食品には賞味期限が記載されている。もちろんはちみつにも。
そして、はちみつの賞味期限は一般的に採取してから2年ほどに設定されている。しかしながら、はちみつは賞味期限を過ぎてしまっても食べられるというのだ。
それでは、なぜはちみつに賞味期限があるのだろう。一体いつまで食べられるのだろう。そんな雑学を調べてみたら、はちみつのすごさに驚かされてしまった!
【食べ物雑学】はちみつは腐らない
【雑学解説】はちみつが腐らない理由
はちみつが腐らないのは、はちみつの中で細菌が繁殖できない理由がいくつかあるからだ。
水分量が少ない
水分量が約20%と少ないこと。20%の水分量がどのくらいかというと、スルメや乾燥したかんぴょうとほぼ同じくらいなのである。カビや腐敗菌が繁殖するには水分が必要なのだが、はちみつの中では水分が少なくて活動できないため腐らないのだ。
糖度が高い
糖度が約80%と高いこと。糖度が70%以上になると細菌が侵入しても、糖分が細菌内の水分を吸収してしまうので、細菌は死滅して繁殖できない。
酵素によってブドウ糖が変化
ミツバチが注入する酵素がはちみつの中のブドウ糖をグルコン酸や過酸化水素に変化させることもあげられる。はちみつがグルコン酸によって細菌が苦手とする酸性になることや消毒液の成分にも入っている過酸化水素によって殺菌作用が働くため、はちみつが腐らないのである。
ただしこれらは、ミツバチが作ったものに何も手を加えられていない純粋なはちみつの特徴なので、砂糖や水あめが混ぜられているものや成分を加工されたものでは当てはまらないので注意が必要だ。
おすすめ記事
-
はちみつの消費期限がスゴい。3000年前のはちみつも食べられる。
続きを見る
【追加雑学①】はちみつの正しい保存方法
純粋なはちみつでも、保存方法や取り扱いが正しくないと腐ることもある。
- 直射日光の当たらない涼しいところに常温保存する。ただし、シンクの下などの湿気のある場所は避けること。水分は大敵。
- 冷蔵庫での保存も、結晶化して固まってしまうので気をつける必要がある。
- 水分と同様にパン屑などの異物も混入しないように、蓋をしっかり閉めること。また、使いまわしのスプーンや指をはちみつに入れないように気をつけること。
- 使用するスプーンも金属製ではなく木製や陶器製のものを使うこと。なぜなら、金属のスプーンにより化学変化が起こり、はちみつの栄養成分がなくなってしまうことがあるからだ。
- プラスチック容器に入っているものは長期保存すると匂いが移ってしまうので、ガラス瓶の容器に入れ替えて保存する方が望ましい。
はちみつは以上のことに気をつければ、何年でも食べられるすごい食品なのである。
では、はちみつに賞味期限があるのはなぜ?
それは、日本の法律で食品には賞味期限を記載することが義務付けられているからである。
しかしながら、いくら腐らないはちみつとはいえ、時が経つにつれて風味は落ちていくので、美味しく食べるならば賞味期限内に食べるのがおすすめだ。
スポンサーリンク
【追加雑学②】はちみつは赤ちゃんに与えてはいけない!
細菌が繁殖できないはちみつの中にもボツリヌス菌の芽胞(がほう)が混入していることがある。芽胞とは細菌が繁殖できない過酷な状況でも休眠状態で生き延びることができる細胞の形態である。
このボツリヌス菌芽胞は健康な大人の体内に入っても、すでに腸内細菌がたくさんいるのでボツリヌス菌が増える余地がなく何も起こらないのだが、1歳未満の赤ちゃんの腸内はまだ未熟なためボツリヌス菌が増殖し毒素を出すことで「乳児ボツリヌス症」を発症することがある。
乳児ボツリヌス症は重症になると死に至ることもあるので、1歳未満の赤ちゃんには決して与えてはいけないのだ。
【追加雑学③】はちみつのいろいろな効果
はちみつの中にはビタミン・ミネラル・アミノ酸・ポリフェノールといった栄養素がなんと150種類も含まれているのだ。
ヨーグルトに混ぜたり、紅茶に入れたりと甘みとして使われることが多いはちみつ。砂糖大さじ3杯分の甘みを出すのに、はちみつを使えば大さじ1杯で良いのだ。また、カロリーも砂糖の4分の3と少なく、脂肪燃焼効果もあるためダイエット中にはもってこいの食品だ。
さらに、はちみつはブドウ糖が主成分の単糖類なので、これ以上分解される必要がないことから胃腸に負担をかけることなく、速やかにエネルギーに変換されるのだ。疲れたとき、忙しいときのエネルギー源としても最適である。
はちみつの殺菌力の高さから、傷の回復を早める効果もあるという。手術後の患部にメディカルハニーを塗っている病院もあるのだ。
また、はちみつを小さじ1杯程度舐めることで、のどの粘膜を保護し保湿をしてくれるので、のどの痛みや咳にも効果を発揮する。
他にも、ポリフェノールの抗酸化作用でお肌に塗るとアンチエイジングや美肌効果があり、整腸作用でお腹にも優しいといった嬉しい効果があるのだ。
実をいうと自分も数年前から化粧水にはちみつを小豆粒ほど混ぜて使っているが、実年齢より若く見られたことしかないのだ! 夜寝る前にスプーン1杯のはちみつを続けていたら、アラサーで悩まされていた胃痛がアラフォーでも全く気にならなくなったのにも驚きだ!
雑学まとめ
はちみつについての雑学、いかがだっただろうか。はちみつは、適切に保存していれば賞味期限が過ぎても腐ることなく食べられるすごい食品だった!
しかも、栄養素がたっぷり詰まっていて、疲労回復・アンチエイジング・ダイエットなどなど嬉しい効果も期待できるスーパーフードなのである。
気をつける点は、純粋なはちみつであること、1歳未満の赤ちゃんには絶対与えないこと。
今日からは賞味期限を気にせず、甘いはちみつ生活を楽しんでみよう! あなたの家のはちみつも、まだいけるかも…。