私たち日本人にとって、「終戦の日」といえば8月15日だ。しかし、この日が世界的に見ても「終戦の日」となるかといえば、そうではない。むしろ、「8月15日が終戦の日!」としているのは、日本だけなのだ。
それでは、世界的に見れば「終戦の日」はいつなのだろうか? 今回は、そんな「終戦の日」に関する雑学を紹介しよう。
【歴史雑学】「終戦の日」は世界的に見れば8月15日ではない
【雑学解説】世界的な「終戦の日」はもう少し遅い
日本にとっての「終戦の日」は8月15日だ。8月15日のニュースは「終戦の日」特集でもちきりである。
しかし、世界的な「終戦の日」は、日本にとっての「終戦の日」の約半月後である9月2日だ。この9月2日が「終戦の日」ということになっているのは、主にアメリカ・イギリス・カナダ・フランス・ロシアの5か国。
これらの国では、9月2日は「対日勝戦(たいにちしょうせん)記念日」と呼ばれている。この日に何があったのかというと、日本が戦争の降伏文書にサインをしたのだ。
日本が降伏することを受け入れ、書類にサインをしたことで、正式に戦争が終わったというのがアメリカを中心とした世界の見方である。
もしかしたら、私たち日本人と外国人の間で、「戦争が終わった日」の認識に、かなりの差があるのかもしれない。
外国人の中には「なんで8月15日が終戦の日なの?」と思う人がいるかもしれないし、日本人の中には「8月15日に終わったはずなのに、なんで9月2日なの?」と思う人がいることだろう。
しかし、「調印を通して、『正式に戦争が終了した』と日本やアメリカなどが確認した日」と考えれば、「終戦の日」が9月2日になるのは当然のことだと思う。
8月15日は、あくまでも「戦争に負けたから、もうやめよう」という玉音放送が流された日だ。日本人の間だけで「戦争は終わり」となった日である。ようするに日本の中だけで行われた話だ。
だから世界的には8月15日ではなく、日本が降伏文書に調印した9月2日が「終戦の日」となるわけである。
日本で当たり前と思っていることが、世界では通用しないということはよくあることだが、「戦争が終わった日」1つとってもここまで違うとは…。初めて知った時は驚いたものである。
ということは、世界的に見れば、9月2日までは日本はまだ戦争を終えてなかったということなのだろうか…?
日本としては終わった気でいたのだと思うのだが、世界の常識から考えれば、ちょっと早とちりなんだろう。
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【追加雑学】その他いろんな「終戦の日」
日本では8月15日、アメリカなどの国では9月2日が「終戦の日」となっている。しかし、このほかにも違う日を「終戦の日」としている国もあるので紹介しよう。
国 | 日にち | 補足 |
中国・台湾 | 9月3日 | 「軍人節」「抗日戦争勝利の日」とし、独自の戦勝記念日としている。 |
イタリア | 4月25日 | ムッソリーニ政権が崩壊した日で「解放記念日」とされている。 |
ドイツ・フランス | 5月8日 | ドイツがフランスに対して無条件降伏文書に調印した日。ドイツでは「解放の日」とされている。 |
第2次世界大戦をどのように終えたのかによって、「終戦の日」の日にちが違ってくる。日本のように「終戦の日」とするのではなく、何らかの記念日など、別の名前になっていることも分かるだろう。
ちょっと違和感があるのかもしれないが、よく考えればヨーロッパの場合は、日本よりも早くイタリアやドイツが降伏している。それを踏まえれば、世界中どこでも「終戦の日は8月15日」ということにはならないのだ。
日本のように敗戦で終わったイタリアやドイツでは、「解放」という言葉が使われているのが興味深い。戦争からの解放なのか、独裁政権からの解放なのか…。どちらにしても、イタリアとドイツの歴史が変わった日ととれるのではないだろうか。
雑学まとめ
世界の「終戦の日」についての雑学、いかがだっただろうか。日本で「終戦の日」というと、8月15日なのが当たり前だ。しかし、世界的に見れば、戦争が終わったのは9月2日である。
なぜなら、9月2日が最後の敗戦国である日本と戦勝国であるアメリカたちが、降伏文書を通して「正式に戦争を終えた」ということを確認できた日だからだ。
国によって、戦争が終わったとみなす日がこうも違うのは、「戦争をどうやって終えたのか」という認識の違いによるものだろう。
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