「子・丑・寅…」でおなじみの干支。年ごとの動物が決まっていて、年賀状のデザインを考えるのが楽しみだという人もいるだろう。
日本独特の風習のような印象もあるが、実はアジアやヨーロッパなど、多くの国で干支の文化は普及している。興味深いのは、国によって動物の組み合わせが違うことだ。
日本の昔話では干支になり損ねてしまった猫も、国によっては採用されているというぞ! 今回はそんな世界の干支の雑学を紹介しよう!
【面白い雑学】国によって干支の動物が違う
【雑学解説】各国の干支は日本と同じではない
ご存知のように日本の干支は「ネズミ・牛・虎・ウサギ・竜・蛇・馬・羊・猿・鳥・犬・猪」である。この中でも猪は日本にしかない干支で、海外では代わりに豚が使われている。
猪にどこか和のイメージがあるのは、日本特有の干支ということが関係しているのかもしれない。その他、特有の干支が普及している国は以下のとおりだ!
- モンゴル…虎の代わりに豹
- チベット・タイ・ベラルーシ…ウサギの代わりに猫
- ブルガリア…虎の代わりに猫
- ベトナム…牛の代わりに水牛、ウサギの代わりに猫、羊の代わりにヤギ
- トルコ…虎の代わりに豹、竜の代わりに魚
- アラビア…竜の代わりにワニ
- インド…鳥の代わりにガルーダ
日本ではネズミに出し抜かれてしまった猫も、チベットやタイ、ベトナムなどの東南アジア諸国では、めでたく干支の仲間入りを果たしている。
またインドの酉年にあたる「ガルーダ」というのは、インドの神話に出てくる鳥だ。神話では人間の脅威となる蛇や龍を退治してくれる神聖な鳥とされている。なるほど、干支になるほど慕われているということか。
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【追加雑学】干支に動物があてはめられた理由とは?
実のところ干支の漢字は、実際の動物の意味はもっていない。つまりもともと干支は漢字だけで、後から動物があてはめられたのだ。
なんでも干支の起源である古代中国では、文字が読めない人が大勢おり、彼らに干支を普及させるために動物をあてはめるようになったのだという。その際、干支の漢字に似た名前の動物や、馴染みのある動物が選ばれた。
だからベトナムの水牛やヤギ、アラビアのワニ、インドのガルーダのように、その国特有の動物が使われているのである。
ちなみに日本に干支が伝わったとき、日本人にとって豚はあまり馴染みのない動物で、そのため猪が採用されたという。そうすると猪が和のイメージというよりは、豚の海外のイメージが強かったということか。
干支の雑学まとめ
国ごとに違った動物が採用されている干支は、もとは漢字を馴染み深いものにするための、マスコットキャラクターのようなニュアンスで使われるようになったものだった。身近な動物でイメージ付けたのはまさにナイスアイデアである!
しかし日本人にとって、やはり猫は古くから馴染みのある動物のはずだが…ネズミに騙されて干支になれなかったという昔話は本当なのだろうか…。