カジキマグロ。その名を聞くと何を想像するだろうか。スーパーに並ぶ刺身を思い浮かべるだろうか。それとも竜田揚げか、はたまたスポーツフィッシングの対象魚だろうか。
いずれにしても、カジキマグロが他の魚より優れている"ある部分"についてはすぐに出てこないだろう。今回はそんなカジキマグロの秘密について紹介していくぞ!
【動物雑学】世界一速い魚はカジキマグロ
【雑学解説】カジキマグロの最速ランキング!
実はカジキマグロは、世界で最も泳ぐのが速い魚として知られている。サメやトビウオなど速い魚はたくさんいるが、その中でも最も速い魚がカジキマグロなのだ。
だが、ひとことでカジキマグロといっても、メカジキ ・シロカジキ・クロカジキなど全部で12種類にもおよぶ。さらに、カジキマグロはメカジキ科とマカジキ科に分けられる。メカジキ科はメカジキの1種類のみで、マカジキ科は他の11種類である。
その中でどの種類のカジキマグロが一番速いのか、ランキング形式で発表する!
第3位 カマスサワラ 時速78km
第3位はカマスサワラだ。時速は78km。
生息域は南日本、旬な時期は秋〜冬。調理法はフライ・照り焼き・漬け魚がおすすめだ。
サワラ類のなかでも最も大型な種であり、速い遊泳力と海上3mも跳躍する激しい行動が特徴的だ。引きづりの対象魚としても人気の誇る魚であり、料理食材としても味は随一というほどである。
第2位 マカジキ&クロカジキ 時速80km
第2位はマカジキとクロカジキが同率だ。時速は80km。
大物狙いの釣り人や漁師が狙う最高級品の魚である。ちなみにクロカジキは全長3m内外で、平均体長はおよそ3.4m。カジキ類の中で最も大型なのだ。
マカジキは成魚で最大290cm程度。攻撃的で「海の暴れ者」ともいわれている。ただ、暴れるのは攻撃するためではなく、身を守るための防御である。
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第1位 バショウカジキ 時速110km
第1位はバショウカジキで時速なんと110km! 第2位のマカジキ・クロカジキと比較しても30kmも差がある。同じカジキマグロでもここまで差があるのは驚きだ…。
バショウカジキは広くて大きい背びれが特徴的である。 釣りの対象としても人気で食用にもなる。 こんなに速い魚を捕まえられる漁師も凄い…!
【追加雑学①】カジキマグロの速さの秘密は何?
では、カジキマグロの速さの秘密はなんなのか。
カジキには最新の研究により「油」を生成する腺が確認されたのだ。この腺では脂肪酸の混合液が分泌され、これが高速遊泳の秘密だといわれている。
この油分が頭部全面に撥水層を作りだすことにより、水の抵抗を抑えて楽に泳げるのだ。ちなみに撥水(はっすい)とは、生地の表面に雨などがあたってもコロコロと水が転がり落ちる状態のことだ。
この油こそが速さの秘密である。また、油を輸送する毛細管と小孔の周りに小さいうろこ状の突起も発見された。
この突起は、水とカジキの皮膚とのあいだに小さなエアポケットを生み出し、滑りをよくしているとも考えられている。つまり体が撥水加工されているということだ。
カジキマグロの速さの秘密が分かっただろうか。まだまだ未知なことは多いが、これからどんどん解明されていくことだろう。
【追加雑学②】逆に世界一番遅い魚は?
カジキマグロは最も速い魚だが、逆に最も遅い魚はどんな魚だろうか気になるところだ。
調べてみたところ、一番遅い魚は、ニシオンデンザメであることが分かった。この魚は「世界一のろい魚」として知られている。
名前をみれば分かるがサメの一種である。速いサメもいるが遅いサメもいるということだ。そんなニシオンデンザメの時速は平均でなんと1km! 速いときでも時速3kmだという。尾ヒレを左右に1往復振るのに7秒もかかっているらしい…。
このサメは最大7mにもなる大型のサメである。普通は大型の魚ほど速く泳ぐ傾向にあると思うのだが…。ただ、この魚は一番遅い魚ではあるが、非常に強く賢い魚といわれている。
さらに食性も多彩である。サケやマスなどの魚類も食べるが、大型であればアザラシなども襲う。胃の中からトナカイの姿や、ホッキョクグマの骨も見つかったらしい。エサになりそうなものは何でも口に入れるようだ…!
スピードは遅いが、非常に恐ろしい魚なのだ!
雑学まとめ
今回は、世界で最も速い魚はカジキマグロという雑学と、世界一遅い魚について紹介した。
時速110kmの魚を水中で遭遇なんてしたら、まさに恐怖である…。 だが、どのカジキマグロも食用になるようなので、たくさん食べて泳いで…美味しいお肉を体につけてほしいものだ。