陰毛専用のカツラ。まずその存在を聞かされた時、私が一番に思ったのが「いつ使うの?」だ。
「低俗なパーティーグッズなのかな?」「アフロとか金髪とかあんのかな?」などと、知能指数の低い発想しか出てこなかった自分を、今はひっぱたいてやりたい。
調べ進めるにつれ、そこには繊細な事情があることがわかった…。
【人体雑学】女性の陰毛専用のカツラが存在する
【雑学解説】陰毛カツラの需要はかなり切実
無毛である原因はさまざまあると思う。先天的に体毛が少ない無毛症の方や、手術などで剃毛を余儀なくされた方などのために、陰毛専用のカツラというものが存在する。
温泉などの公共の場で人の目が気になる、「遊ばれてると思われないかな…誤解されないかな…」と恋愛がらみの悩みがあるなど、そのような人達に助けの手を差し伸べている商品だ。
修学旅行時期になると、女子中高生の駆け込み需要が増えるという。多感な少女たちが悩んでいる姿を想像すると切ない感じもするな…。
また、近年増えてきているのが、ハイジニーナ(無毛状態)脱毛をしたというもの。欧米のセレブの影響で、若い世代を中心に抵抗なく受け入れられつつある。
しかし、やってみたはいいが、いざ人目に触れるとやっぱり恥ずかしい…。そんな後悔するケースも多いのだという。それは後戻りできないからツライな…。
そういう人たちのために活躍しているようである。しかし、最近できたものではなく、かなり昔からあったらしい。
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【追加雑学①】「陰毛カツラ」は実は古くから歴史がある
「陰毛カツラ」の歴史は、実に1450年代のヨーロッパにさかのぼる。貧しい女性たちの間で当時蔓延していた毛じらみ。それを防ぐために陰毛を剃りあげていたことがきっかけで、誕生したようだ。
日本でも、戦前から戦後10年ほどの食料が十分になかった時代、栄養不足によって多くの女性が無毛症に悩まされていた。その時代の女性雑誌には、毛生え薬と共に「下かつら」という商品の広告が掲載されることも。
あるべきところにあるべきものがないという悩みは、今も昔も変わらないのである。
【追加雑学②】世界の「毛事情」
2015年には、ファッションアートを掲載しているサイト「Stick and Stone」のInstagramアカウントが、水着女性2人の「はみ毛画像」を投稿したところ、Instagram運営がそのアカウントを削除。
一部のメディアやフォロワーから批判が相次いだ。
「男性のギャランドゥは認められるのに、女性の陰毛を認めないのは性差別だ」というわけ。
すべての陰毛を除く、ハイジニーナ脱毛が一般的になっていく一方で、このようにあるがままの陰毛の在り方を問う声があるのも興味深い。
雑学まとめ
軽はずみな考えで陰毛専用のカツラについて調べてみたのだが、実に繊細な事情が隠れていて驚いた…。
そもそも陰毛は、子孫繁栄をつかさどる局部を守るためのクッションや、異性を引き付けるフェロモンを留めておく役割があると考えられている。大切な役割もあるので、脱毛する人は考えたうえでやったほうが良いだろう。
意図せずして毛がなくて悩んでいる人には、このカツラの存在が知られていくといいなと思った。