カエルの子はカエルという言葉があるが、カエルの子供はおたまじゃくしとして生まれるというのが常識だろう。おたまじゃくしは少しずつ成長していく。
手足が生え、尻尾が短くなりカエルの体になっていくのだ。かなりカエルの体型に近づいていても、尻尾が生えているおたまじゃくしを見たことがある人もいるだろう。
しかし、卵から生まれた時点でカエルの姿をしているカエルも存在するのだ。今回の雑学記事では、様々なパターンのカエルについてご紹介しよう。
【動物雑学】卵からそのままカエルの姿で生まれるカエルがいる
【雑学解説】卵から生まれたとき、おたまじゃくしではないカエルは多い
カエルは水中と陸上の両方で活動できる両生類だが、生まれた時点では水中でしか生活できない種類が非常に多い。生まれたときは手足がなく丸い体から尻尾が生えていて、魚に近い体型でおたまじゃくしと呼ばれている。
しかし、全てのカエルが卵の中からおたまじゃくしとして生まれてくるわけではない。卵がかえった時点でカエルの姿になっており、既に陸上で生活できるカエルも存在するのだ。
おたまじゃくしの姿をとらないカエルは珍しい、と考える人が多いかもしれない。しかし、卵からカエルの姿で現れる種類は意外と多く、全体の2割もいるという。
こういったタイプのカエルは、水の少ない環境で生活する種類がほとんどで、おたまじゃくしの姿では生きていくのが難しい。そのため、卵の中でおたまじゃくしからカエルまで成長した後で孵化するのだ。
卵からカエルとして生まれるカエルの中には、繁殖力の非常に強いコキーコヤスガエルという種類もいる。このカエルは年に6回も産卵しどんどん生息域を広げていくため、世界の侵略的外来種ワースト100の中にも入っている。
【追加雑学①】卵ではなく、おたまじゃくしを産むカエルは1種類しか確認されていない
卵から直接カエルが生まれる種類をご紹介したが、インドネシアには卵ではなくおたまじゃくしを直接出産する、世界で唯一のカエルが生息している。
このカエルは学名があるだけで日本独自の和名などはまだつけられていない。2004年に発見されたこのカエルは、体内受精を行い、卵ではなくおたまじゃくしを出産するという。
体内受精を行うカエルの中には、おたまじゃくしでなくカエルを出産する種類が複数存在する。その中でも、おたまじゃくしのまま出産するのはこのカエルだけで、世界初の発見だという。
このカエルは発見されて、まもなくおたまじゃくしを出産する可能性が予想されていた。しかし、おたまじゃくしを出産する姿を確認するまで、発見してから10年もの時間が必要だったという。
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【追加雑学➁】カエルの子育て方法はバリエーションが豊富
カエルは子育てをするイメージがないだろうが、実は子育てを行うカエルは意外に多いことがわかっている。
カエルの子育て方法はバリエーションが多く、メスが背中で子育てをするコモリガエルや、体内で子育てを行いカエルになってから産むような種類も存在する。
そんなカエルの動画を貼っておくが、少々衝撃的な映像なので観覧注意である。
コモリガエルはピパピパというカエルの別名で、産卵の時期が来るとメスの皮膚は分厚く柔らかくなる。その皮膚で卵を固定し、卵から生まれてきた子供がカエルになるまで育てるのだ。
猛毒をもつことで知られるヤドクガエルは無精卵をおたまじゃくしに食べさせたり、おたまじゃくしが生活しやすい水場を見つけて移動させるなど、非常に面倒見のいいカエルだ。
イブクロコモリガエルは既に絶滅してしまった種類だ。メスは受精卵を飲み込むことで、胃の中でおたまじゃくしを育てる。
その後カエルまで成長してから吐き出す、という生態で知られていた。子供が胃の中にいるあいだは、胃液が分泌されなくなるというのだから驚きである。
現在も生息しているダーウィンハナガエルは、オスが体内で子育てを行い、カエルに成長すると口の中から外に出てくることがわかっている。
雑学まとめ
今回の雑学では、卵が孵化した時点でカエルとして生まれてくるカエルや、様々な子育てを行うカエルについてご紹介した。カエルは卵を産んだらそのままほったらかしで、子育てを行うイメージがないだろう。
しかし、実際はさまざま形で子育てを行い、子孫を残そうとするカエルが存在していることがわかる。親ガエルにとっておたまじゃくしがカエルになるまで育つかどうかが非常に重要だ。
卵から生まれてきた時点でカエルの姿になっているというのは、カエルにとって究極の子育てなのかもしれない。
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