忙しくて時間のないときや、小腹の空いたときの夜食に。また保存食としても大活躍のカップ麺。今やその種類は無数にある。
「栄養が偏るから」「塩分が多いから」といった健康面で避けている人は多いだろうが、「味が嫌いだから食べない」といった人はいないだろう。
忙しいビジネスマンを中心にファンも多く、少子高齢化に逆境するようにカップ麺ブームの勢いは留まることを知らず、年間消費量は毎年増え続けている。
そんな数多くの人々に愛され続けているカップ麺だが、地域によって味を変えている製品があるのをご存知だろうか?
今回は、カップ麺の味付けが地域によって変えられているという、興味深い雑学を紹介していくぞ!
【食べ物雑学】カップ麺の味付けは地域によって違う
【雑学解説】地域で味付けが違うカップ麺の商品は?
ではどんな製品が対象なのだろうかというと、やはりダシが重要な「そば」や「うどん」の製品が対象であることが多いようだ。
カップ麺業界最大手の日清の公式サイトによると、現在は「日清のどん兵衛 きつねうどん」「日清のどん兵衛 天ぷらそば」「日清のどん兵衛 カレーうどん」の3つの製品が「東日本」・「西日本」で味を分けているらしい。
また、東洋水産の「赤いきつね」は「東日本」・「西日本」の2種類に加え、「北海道」専用の味付けと、西日本の中でも「関西」専用に味を変えて発売しており、同じ商品でもその味付けは4種類あるようだ。
カップ麺の味はどう違う?
では実際にどんな味の違いがあるのかというと、「どん兵衛」も「赤いきつね」もほぼ同じ傾向で、東日本向けは鰹ダシでしっかりめの味。西日本向けは昆布ダシを中心とした上品な味付けといった感じのようだ。
要するにおつゆが「関東風」・「関西風」と、カップ麺でも再現されているのである。
ちなみに「赤いきつね」の北海道版は昆布に「利尻昆布」を使っており、関西版は「ウルメ鰯(いわし)」を使っていることが特徴だ。生産コストをかけて、その土地の好みや風土に合わせ、ここまで細分化するとは…すさまじいこだわりである。
日本を代表するユーチューバー「Hikakin」さんが各地方の「赤いきつね」を食べくらべる動画を見つけたので、実際に見てみよう。
この動画では「赤いきつね」を「関東」「関西」「北海道」と3種類と紹介しているが、2019年4月時点では先述の通り4種類存在するので、「赤いきつね」好きな方はぜひ食べ比べてみてはいかがだろうか。
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【追加雑学①】カップ麺の一人当たりの年間消費量は?
日本即席食品工業協会公表の2017年度のデータでは、日本の即席麺の生産量はなんと約57億食! 一人当たり、年間平均で約45食も食べているのだ。
しかし、これはカップ麺をあまり食べる機会のない小さい子供やお年寄りも含めての平均なので、メインユーザーである10代~40代に絞れば、さらに消費量は増える。
全国の消費量1位は意外なことに青森県であった。これは豪雪の多い冬場にカップ麺が保存食になるという理由のようだ。
【追加雑学②】カップ麺は水でも食べられる!
警視庁の災害対策課がツイートしたことで話題になった方法で、災害時などお湯が手に入らない状況でも、水のみでカップ麺を食べることができる!
水を入れてから待つ時間は麺によっても違い、通常は水を入れてから30~60分は待たないと麺が十分な柔らかさにはならないようだが、知識として覚えておくと災害時の非常食として十分活躍してくれるだろう。
「カップうどん」を水で作ると何分かかるのか?節水を考えて、通常よりも水を少なめに注ぎました。30分待ちましたが、麺はまだまだ硬い。その後、10分おきに麺をつついて確認!最終的には60分後、硬さは残りますが、災害等でお湯が使えない状況でも十分に食べられることが分かりました! pic.twitter.com/mslzYKR54m
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) February 20, 2019
【追加雑学③】カップ麺ができるまでの「3分」の秘密
今も昔もカップ麺にお湯を注いでから待つ時間は「3分」のものが主流であるが、なぜ3分なのか…?
現在の技術ならもっと短い時間で食べられる麺を作ることはできるはず。実際に1分で食べられるカップ麺が販売されていたこともある。
しかし、なぜ3分なのか? それは麺ののびやすさとスープの温度に理由があった。
3分という時間をかけてゆっくりと水分を吸収していく麺であれば、完成した後も麺がのびにくく、スープの温度も熱湯を注いで3分後が丁度良い熱さなのである。
3分という時間はカップ麺の歴史の中で非常によく練られた時間で、麺とスープをベストな状態で食べることができる丁度いい時間なのである。
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カップ麺の雑学まとめ
カップ麺についての雑学を紹介してきたが、いかがだっただろうか。カップ麺の中でも、ダシが重要な構成要素である「そば」や「うどん」の製品は、「どん兵衛」や「赤いきつね」を中心に、その味付けを東日本・西日本で分けている。
その味付けは東日本向けの味はしっかりした味付けの鰹ダシ、西日本向けの味は昆布ダシを中心とした上品な味付けである。
「どん兵衛」や「赤いきつね」といった商品に人気がある背景には、「味」・「価格」といった基本的な要素が好まれることはもちろん、他にもこういった開発者の努力による知られざる秘密があることが、わかっていただけたのではないだろうか。
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