子どもなら誰でも一度は「宇宙」への憧れを感じたことがあるだろう。大人になってもふしぎな気持ちは消えないが、近年の宇宙開発は目をみはる進歩をしている。
なかでも宇宙飛行士が食べる「宇宙食」の進歩がすごいことになっている。たかが食事とはいえ、長い宇宙旅行中の楽しみは食事だけ。持って行ける形状に厳しい規定があるので、宇宙食はたいへん重要なアイテムといえる。
そんな宇宙食、実は日本食も認定されていた。日本人宇宙飛行士も増えており、わたしたちの想像以上の宇宙食があるらしいぞ! 今回はそんな、宇宙食に関する雑学をご紹介しよう!
【自然・宇宙雑学】ISSに認証された日本の宇宙食は33品目ある
【雑学解説】基本のローテーションの中に「日本食」も登場している
宇宙の長期滞在任務では、宇宙食は16日間隔でローテーションが組まれている。実は2004年以前は、宇宙事業最進国であるアメリカとロシアの宇宙食メニューのみで構成され、ローテーションも10日間隔。宇宙飛行士側からの強い希望でバラエティーが増えた。
欧州や日本の宇宙食も取り入れられ、これによって大幅な食事環境の改善がされた。ISSに認証された宇宙食の基本形態は以下の6種類である。
- 加水食品(フリーズドライなど。水やお湯を加えて戻して食べる)
- 温度安定化食品(レトルトパウチや缶詰。そのまま、または温めて食べる)
- 自然形態食品・半乾燥食品(そのまま食べる加工食品。ナッツ・ドライルーツ・キャンディーなど)
- 調味料(液体やペーストにする。塩コショウなども粉末ではなく液体化)
- 生鮮食品(主に野菜や果物など。傷まないうちしか食べられない)
- 放射線照射食品(傷みにくいように放射線を照射された食品で、ステーキなどがある)
安全基準をクリアして認定された日本の宇宙食は33品目。主食には白飯・赤飯・山菜おこわなどのほか、おかゆや切り餅があるのがおもしろい。また、日清食品からはカップヌードル宇宙食、ハウス食品からはレトルトカレーが認定された。
珍しいところでは亀田の柿の種や、江崎ビスコのSPACEビスコ・山崎製パンのようかん・ロッテのキシリトールガムが入っている。
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【追加雑学①】日本人宇宙飛行士が持ち込んだ特別メニューが面白い
スペースシャトルのミッションなどでは、宇宙飛行士の好物をリフレッシュ用に「特別食」として持ち込むことが可能だ。個別の特別食は国内の審査のみで持ち込むことが可能で、各宇宙飛行士によって面白いものが持ち込まれている。
向井千秋さんはたこ焼き・肉じゃが・鮭の南部焼きなど渋いラインナップで、なんと菜の花のピリ辛和えという特別食を持ち込んでいる。土井隆雄さんは天ぷらそば・焼き鳥・お稲荷さん・日の丸弁当と和食がお気に入りのようだ。
それぞれ持ち込み可能な形態に加工されているはずだが、若田光一さんはスペースシャトル内でなんと草加せんべいを食べている。無重力で粉が飛び散らなかったのか心配になってしまう…。
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【追加雑学②】通販可能!自宅で宇宙食を食べてみよう
「宇宙カップヌードル」や「SPACEねぎま」、いったいどんな味なのか気になりすぎる! そんな人は、実際に取り寄せて食べてみよう。そう、今は宇宙食を自宅で通販できちゃうのである。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の公式通販では、「インターネットによるご注文24時間受付」となんとも頼もしい言葉が…。宇宙日本食のほか、アラカルト宇宙食・スイーツ宇宙食などが購入可能だ。
個人的にはお湯を注ぐだけでできあがる「宇宙おにぎり(鮭)」や、開封してそのまま食べるらしい「Space Foods(エビピラフ)」などを食べてみたい。
雑学まとめ
宇宙食についての雑学をご紹介してきたが、いかがだっただろうか。日本宇宙食は想像のななめ上を行くラインナップでびっくりだった。粉が散る草加せんべいはOKなのに、納豆は「糸を引くからダメ」という理由でISSに却下されたらしいが…糸より臭いの方が問題だと思うのは筆者だけ…?
もしかしたら近い将来、一般人も宇宙旅行を楽しめる日がくるかもしれない。そのときにそなえて、自分だけの特別食を考えてみよう。あなたなら宇宙空間にどんな食べ物を持って行きたいだろうか?