閻魔大王は、地獄に行く死者へ相応の罰を与える存在だ。しかし、そんな閻魔大王自身も罰を受けていることを知っているだろうか?
「閻魔大王の顔は赤い」というイメージをもっている人は多いだろう。そのイメージも、実は彼の受けている罰から生まれたものだ。今回は、そんな閻魔大王の罰についての雑学を紹介しよう。
【歴史雑学】閻魔大王も罰を受けている
【雑学解説】1日3回ある過酷な罰
実は閻魔大王は、とある罪を背負っている。極楽に行っても良い人を極楽へ、地獄へ行くべき人を地獄へ送るのが閻魔大王の仕事だが、それ自体が罪だというのだ!
その罪に対する罰は、地獄の罪人が受ける罰よりも凄まじいものとなっている。それが、「1日に3回、どろどろに溶けた銅を飲む」というものだ。
どろどろに溶けた銅を飲めば、喉や内臓は焼けただれてしまう。想像するだけでも恐ろしい…! しかし地獄の住人は傷の治りが早いので、銅の熱で痛めつけられた閻魔大王の体もすぐに治る。そしてまた、閻魔大王は銅を飲むことになるのだ。
ちなみにどろどろに溶けた銅を飲んでいるから、閻魔大王の顔は赤いという。
私は怒っているから顔が赤いのだと思っていたのだが…単に熱いから赤くなっていると聞くと、「閻魔大王も普通の人間とあまり変わらないのだな…」と感じさせられる。
罰を受けているという意味では、閻魔大王も地獄の死者と平等な立場ということなのだろうか。
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【追加雑学】閻魔大王はこんにゃくが好き
「溶けた銅を飲まされる」という雑学だけでは、ちょっと閻魔大王がかわいそうだ。ということで、彼の好きなものについても紹介しておこう!
閻魔大王はこんにゃくが好きだ。そう、あのプルプルしたこんにゃくである。
これには、江戸時代のある話が関係している。
江戸時代、盲目の老婆が自身の目を治そうと、閻魔大王に21日間の祈願を行った。すると満願の日に閻魔大王が夢に現れ「満願まで頑張ったから、私の目を片方やろう」といったという。そして目が覚めると、老婆の目は治っていたのだ。
この老婆は祈願を行う際に、自分の好物だったこんにゃくを断って、代わりに閻魔大王にこんにゃくを供えていた。そのお供え物が由来で、「閻魔大王はこんにゃくが好き」ということになっているのだ。
この話は東京都文京区にある源覚寺に伝わるもので、このお寺にある閻魔大王像の右目は無くなっている。これは彼が老婆に右目をあげたことの表れなのだ。
こちらの動画にて、閻魔大王の右目が無いことが確認できる。
とても厳しい閻魔大王だが、目的を果たそうと頑張る人には慈悲深い一面もあるのだ。
雑学まとめ
閻魔大王についての雑学、いかがだっただろうか。閻魔大王は、地獄に行くべき死者を裁くだけでなく、自分自身も罰を受けている。それは「どろどろに溶けた銅を1日3回飲む」というもので、閻魔大王の顔が赤いのは、その罰を受けているからだった。
死者を裁くことが罪になるというのは、少し意外だ。それにしても、罰を受けてでも送るべきところへ死者を送るという、閻魔大王の責任感の強さには恐れ入るものがある。
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