言葉・語源

人形の愚鈍な動きから!"のろま"の由来は"野呂松勘兵衛"【野呂間人形】

zatsugaku

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。

「のろま」は野呂松勘兵衛が由来という雑学

のろま人形

1980年代に「スチュワーデス物語」という人気ドラマがあったのをご存知だろうか? 新人スチュワーデス(現在のキャビンアテンダント)が、教官の厳しい指導を経て一人前になるという作品。堀ちえみ演じる主人公の「私はドジでのろまな亀です!」というセリフが流行った。

このセリフが流行った当時、「野呂」という文字がつく名字の人は絶対に「のろまな亀」と、からかわれたに違いない。これは完全な風評被害であり、該当する名字の人たちは自分の生まれを呪ったはずである(大げさ)。

だが、実は「野呂」がつく名字「動きが遅い」という意味の「のろま」という言葉は、あながち無関係でもなかった! では、「野呂」と「のろま」はどんな関係があるのか? 今回の雑学では、その語源を掘り下げていきたいと思う。

【生活雑学】「のろま」は野呂松勘兵衛が由来

孫ちゃん
「のろま」ってあんまりいい意味で使われないよね?この言葉の語源ってなんなんだろ。
おばあちゃん
人形浄瑠璃っていう人形劇みたいなのがあるんだけど、昔、江戸時代の人形浄瑠璃で使われてた「野呂間人形」が由来みたいだねぇ。

【雑学解説】「のろま」の言葉が誕生した由来とは?

「のろま」の言葉が誕生した由来についてのトリビア

冒頭でも述べたように、「のろま」とは動作が遅いことを意味する言葉である。この言葉の語源としては、江戸時代の人形遣い・野呂松官兵衛が演じた「野呂間人形(のろまにんぎょう)」が有力であるとされている。

野呂間人形は人形浄瑠璃の幕間(休憩時間)に行なわれる間狂言(あいきょうげん)に登場する人形で、平たい頭と青黒い顔が特徴。そして、この人形が愚鈍な動きで滑稽な会話を披露する様子から、動きが遅いことを「のろま」というようになったそうだ。

つまり、野呂松官兵衛と野呂間人形が「のろま」と関係が深いということ。となると、名字に「野呂」がついている人は「のろま」と無関係ではなかったことになってしまう…。

やはり、「野呂」がつく名字の人は、自分の生まれを呪うしかないのだろうか?

孫ちゃん
「野呂松」と「野呂」でちょっと違うけど、やっぱり関係あるのかなぁ。

なお、野呂間人形はのちに間狂言が廃止されたことで衰退してしまう。しかし、新潟の佐渡に伝わって「のろま人形」として生き残り、現在でも伝統芸能として演じられている。のろま人形がどんな人形なのか、コチラで確認していただきたい。

のろま人形が、意外と不気味な姿だったのにはビックリである。しかし、キャラクターとしては愛される性格だったようなので、江戸時代の「のろま」は現在のような悪い意味ではなかったのかもしれない!?

孫ちゃん
え…えぇ~~~!?これ最後大丈夫なの!?
おばあちゃん
ハハハ!衝撃的だねえ!

「鈍し(のろし)」が変化したとする説

のろまの語源については、もう1つ有力な説がある。

それは「速度や動きが遅い」という意味の形容詞「鈍し(のろし)」に、状態を表す接尾語の「ま」がくっついて「のろま」となった…というもの。遅いことを「のろのろする」と普通に使うので、コチラの説もかなり説得力がある。

孫ちゃん
「鈍し」って使わないな~。芸人さんの「うまし!」みたいな?
おばあちゃん
接尾語の「ま」もあんまり使うことはないね。まぁ「のろのろ運転」とかいうこともあるから、これも納得できる説だねぇ。

いずれにしても、人に対して「のろま」と言うのは悪口でしかないので、気をつけていただきたい。

スポンサーリンク

【追加雑学】ドジの言葉の由来は相撲から!?

ドジの言葉の由来は相撲から!?というトリビア

冒頭でせっかく「ドジでのろまな亀です!」のセリフを紹介したので、ここでは「ドジ」の語源もついでに披露したいと思う。

「おっちょこちょい・間抜け」という意味の「ドジ」の語源についてはいくつかあるようだ。そのなかに相撲に関係するものがある。

相撲では、土俵の外に足が出ることを「土地(どぢ)を踏む」という。そこから「土俵から出て負ける=おっちょこちょい」となり「ドヂ→ドジ」へと変化したというのだ。

そういえば、おっちょこちょいでミスすることを「ドジを踏む」というので、この説はかなり信憑性があると思われる。

孫ちゃん
「ドジを踏む」って、その言葉自体が相撲用語なんだ!わ~、納得。

そして、ここからはその他の「ドジ」の由来についても説明していくぞ。

「鈍遅(どんち)」という言葉から

「鈍感で、やることが遅い(ことが原因で失敗する)」という意味の「鈍遅(どんち)」が訛って、「ドジ」になったとする説がある。

「鈍遅」という言葉は、俗語や方言などを紹介する江戸時代の書物『俚言集覧(りげんしゅうらん)』に登場していることから、この説も説得力があるとされている。

「トチる」が変化したもの

現代でも舞台などで失敗することを「トチる」というが、この「トチる」が変化して「ドジ」となったとする説もある。

ちなみに、「トチる」の語源は、とちの実を使った麺を作ることからきている。その麺は固くなってしまいやすく、作るためには素早く作業しないといけない。その「せわしなく、落ち着きのない様子」を表したとされている。

なんだか、「ドジ」ではなく「トチる」の語源を説明するコーナーになってしまったが、そこは気にしないでいただきたい。

孫ちゃん
どの説も、もともとは「ミスをする」「失敗する」って意味の言葉なんだね。
おばあちゃん
言葉って時代に合わせて少しずつ意味が変化したりすることもあるけど、これはあまり変わってないんだねぇ。

雑学まとめ

人形の愚鈍な動きから!"のろま"の由来は"野呂松勘兵衛"【野呂間人形】についての雑学まとめ

「のろま」の由来が野呂松さんで、しかも人形劇に関係していることを今回の雑学で初めて知った方も多いのではないだろうか?

相撲用語が由来とされている「ドジ」もそうだが、普段何気なく使っている言葉のなかには日本特有の文化が根付いているものも多いようである。

孫ちゃん
「のろま」は人形浄瑠璃で、「ドジ」は相撲だもんね。まさに日本特有の文化だ。
おばあちゃん
生活に根付いてる言葉は、時代が変わっても使われ続けるってことなんだろうねぇ。

皆さんも、身近な言葉の由来を調べてみれば、意外な発見があるかもしれない。そして、そのネタが面白そうならば、ぜひ編集部までお知らせいただきたいものである。

おすすめ記事

ヤブ医者の「ヤブ」の由来に関するトリビア
まさかの名医…。ヤブ医者の"ヤブ"の由来とは?

続きを見る

「手を染める」と「足を洗う」は対の言葉?という雑学
"手を染める"のに"足を洗う"?2つの言葉の関係は?

続きを見る

いま読まれている記事

  • この記事を書いた人
zatsugaku

雑学カンパニー編集部

雑学カンパニーは「日常に楽しみを」をテーマに、様々なジャンルの雑学情報を発信しています。

© 2020 雑学カンパニー