初詣などで、神社やお寺にお参りに行く人は多いだろう。神社やお寺について、日本人なら1度は疑問に思ったことはないだろうか?
「どうして神社では手を叩くのに、お寺では手を叩かないんだろう?」
神社もお寺も、参拝方法はどちらも似たようなものだ。大きな違いといえば、手を叩くか叩かないかの差だ。この違いには、2つの宗教の考え方の違いが関係している。
それでは、手を叩くか叩かないかの差についての雑学を解説していこう。これを知れば、誰かに話したくなるはず。
【生活雑学】神社では手を叩くのに、お寺では叩かない理由は?
【雑学解説】合掌の意味からお寺で手を叩かない理由が分かる
お寺が信仰してる仏教のしぐさの1つに、「合掌」というものがある。お寺の参拝やお墓参りなどで私たちが何気にしている合掌だが、実はきちんと意味のあるポーズなのだ。
仏教の発祥地であるインドには、「右手が清浄な手、左手が不浄な手」という考えがある。これを仏教にあてはめると、「右手=仏さま、左手=俗世で生きる人間」となる。
この両手を合わせることで、仏さまと人間が1つになるということを表しているのが、合掌だ。
この他にも、合掌には相手に対する敬意や感謝、尊敬を込めた意味もある。合掌をすることで、仏さまに対する敬意を表すということにもつながるのだ。
スポンサーリンク
【追加雑学】神社ではなぜ手を叩くの?
お寺で合掌する意味は分かったが、それでは神社ではなぜ手を叩くのか? 神社で手を叩くことを「柏手(かしわで)」というのだが、こちらにもちゃんと神社が信仰している神道(しんとう)の意味がある。
この柏手の意味は諸説あるが、よくいわれているものとしては以下の3つだ。
- 武器を手にしていないことを知らせるため
- 呪術の一種(邪気を払うなど)
- 膳夫(かしわで)という身分の料理人が、柏手をしながら神様にお供え物をしていた
これらの説を踏まえると、柏手には「邪気を払い、武器を手にしていないことを証明し、相手に敬意を払う」という意味が込められていることが考えられる。この考えが神道においては、「邪気を払い、神様に対して敬意を表す仕草」となるのだ。
ちなみに、神道のお葬式では音を鳴らさない柏手をするのが決まりとなっている。音を鳴らさない理由としては、「亡くなった人の魂を祓わないように」というものが考えられる。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。
お寺で手を叩かずに礼拝する「合掌」には、仏さまを表す右手と人間を表す左手を合わせることで、仏さまと人間が一体となるという意味がある。また、仏さまに対して尊敬や感謝の意を表すのも合掌だ。
反対に神社では、「柏手」といって手を叩く仕草がある。こちらは、邪気を払って神様に敬意を表す意味が考えられる。
どちらも仕草やもつ意味に違いがあるが、根っこは「神様や仏さまを敬う気持ち」が込められている。お寺と神社、それぞれに合った方法で、神様や仏さまに敬意を払いつつ参拝しよう。
おすすめ記事
-
おみくじの正しい引き方とは?参拝前に引いたら無礼者。
続きを見る