「レディーファーストってもんがわかってないのよね、ダサいわー」と女性に言われ、心がえぐられる。そんな経験のある同志がきっと多いはずと勝手に決めつけている筆者だが、そもそもレディーファーストってなんだろう。
レディーがファースト。あきらかに外国からやって来た習慣や言葉であることはわかるが、なぜメンズファーストはないのだろう。ずるくないか?
女性が喜べる日があるのもいいと思うけど、男性にそういう日があっても良いんじゃないの…。 今回は、そんな「レディーファースト」についての雑学をご紹介していこう!
【歴史雑学】レディーファーストのもともとの意味とは
【雑学解説】実は男性至上主義だったレディーファースト
レディーファーストは中世ヨーロッパで生まれた習慣であり、そのころ中世ヨーロッパは荒れに荒れていて、暗黒時代とされていた。財産・宗教・女性関係・病などの問題、またいたるところで紛争が巻き起こっていたという。
贈り物に毒を盛られたり、策略が渦巻くなか、男性は気を抜くことができず困難をどう回避するかばかりを考える日々だった。まさに暗黒。
その危機回避に使われたのが女性である。女性蔑視の時代でもあり、「そうだ、ちょっとそのドア開けて先に行ってみてよ、そんで暗殺者がいたとしたらボクの代わりに犠牲になってくれ!」
というような具合で、暗殺されないように女性から先にドアの外へ出させたり、当時は衛生が良くなく、家の窓から糞尿が捨てられるためにうっかり通りかかって汚れないよう盾にした。さらに食事の際は毒味をさせたりと、身の安全を確かめるための身代わりをさせていたのだ。
そして女性側も淑女のマナーとして、「女は男性のために準備するためにお先に出ます」「私が先に危険なものがないか確認してまいります」「操を守るために先に寝室に入っております」などと女性が率先して男性のために動くことが上流階級のマナーであるとされていた。
時代が時代とはいえ、ひどすぎる…。なにがレディーファーストだ! 日本の女性より男性が三歩先を歩く文化と真逆じゃないか。
【追加雑学①】今のレディーファーストへ変化?
今使われている意味とは真逆のレディーファースト。それならどうして今の意味に変化したのか?
フェミニズム運動が大きいと考えられている。フェミニズムとは社会や政治などで女性の権利を拡張するべきだという考え方。
今までにも何度かフェミニズム運動が盛んになったことがあり、その都度女性と男性の地位の均一化などの見直しが起こり、社会的な動きがあった。こういった流れが今使われているレディーファーストの意味に関係していると考えられる。
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【追加雑学②】レディーファーストな武士
先ほどにも述べたが、「女は三歩(三尺)後ろを歩け」といわれていた。
これは敵が刀を向けたときに届く範囲が三尺であるため、それより後ろに下がらせ、そして奥さんが持ってる荷物を敵に投げてもらい、その間に敵を斬る! というものだ。
決して俺様が先だという意味ではない。なんとも真逆…! 武士かっこいい。
【追加雑学③】レディーファーストだけじゃない!お先にどうぞのafter you
レディーファーストのみならず、感じがいいなと思われる英語のワンフレーズをついでにご紹介する。
「after you.」これは、私はあなたの後でいいですよ、お先にどうぞという意味である。
ちょっとした場面でサラリと使えばあなたはもうジェントルマン! に見えるかも知れない。
雑学まとめ
今回は、レディーファーストについての雑学をご紹介した。レディーファーストが実はもともとこんな意味だったとは…。大変な時代だったとはいえ、いかがなものだろうかと思った。
やたらレディーファーストを言ってくる意味を履き違えた残念な人もいるが、ようするに、思いやりが大切なのだと思う。言葉に囚われずに、男性・女性お互いに適度な気遣いをすればうまくいくのではないか?
ということで、メンズファーストは大丈夫です。