え~と、なんだっけ…? そう、年とともに衰えていく記憶力。皆さんは人や物の名前を思い出すのに、苦労されることはないだろうか。私は、いつも苦労している。
そんな人におすすめなのが、昼寝である。昼寝をすることで、記憶力がアップするのだ。最近では、グーグルやナイキといった有名企業でも、昼寝を推奨している。
今回は、そんな昼寝の効果についての雑学をご紹介しよう。あなたの昼休みライフが変わるかもしれない。
【人体雑学】昼寝は記憶力をアップさせる効果がある
【雑学解説】6分の昼寝で記憶力アップ!
ドイツのデュッセルドルフ大学の研究で、わずか6分間の昼寝で記憶力がアップすることがわかった。
この実験では、13時に被験者たちを大学の研究室に集合させ、30個の単語を書いたリストを2分間で記憶するよう指示した。そして1時間後にどれだけ覚えているかテストした。
テストまでの間の過ごし方を、3グループに分けた。
- 起きたままのグループ
- 6分間のうたた寝をしたグループ
- 平均35分間の昼寝をしたグループ
この結果、「睡眠なしの被験者が覚えていた単語は平均で7語弱、短時間のうたた寝をした人は8語以上と成績が上がり、より長時間の昼寝をした人は9語以上だった。」との内容がJournal of Sleep Researchに報告された。
もちろん、長時間の昼寝をすることに越したことはないが、わずか6分間の昼寝でも、記憶力は向上したのである。
なぜ昼寝で記憶力が向上したのか
その理由としては、昼寝をすることで周囲の環境に意識を向けなくてよくなるからだ。
つまり、脳に新しい情報が取り込まれないため、脳の処理能力に余裕が生まれ、学習で得た知識を固定させる作業に集中できるのである。こうして、最終的に記憶が定着されるのだ。
これは逆に言うと、学習後に休憩としてスマホなどのゲームをしてしまうと、脳はゲームをプレイすることに処理能力を使ってしまうため、学習した内容が脳内に取り込まれない状態になる。つまり、記憶の定着率が下がってしまうのだ。
私もついつい休憩中にゲームをしてしまうので、気をつけなければならない(だから、記憶力が悪いのか…)。こうして考えると、学習で一番大事なのは、学習後の過ごし方なのだということがわかる。
【追加雑学①】目を閉じるだけでも記憶力アップ
横になって、すぐ昼寝。そんな、のび太くんにはなれないという人もいるだろう。そんな人におすすめなのが、「ウェイクフルレスト」という方法だ。
これは、学習後に目を閉じて何もしないでボーっとする方法である。
イギリスのエジンバラ大学の研究では、このウェイクフルレストをした人は、それをしなかった人に比べて、記憶の定着率が10%も高くなったということがわかった。
学習後には、何もしない休憩をとることが大切ということか。
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【追加雑学②】睡眠でも記憶力をアップできる
忙しかったり、人目を気にしたりで、昼寝や休憩がなかなかとれないという人もいるだろう。そんな人におすすめのが、「インターリービング・スリープ」という方法だ。これは、夜の睡眠を利用して、記憶の定着率を上げる方法だ。
具体的には、次の2つのステップを行なう。
- 1日目の夜に、学習をスタートして、中途半端なところで中断する。
- 2日目の朝に、前日中断したところから、学習を再開する。
この2つを繰り返すことで、記憶力がアップするのだ。
この方法で大事なことは、1日目に区切りのいいところで中断するのではなく、中途半端なところでやめるところである。
脳は区切りのいいところで学習を終えると、無意識のうちに情報処理を怠けてしまうのだが、中途半端なところで学習を終えると、そのことが気になって情報処理を続けてくれる。このため、学習した内容が睡眠中に定着していくのだ。
フランスのリヨン大学の研究では、このインタリービング・スリープを実践した学生は、実践しなかった学生と比べて、単語テストの成績が2倍も良くなったことがわかった。
劇的な効果である。キリの悪いところで終えるという斬新な発想ではあるが、非常に効果的な方法なのだ。
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【追加雑学③】昼寝で生産性もアップする
厚生労働省の『健康づくりのための睡眠指針2014』では、「午後の早い時刻に30分以内の短い昼寝をすることが、眠気による作業能率の改善に効果的です」と示されている。
つまり、眠気による作業能率の低下を防ぐことで、生産性がアップするということだ。時間がないときにこそ、昼寝をして脳をリフレッシュさせて、作業を効率よく進めることが必要かもしれない。
ちなみに、レオナルド・ダ・ヴィンチは、4時間ごとに15分の昼寝をしていたそうだ。天才も取り入れていた昼寝、私たちも寝て、リフレッシュした頭で勉強や仕事に取り組みたい。
雑学まとめ
今回は、昼寝で記憶力がアップするという雑学についてご紹介した。学習後の昼寝が記憶力アップに効果的なことがわかった。一番大事なことは、学習後に余計な情報を入れずに過ごすことである。
一夜漬けなど徹夜で学習する根性論もあるが、実際には睡眠を減らして頑張っても、学習した内容は頭に残りにくい。学習後や学習の合間に、睡眠や休憩を上手に利用することがポイントなのだ。
よく寝る人は怠け者と考えられる時代は、もう古いのだろう。寝る子は育つの言葉通り、睡眠は記憶力の向上に役立つのだ。
だとすれば、のび太くんは天才なのではないだろうか。…いや、彼の場合は、その前の学習時間が足りないのかもしれない。
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