『危ない刑事』に『スケバン刑事』…なんと読む?
『あぶないけいじ』『すけばんけいじ』と読む人はいないだろう。なんとなく語感が悪いし、「おりこうさん感」がすごい…。
「刑事」と書いて「デカ」と読む。刑事さんのことを「デカ」と呼ぶだけでなんとなくかっこよくハードボイルドな雰囲気が醸し出る。
ところで、この「デカ」という言葉、一体どうやって生まれたのだろう。体力や腕力も必要な刑事さんとはいえ、「チビ」もいそうなものだが…。
【生活雑学】刑事のことを"デカ"と呼ぶ理由とは?
【雑学解説】「デカ」の由来は刑事の着る服にあった!
今では刑事もスーツ姿だが、明治時代の刑事は主に和服を着ていた。
洋服にコートがあるように、和服にも着物の上から羽織る防寒着がある。そのなかで、明治時代に誕生し刑事が着ていた防寒着が「角袖外套(かくそでがいとう)」だ。
袖が四角く角ばっていることから「角袖」と名付けられたこのコート。着ている刑事は「角袖巡査」と呼ばれるようになり、いつしか「角袖」そのものが刑事を表す言葉となった。
この「カクソデ」の文字を並び替えた言葉が「クソデカ」。「糞デカ」という蔑称として、テキ屋などのあいだで生まれ、だんだんと使われるようになっていく。
やがて「クソデカ」からどう考えても悪口な「クソ」を抜いた「デカ」という言葉が広く定着したのである。
つまり「クソデカ」は、今でいう「マッポ」や「ポリ公」「デコ助」のようなもの。今でこそ「デカ」は刑事の愛称のような扱いで、蔑む意味合いは薄いが、もともとは蔑称だったのだ。
【追加雑学①】「警察」の名前の由来は?
「デカ」の由来はわかったが、それではデカが所属する「警察」という言葉はどこから来たのだろう。
「警察」という言葉の歴史は以外と浅く、明治時代に日本で誕生した。「警」は犯罪や事故を“警戒”すること、「察」は犯罪や事故が起こる前に“察する”こと。
日本にヨーロッパの警察制度が伝わったときに作られた言葉だったのだ。
その後、漢字圏の国々に伝わっていき、現在「警察」という言葉は日本のみならず中国などでも使われている。
漢字でできた単語は中国由来のものが多いイメージだが、日本から中国に伝わった「警察」のような言葉もあったとは驚きだ。
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【追加雑学②】ユニークな警察の隠語
市民が警察に対して使う隠語があれば、警察が使う隠語だってある。なかでもユニークなものを紹介しよう。
赤馬・赤犬
燃え盛る炎が馬や犬の姿に見えることから、放火犯のことを指す。
赤詐欺
結婚詐欺や結婚詐欺師のこと。
他にも白詐欺(個人をカモにした詐欺)・青詐欺(会社をカモにした詐欺)・黒詐欺(詐欺師をカモにした詐欺)がある。
うかんむり
窃盗。「窃」がうかんむりだから。
ごんべん
詐欺。「詐」がごんべんだから。
さんずい
汚職。「汚」がさんずいだから。
フライパン
恐喝のこと。カツを揚げる(カツアゲ)道具だから。
コロッケ
女の殺人犯。外はサクッ、中はフワッとしたコロッケのように、ギャップがある犯人だから。
ラジオ
無線飲食。ラジオの「無線」にかけた。
こうして見ると、犯罪の種類を呼ぶ隠語が多いのに驚く。警察の隠語と聞くと堅苦しいイメージがあるが、コワモテのおじさんたちが考えて使っていると思うとおもしろい。
「刑事とデカ」の雑学まとめ
今回は刑事と警察についての雑学をご紹介した。
今では「デカ」という言葉はドラマや映画でも使われているので愛称のイメージが強いが、はじまりは蔑称だったとは驚きだ…。明治時代につけられたあだ名が今なお浸透しているのもすごい。
「マッポ」や「ポリ公」も将来愛称に…なるかもしれない。