某どげんかせんといかん知事のおかげで有名になった、我が故郷、宮崎県。そんな宮崎県のキングオブB級グルメといえば? そう、チキン南蛮だ。今回の雑学テーマも、このチキン南蛮についてである。
さて、チキン南蛮と聞いて、皆さんはどんなイメージを思い浮かべただろうか? きっと揚げた鶏肉を甘酢につけて、たっぷりとタルタルソースがかかっているものを思い浮かべたことだろう。
もちろんそれで正解だが、実はチキン南蛮にはもう一つの姿が存在する。
【食べ物雑学】チキン南蛮は元祖が2つ存在する
【雑学解説】表の「おぐら流」・裏の「直ちゃん流」
表と裏と表現したが、「直ちゃん流」も立派な元祖。では、なぜどちらも元祖なのか。それは2つの元祖の考案者、甲斐義光さんと後藤直さんが同じ時期に洋食店「ロンドン」で働いていた際に出されていた、まかない料理がもととなっている。
衣を付けて揚げた鶏肉を甘酢にさっとくぐらせたまかない料理を、お互いにアレンジした結果がそれぞれのチキン南蛮となり、二人がそれぞれのお店「おぐら本店」と「直ちゃん」で出したことから、その様な呼び名になったようだ。
では、それぞれどう違うかを見てみよう。
「おぐら流」はタルタルソースをかける
おぐら流の最大の特徴といえば、これでもかとかかったタルタルソースだろう。タルタルソースがかかっていればもはやチキン南蛮に50%は近づいたといっても過言ではない。
「直ちゃん流」はタルタルソースをかけない
タルタルソースがなく、一見するととんかつのように見えるのが直ちゃん流。最大の特徴は「衣がパン粉ではない」ということだ。
この衣、筆者の考えでは箸に付いた溶き卵を油に落とすことで、いわゆる天かすのようなものを作っていると思われる。その天かすを、油で揚げたあとにふりかけ、そこに甘酢をかけているようなのだ。これにより、おぐら流とは違うサクサクしたチキン南蛮を堪能することができる。
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【追加雑学】チキン南蛮に使用する鶏の部位はモモ肉ではなくムネ肉
これは意外と知らない人が多いが、両本家では鶏のムネ肉を使用している。甘酢の効果か、衣に卵を使った効果なのかはわからないが、ムネ肉にも関わらずその柔らかさに驚かされる。料理をしたことがある人ならば、なおのことそう感じることだろう。
一般的に鶏肉料理は、ムネ肉よりもモモ肉のほうが美味しくなりやすい。モモ肉のほうがムネ肉よりも脂身が多いからだ。
作るときは両方の部位を用いる派の筆者の考察は、モモ肉は脂が多い分食べ過ぎると胃もたれしやすいが、ムネ肉はあっさりしているので胃もたれしづらい、だ。
もっと簡単にいえば、モモ肉は男性向き、ムネ肉は女性向きといったところだろうか。また、家庭では一口サイズに切り分けて作るのが食べやすい。筆者のチキン南蛮はこんな感じだ。
これでないといけないというわけではない。お好みの部位で美味しいチキン南蛮を楽しんでいただきたい。
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雑学まとめ
チキン南蛮についての雑学を紹介してきた。有名になったおかげで古今東西いろいろなチキン南蛮が生まれた昨今。本場出身の筆者からいわせれば、東京での偽チキン南蛮の多さについ愚痴をこぼしたくなる。
だが、勘違いしないで欲しい。チキン南蛮は偽物でも美味いのだ。ちょっとくらい甘酢のバランスが悪かろうが、タルタルソースが雑だろうが、なかなかどうして、ほぼ美味い。
それこそが、チキン南蛮の一番の魅力なのかもしれない。
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