「コンドームを正しく利用すれば、約98%は避妊することができます。」
こう聞くと非常に高い確率のように思えますが、逆にいえば、正しく使っていても100人に2人は妊娠してしまうということですよね。
そしてコンドームの使い方を間違っている人というのは意外と多く、そういう場合は避妊率も82%まで下がってしまいます。5人に1人は妊娠してしまうと考えると、かなり怖くないですか?
「正しく使えばいいだけの話でしょ」とはいっても、コンドームを使うのは女性ではなく、男性側。使い方ひとつでこれだけ確率が左右されるのに、すべて彼任せというのはやっぱり不安ですよね。
【性の雑学】コンドームとピルは併用するべき?
コンドームとピルを併用すればほぼ100%の避妊が可能
ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンを含んだ飲み薬式の避妊薬のこと。1日1回常用していれば、身体が擬似的に妊娠しているような状態になるため、排卵や精子の侵入を抑制して、避妊することができます。
常用している人の避妊率は99.8%。コンドームを併用すればほぼ100%避妊することができるので、海外諸国ではもはや当たり前になりつつある避妊法なんですよ。
このほかにも子宮内にIUDという避妊器具を取り付ける方法がありますが、これは出産や中絶経験がある人が対象となるので、ピルに比べて汎用性は低いです。
生理痛の緩和・ニキビが減るなどのうれしいメリットも!
物理的に精液の侵入をブロックするコンドームと違い、ピルは女性のホルモンバランスに直接作用するわけですから、当然体調にも影響してきます。
具体的には生理痛の緩和や生理の際の出血量が減ったりと、生理の症状に悩まされている女性にはうれしい効果ばかり。飲むタイミングを工夫すれば、生理不順を整えることもできます。
またホルモンバランスに影響することで、ニキビが減るという副産物的な効果も…。生理のわずらわしさと美容。ピルには避妊以外にもメリットがあるんです!
最初の3ヵ月は副作用が出るかも?
「なんだ! コンドームより全然いいじゃん!」と思った人は多いと思いますが、ピルにもデメリットはあります。
”擬似的に妊娠しているような状態を作る”といわれるとピンとくる人もいるでしょう。副作用として、妊娠時の「つわり」のような吐き気や頭痛、不正出血などの症状が出ることがあるのです。
ただこれも身体が慣れるまでの話で、3ヵ月ほど常用を続ければ症状は治まります。避妊に失敗するリスクを考えれば、この副作用があってもメリットのほうがはるかに大きいですね。
ただ喫煙している人や、高血圧、肥満などの傾向がある人は血栓症を助長する可能性もあるので、お医者さんと要相談ということになるでしょう。
しかし、これも30歳ぐらいまでの健康な女性であれば、2万人に1人発症するかどうかの確率なので、ほとんどの場合は問題なく服用することができます。
あとは「産婦人科で処方してもらうのが手間」「月々2,500円ほどかかる」という点も挙げられますが、コンドームだってさほど値段は変わりませんし、これはデメリットというほどではない気もしますね。
ピルを飲んでいてもコンドームは性病予防のために必須!
なかには「ピルで99.8%も避妊できるなら、コンドームなしでセックスできるじゃん!」と思った人もいるかもしれません。
いやいや…ピルを飲んでいてもコンドームは必須。なぜならピルで避妊はできても、性病予防はコンドームでなければできないからです。
クラミジアやHIVなどの性病の多くは、性器同士が直接触れたり口での愛撫をしたりすることによって、ウイルスが体内に侵入して感染します。こちらはピルでホルモンバランスを整えるとかそういう話ではなく、物理的に侵入をブロックする必要があるわけですね。
またコンドームを付けるのは男性側の責任感の表れでもあるので、そういった意味でも癖づけておいたほうがいいでしょう。避妊を完全に彼任せにしてしまうのと同じように、女性がすべて責任を負うことになるのもよくありません。
雑学まとめ
ピルはコンドームに比べると少しハードルが高い印象があります。しかしコンドームのような失敗がなく、ほぼ100%の避妊ができること、生理や美容の面でもメリットがあることを踏まえれば、少しの手間は気になりません。
「コンドームを必ず付ける」程度の避妊はもはや当たり前の話。これからはピルも活用して、女性も避妊を率先して行ってみてはどうでしょうか。