日本で生活する以上、地震は避けられない災害の一つである。太古の昔から地震はあったとは思うが、それでは日本の最古の地震はいつ発生したのだろうか。
実は。その記録が日本書紀に残っているのだ!
そこで今回は、日本最古の地震と巨大地震にまつわる雑学をご紹介するぞ。
【歴史雑学】日本で最古の地震はいつ起こった?
【雑学解説】日本で最古の地震、 記録上では允恭地震
允恭(いんぎょう)地震とは、允恭5年(416年)7月14日に起きたとされる地震だ。「日本書紀」に記述があり、現在記録に残っている日本で最古の地震とされている。
とはいえ、416年という時期が正しいかは定かではない。これは506年以前の日本暦が明らかになっていないからであり、現在の西暦とは数年のズレがあると指摘する学者もいるためだ。
また、日本書紀では允恭地震について、ただ一言「地震(なゐふる)」と書かれているのみであり、具体的な被害や地域に関しては不明である。
そのため、599年に遠飛鳥宮(現在の奈良県明日香村付近)で起こった地震を日本最古の地震とするという説もある。
ちなみに、たしかな記録の残る巨大地震で日本最古のものは、684年に起きた白鳳地震となっている。これはいわゆる南海トラフ(西日本太平洋沿岸)で起きた地震。
推測されたマグニチュードは8~9。日本書紀によると、土佐(現在の高知県)では巨大な津波が発生したとされている。
その他に白鳳地震の5年後、689年に発生した貞観地震(マグニチュード8.3)でも大きな被害がでており、溺死者だけでも1,000名以上にのぼったとされている。
最も古いと考えられているものは、416年の允恭地震。記録がしっかりあるものから考えるのであれば、684年の白鳳地震となるだろう。
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【追加雑学①】記録にない巨大地震も多数ある
前述のように、文字の記録として「地震」が初めて登場するのは416年である。しかし、地層を調べていくと、それ以前にも巨大地震が頻繫に起きていたことが分かる。
現在判明しているところでは、
- 約6500年〜2千数百年前にかけて少なくとも11回
- 紀元前43世紀頃に三陸から房総あたりで、マグニチュード9クラスの超巨大海溝型地震
があったとされている。
しかも、地震に伴って津波が発生したことにより、それ以前の地震の痕跡が消されている可能性がある。つまり、現在われわれが地層から知ることができるのはある程度の発生回数で、実際にはそれよりもはるかに多くの巨大地震が発生していた可能性があるのだ。
【追加雑学②】巨大地震には前兆がある?
発生する度に大きな被害を生む巨大地震だが、自然界では地震の前兆とされている現象がいくつもある。
たとえば、阪神淡路大震災では、地震発生の前日に大量のカニが海岸からあがってきて、一戸建ての屋根の上に並んでいたという話がある。
また、地鳴りがしたり、山が赤く光っていたという報告もあがっている。その他、巨大地震の前には「夜空に虹のようなスペクトルが見えた」という目撃情報が多発した。
話だけ聞けば、これらはすべてオカルトや迷信のように思えるかもしれない。しかし、巨大地震の前には地磁気が乱れ、強力な電磁波が放出されるといわれている。
つまり、この電磁波を感じ取った動物が異常行動を起こした可能性は捨てきれないのだ。山が赤く光る現象や夜空のスペクトルに関しても、電磁波が光に影響を与えていた可能性が考えられる。
こうした自然現象を地震予知に役立てようとする動きもあるくらいだから、決して軽視できない現象である。
雑学まとめ
今回は日本最古の地震についての雑学をご紹介した。記録に残っているだけでも、日本は度重なる巨大地震に見舞われている。多くの地震に周期があるのであれば、遅かれ早かれ同規模の巨大地震が発生する可能性はある。
その被害を少しでも少なくするために、世界中で様々な研究が行われている。現時点では正確な地震予知は困難だが、日頃から自然現象に注意しておくのも、地震を予知する一つの方法なのかもしれない。