう…桜の見物にやってきた人を利用してしまうとは…これはなかなかの名案じゃのう!

人員や道具などをわざわざ集める必要もなければ、かかる費用は桜の苗ぐらいだ。

花見を奨励する事業をする必要などはあったが、単に地面を固める作業を行うくらいなら、こちらの方が幾分か積極的に取り組める。

こうして桜が成長するにつれて、集まってきた花見客によって自然と地面が踏み固められ、悩まされ続けていた土手の決壊を防げるまでにいたったのである。

残念なことに、この案を出した人物が誰なのかは定かではない。その人のおかげで、川沿いの桜並木の美しい光景が今も見られるのだから、歴史に名を残しても良い功績だと思うのだが…。

ばあさん
この方以外にも、たくさんの歴史に埋もれてしまった優秀な方々がいるおかげで私たちはいろいろな恩恵を受けているんでしょうね。

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【追加雑学】お触り厳禁!桜は意外と繊細

桜の木は意外と繊細であるという雑学綺麗な花を見ると、摘んで持って帰りたくなる人もいるだろう。その気持ちはわかる。しかし、いくら桜の花が美しいからといって、枝を折ることはしないでほしい

実は桜は不用意に枝を折られてしまうと、そこから雑菌が入ってしまい、病気にかかってしまうことがある。そうなると、もう美しい花が見られなくなってしまうのだ。

もちろん引っ張ったり、曲げたりというのもダメだ。そもそも桜の枝は手で触っただけでも、菌が木に侵入しやすくなる

じいさん
桜は触るものではなく、あくまで目で見て愛でるものだということじゃな!

また、桜の木の根元に腰掛けるのもいけない。実は桜は地面の浅いところまでしか根を張らないため、多くの人が根元に座って地面が固められると、栄養を吸収しずらくなったり、呼吸しずらくなったりするのだ。

このように、桜はとてもデリケートな植物である。人間の何気ない行動で、桜を苦しめないように気をつけたいところだ。

ちなみに桜を剪定(せんてい)しているプロの職人は、知識をもったうえで触っているので、その点は安心してほしい。

雑学まとめ

桜の木が土手沿いに多く植えられているのは川の氾濫を防ぐためという雑学まとめ今回の雑学はいかがだっただろうか。桜の木が土手沿いに多く植えられているのは、江戸時代の人たちが災害から身を守るための知恵だった。人々に花見を楽しんでもらいながら、自然と地面を固めていく…。

土手沿いの花見を奨励していくというのは、単純作業で土手を固めていくのに対し、とても建設的で楽しい事業のように思える。そういった意味で財政面だけでなく、多くの人にとってメリットのある案だったといえるだろう。

土手沿いに綺麗に咲いた桜も、そういった当時の時代背景を思いながら見れば、また違った楽しみ方ができるかもしれない。

じいさん
何の気なしに眺めていた桜じゃが…昔の人たちの知恵のおかげでいたるところで見られるようになったとはのう。
ばあさん
そう考えると、花見のありがたさも増しますねぇ。

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