世界一

"非現実の王国で"。世界一長い小説は"引きこもりの男"が生涯書いた超長編

世界一長い小説に関する雑学

学生時代の宿題で1番嫌われているものといえば、読書感想文ではないだろうか? 感想文を書くこと自体も厄介だが、何より課題となる本を読むのに時間がかかって仕方ない…。

さて、もしアナタが世界一長い小説の感想文を書きなさい、という課題を出されたら、どのくらいの長さを想像するだろうか?

1000ページ? それとも2000ページ? いずれにしても読破するまでには、かなりの時間がかかりそうだ。

そこで今回は、読書感想文の課題図書には絶対になってほしくない、世界一長い小説にまつわる雑学を紹介していこうと思う。

【世界雑学】世界一長い小説は?

ロバート
エイミー、オレ、大長編小説をゆっくり読みたいんだけどなんかおススメってあるかい?

エイミー
だったら、世界一長い小説『非現実の王国で』なんかどう?

【雑学解説】世界一長い小説とその作者にまつわる話

世界一長い小説とその作者にまつわるトリビア

2004年までのギネスブックには、世界最長の小説としてフランスの作家であるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』が掲載されていた。この作品は、960万以上の文字数を誇るかなりの大作である。

それでは、この作品が世界一長い小説かというと、そうではなく、2007年からは別の作品がギネスブックに掲載されている。

その作品とは、ヘンリー・ダーガーの『非現実の王国で』。この作品は、1万5000ページを超える大長編であり、300枚以上の挿絵もダーガー本人が描いているというかなりの力作だ。

ロバート
WHAT?!1万5000ページを超える?!

ちなみに、同作の正式タイトルは『非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語』であり、こちらの長さもギネス級である。

ロバート
タイトルの時点ですでに長すぎだろ…。

とはいえ、ダーガーの名前を聞いたことがある人は少ないだろう。なぜなら、彼はいわゆる作家ではなく、ただの「引きこもり」だったのだから。

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引きこもりだったヘンリー・ダーガー

引きこもりだったヘンリー・ダーガーについてのトリビア

ヘンリー・ダーガー

1892年にシカゴで生まれたダーガーは、幼少の頃に母と死別し、12歳になると知的障害が見られたために施設へと送られてしまう。そして、15歳のときに父が亡くなったことを知ったダーガーは、施設を脱走して徒歩で260キロ離れた故郷のシカゴまで戻ったそうだ。

その後、シカゴの病院で清掃人として勤め始めたダーガーは、19歳のときに『非現実の王国で』の執筆を開始。1973年、81歳で亡くなる半年前まで、同作品の執筆を続けていたらしい

エイミー
60年以上もひとつの作品の執筆を続けていたなんて、すごい執念よね。

しかし、ダーガーは職場と教会に行くとき以外は基本的に引きこもりだったようで、『非現実の王国で』も世に発表するために書いていたものではないようだ

『非現実の王国で』が発見されたのは、ダーガーのアパートの家主が、彼の荷物をまとめるために部屋を訪れたときのこと。しかも、家主がダーガーに「部屋のものはどうするか?」と聞いた際にも同作のことには触れず、「(部屋のものは)捨ててくれ」と言ったようだ

アパートの家主のおかげで日の目をみることになった『非現実の王国で』。もしかしたら、永遠に世に出ることがなかった作品だったかも…と考えると、感慨深いものである。

なお、ダーガーの生涯については謎が多く、それを究明しようとした映画も作られている。

ロバート
『非現実の王国で』のあらすじがもうよく分からないぜ…。

エイミー
ダーガー自身も不思議な人物ね。

とはいえ、この予告編を見るだけでも、謎は深まるばかりである。ヘンリー・ダーガーとは、いったいどんな人物だったのか? とても興味をそそられる人物なのは間違いない。

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【追加雑学】日本一長い小説『グイン・サーガ』こそ世界一長い小説!?

日本一長い小説『グイン・サーガ』についてのトリビア

グイン・サーガ1巻

さて、ここまでは世界一長い小説を紹介してきたが、日本一長い小説について気になる人もいるだろう。そして、その答えは、『グイン・サーガ』である。

『グイン・サーガ』は栗本薫によるファンタジー小説であり、豹頭の戦士・グインを中心として、数多くの魅力的な登場人物が活躍する作品だ。1979年(昭和54年)から文庫書き下ろしの形で刊行された『グイン・サーガ』は、第1巻の「豹頭の仮面」発売時から全100巻完結という構想を発表していた。

ロバート
この作者、最初っから100巻書くつもりだったってのかい?!

しかし、2005年(平成17年)に発売された第100巻でも話は完結することはなく、全200巻完結にすると方針変換。結局、2009年(平成21年)に130巻の半ばまで執筆したところで作者の栗本薫が死去しており、作品は未完のままで一旦終了することとなってしまった

これだけの長編作品である『グイン・サーガ』だから、ギネスブックに載っても不思議じゃないのでは? と思う人もいるだろう。実は、第93巻が発行された2004年(平成16年)に、英語換算で3000万文字以上の「世界一長い小説」として、ギネスブックに申請しているのだ。

しかし、ギネス側は、「1冊にまとめられた作品ではない」という理由で申請を却下。分冊による最長作品のカテゴリーを新設するように要請したものの、これも却下されている。

エイミー
あらら…残念ね…。

ちなみに、『グイン・サーガ』1冊のページ数は約300ほど。つまり、『グイン・サーガ』は300ページ×129.5巻(130巻は半分で終了)=3万8850ページとなり、『非現実の王国で』の1万5000ページをはるかに超えるボリュームとなるのだ!

ロバート
2倍以上のボリューム!いったいどうやったら、そんな長い作品が書けるっていうんだよ!

つまり、本当の「世界一長い小説」は『グイン・サーガ』だといっても過言ではない

なお、『グイン・サーガ』以外にも『宇宙英雄ペリー・ローダン』シリーズのように何百冊にも及ぶ小説はいくつか存在する。しかし、それらの作品は複数の作者によるリレー形式で書かれたものであり、単独作者による小説としては『グイン・サーガ』が最長なのには変わりない。

雑学まとめ

世界一長い小説の作者の人物像についてのトリビア

今回は、世界一長い小説についての雑学をご紹介した。その作者の人物像は、かなり意外なものだったのではないだろうか?

それにしても、1万5000ページを超える小説の読書感想文を出されたら、休みがいくらあっても足りないことは間違いない…。だが、安心してほしい。同作はあまりにも長いため、全編が日本語訳されたものは刊行されていないのだから。

とはいえ、日本には『グイン・サーガ』もあるので、そちらの感想文ならありえない話ではないかも!? もしもボリュームある小説を読んでみたいという、読書好きの方がいたら、今回名前があがった作品にチャレンジしていただきたい

エイミー
どうかしらロバート、『グイン・サーガ』チャレンジしてみる?
ロバート
いや…ほどほどの長編小説をゆっくり読むことにするぜ…。

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