子供のころ学校で毎日見ていた黒板。特に勉強が嫌いで黒板を見ていなかった子供ほどこう思っていた。
「なんで緑なのに黒板なんだ! 大人は嘘つきだ!」
そんな子供のころからずっと持ち続けた疑問を、ここで解決しよう。黒板の歴史から未来の黒板の雑学まで解説するので、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
【生活雑学】黒板が緑色の理由
【雑学解説】黒板が緑色になった理由
そもそも黒板は読んで字のごとく「黒」色だった。日本では木板の上に墨汁・柿渋・漆等を塗って作っていたのだが、戦後のベビーブームで1クラスの生徒数が60人近くに増えたことにより、ある問題点が出てきた。
60人もいると教室の端から端まで机を並べなければならないが、窓から入る光が黒板に反射して、特に最前列の端の席に座っている子は字が読めなくなってしまう。
そこで、光の反射を抑えられる緑色の黒板が普及したそうだ。
【追加雑学①】黒板の名前の由来と歴史
黒板がもともと黒色だったことを考えれば、名前の由来はもうわかるだろう。黒い黒板がアメリカから持ち込まれたときに「ブラックボード」と呼ばれており、そのまま直訳で「黒板」と呼ばれるようになったのだ。単純だな。
緑色になった後もすでに「黒板」の名前が普及していたため、そのままの名前で呼ばれている。
全国黒板工業連盟によると、明治時代には日本の黒板の原点ともいえる「塗板」というものが寺子屋などで使用されていたが、日本で初めての学校制度がスタートした明治5年にアメリカからブラックボードが持ち込まれ、「黒板」の名前で全国に広がっていったそうだ。
全国黒板工業連盟とは?
もし業界関係者以外で知っている人がいたらかなりの黒板マニアだと思うが、日本には全国黒板工業連盟という団体が存在する。唯一の業界団体として関係省庁(!?)をはじめ、関係団体との協議や意見交換を行うとともに、JIS原案作成団体として、黒板のより良い品質保証体制を整えているそうだ。
関係省庁ってことは国とも繋がっているってことか。すごいぞ! 全国黒板工業連盟!
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【追加雑学②】黒板を設置する向きが決まっている?
せっかくなので黒板に関する雑学をもうひとつ。
学校では、黒板を設置する向きがほぼ決まっている。あなたが通っていた学校の教室を思い出してほしい。ほぼすべての黒板が西側(教室入って右側)に設置されているはずだ。
基本的に、教室は光をたくさん取り入れるために、窓を南側に設置する。日本人の9割は右利きといわれているので、手元のノートを明るくするためには西側を向いて勉強することが望ましい。すると必然的に黒板の位置は西側になる。
しかし例外もある。たとえば、理科室などは、薬品の保存の観点から直射日光を避けるために、通常の教室とレイアウトが違っている。
たしかに、理科室ってなんか暗くてジメジメしていたイメージがあるな。
【追加雑学③】未来の黒板
最後に未来の黒板を紹介しよう。といっても、すでに実用化されており、取り入れている学校や会社も多いため見たこともある人もいるはずだ。
「インタラクティブ・ホワイトボード」・「電子黒板」と呼ばれるが、わかりやすくいえば大きなタブレットのようなものだ。データやグラフの投影も簡単で、音声入力にすれば直接書く必要もなくなりそうだ。
うーん、夢のある話だ。
雑学まとめ
子供のころから慣れ親しんだ黒板、緑色の理由や名前の由来はすごく単純だが実は知らない人も多かったのではないだろうか?
今現在も毎日見ている学生さんはもちろんだが、子供に聞かれて困っていたお父さん・お母さんは、ぜひ今回の雑学を使って子供の尊敬を集めてほしい。
しかし、今後電子黒板が全国的に広がったら、「黒板はなぜ緑色?」という疑問自体が子供に通じなくなってしまう可能性もある。時代の流れは怖いな。
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