クマにまたがって馬の稽古をしたり、山の動物たちと相撲を取ったりする少年の昔話・「金太郎」。「金太郎」のラストで、「金太郎は成長して、偉いお侍さんの部下になった」という流れがあることを知っているだろうか?
実は「金太郎」は、別の昔話の登場人物として、成長した姿で出てくるのだ! 成長した後の金太郎は、いったいどんな人物になったのだろうか? 今回は、知っているようで知らない「金太郎」にまつわる雑学を紹介しよう。
【歴史雑学】「金太郎」は成長した後、坂田金時として鬼退治に行く
【雑学解説】強いお侍さんのお供で鬼退治!
「金太郎」の話で、金太郎はラストにお侍さんの部下になったという流れがある。この時に、金太郎が部下となったお侍さんが、源頼光(みなもとのらいこう)だ。
昔話のなかに「大江山(おおえやま)鬼退治」という話があるのだが、この話の中に金太郎は登場している。ただし、この時には金太郎は成長して名前を変え、「坂田金時」という人物で登場している。
とはいえ、「大江山鬼退治」では上司の頼光が主人公で、金太郎である坂田金時は脇役。そのため、残念ながら坂田金時(金太郎)は「ヒーローの頼光と一緒に鬼退治した部下の1人」として扱われている。
同じ「〇太郎」系の昔話である「桃太郎」や「浦島太郎」に比べると、微妙にパッとしないと思うのは、私だけだろうか?
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【追加雑学】金太郎も入っていた「頼光四天王」
「大江山鬼退治」では、頼光の部下の1人として登場していた金太郎。物語上では脇役だったので、どこかパッとしない未来だなと思えるかもしれないが、金太郎はそれなりに優秀な部下だったことが伺える。
なぜかというと、金太郎は「頼光の数ある部下のうちの1人」というのではなく、「頼光四天王の1人」だったからだ。
「頼光四天王」というのは、「頼光の部下の中でも、特に優秀だった4人の部下」のことを指す言葉である。この四天王に数えられたのが、
- 坂田金時(=金太郎)
- 渡辺綱(わたなべのつな)
- 碓井貞光(うすいさだみつ)
- 卜部季武(うらべすえたけ)
渡辺綱は、大江山以外にも一条戻橋(いちじょうもどりばし)に現れた鬼を撃退している。
碓井貞光は、人々を苦しめる大蛇を退治したことがある人物だ。
卜部季武は、弓の名手で、大江山の他には「滝夜叉姫(たきやしゃひめ)」という妖術使いの話にも出てくる。
どの人物も、鬼などの妖怪と戦った経験をもっている。そして「とても強い武士」という伝承も共通してあり、そんな3人と金太郎は同格に扱われていたのだ。
たしかに「大江山鬼退治」では、金太郎は脇役でパッとしないと思えるだろう。しかし、上司である頼光の縁の下の力持ちで、優秀な武士として評価されているようだ。
雑学まとめ
まさかりを担ぎ、山の動物たちと相撲をとる、力持ちで心優しい少年・金太郎についての雑学を紹介してきた。そんな彼は、成長したら鬼退治に行くのだ。
鬼退治をする昔話では脇役ではあるが、有名な武士・源頼光の四天王として、優秀な武士であると評価されている。
「桃太郎」や「浦島太郎」に比べると、あまりパッとしない「金太郎」だが、こうして見ると、やはり人々に愛されてきたキャラクターなのだと思う。