演技が下手な役者のことを「大根役者」という。「こういう言葉は海外にもあるのか?」と思い調べてみると、なんと英語圏では「大根役者」のことを「ハム役者」と呼ぶそうだ。
あの食べ物のハムが由来なのかと思いきや、実は、海外の演劇界で有名なある作品が由来となっているそうだ。
今回は、そんな「ハム役者」に関する雑学を紹介しよう。
【世界雑学】英語圏では「大根役者」のことを「ハム役者」という
【雑学解説】「ハムレット」が由来の「ハム役者」
どうして英語圏では、下手な役者のことを「ハム役者」というのか。最も有力な説としては、「ハムレット」という作品が挙げられている。
「ハムレット」というのは、イギリスの劇作家であるウィリアム・シェイクスピアが作った悲劇。父である王を殺害され、その犯人であり現在王となっている叔父に復讐するハムレットという青年の話だ。
この「ハムレット」には、ある不名誉な話がある。
- 下手な役者ほど、ハムレット役をしたがる
- ハムレットは、下手な役者だろうが、誰が演じてもそれなりにヒットする
つまり、「ハムレット=下手な役者がやる・下手な役者でもできるもの」という話だ。このことから、「ハムレット」が縮まって「ハム」となり、日本でいう「大根役者」を英語圏では「ハム役者」と呼ぶようになったのだ。
このほかにも、「ハム役者」と呼ばれるようになった理由はいくつかある。簡単に紹介しよう。
- 売れない役者がメイクを落とすのに、ハムの脂を使っていたという説
- 「ham」という言葉には、「ハム」の他に「道化(どうけ)」という意味がある。そこから、誇張した演技をして自然な演技ができない役者を指すようになったという説
どれも役者にとっては、不名誉な由来だ。
ちなみに私は「ハムレット起源説」を知ってから、「ハムレット」で主役を演じる役者さんを見ると、妙に複雑な気持ちになる。演技力があるから主役になっていると思いたいが、もしかしたら…。
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【追加雑学】どうして「下手な役者」のことを「大根役者」というのか?
さて、日本では下手な役者のことを「大根役者」という。この由来を、あなたは知っているだろうか? 追加雑学として解説しよう。
「大根役者」という呼び方は、ある種のシャレによってできた言葉だ。大根といえば、生であろうが加熱していようが、食中毒になることはない。「大根による食中毒」というのは、聞いたことがないだろう。
食中毒になることを「あたる」という。大根は食中毒にならないということは、「大根にあたることはない」ということになる。
そして、役者がヒットして人気が出ることも「あたる」という。
このことから、「役者としてあたらない」と「大根はあたらない」という2つの言葉が合わさって、「大根役者」という言葉が生まれたのだ。
このほかにも
- 大根の白さと素人の「シロ」をかけた説
- 下手な役者ほど、おしろいを付けるという説
- 下手な役者が出ると、その場が白けるという説
などがある。これらの説から見ても、「大根役者」という言葉が、役者にとってどれほど恐ろしい言葉かが分かると思う。
「大根役者」と呼ばれるのは、役者にとって「素人同然」といわれるのと同じことなのだ。
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雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。下手な役者のことを、日本では「大根役者」、英語圏では「ハム役者」と呼ぶ。どうして「大根」なのか、どうして「ハム」なのか…。その由来を探ってみると、役者にとって不名誉で恐ろしいものが含まれているのだ。
役者を志す人は、大根やハムにならないように、おいしい演技ができるように頑張ってほしいと思う。