日本の法律

前科つくよ…!宿泊名簿にウソを書くと罪に問われる

宿泊する際の個人情報でウソを書くとけっこうな罪になるという雑学

ホテルや旅館にチェックインする際に、フロントで求められる宿泊名簿。事前に予約などで名前も住所も教えているのに、なぜわざわざ改めて記入しなければならないのかと思うこともしばしば。

実はあの宿泊名簿は、旅館業法6条の規定により、緊急時などの備えとして、宿泊業者側に設置が義務付けられているもの。しかも旅館業法には、宿泊者側がこれの記載に従わない場合の処罰も定めており、軽い気持ちで虚偽の記載をしてしまうと大変なことになる。

そもそも何のために宿泊名簿への記載を義務付けているのだろうか。今回の雑学では、この法律にスポットを当ててみよう!

【ルール雑学】宿泊名簿でウソの個人情報を書くとけっこうな罪になる

宿泊名簿へのウソの記載は旅館業法6条違反! 前科もつくのでやめておこう。

【雑学解説】宿泊名簿にウソを書くのは罪!?旅館業法6条とは

旅館業法とは、旅館業を営むにあたり、業者が守るべきルールを定めた法律である。ホテルなどの宿泊施設はこれに則って、設備・運営を行っていかなければならない。宿泊の際に名簿をとることも、この旅館業法の6条の規定に則って行っているのである。

旅館業法6条では1項に「営業者は宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名・住所・職業・その他の事項を記載し、当該職員の要求があった場合はこれを提出しなければならない」と規定しており、宿泊者業者側に名簿を書くことを義務付けている。

この「当該職員」とは、警察保健所の人のことで、事件捜査の際や集団食中毒などが発生したときに捜査資料として提出することを想定している。そのため、2項では「宿泊者は、営業者から請求があったときは、前項に規定する事項を告げなければならない」と規定し、宿泊者側にも個人情報の提出が義務付けられているのだ。

旅館業法6条に違反した場合はどうなるのか?

これに違反した場合、「拘留又は科料に処す」と軽犯罪と同等程度の罰則規定もあり、仮に処罰を受けた場合「前科」がついてしまうので、面白半分でウソの記載をしてしまうと一生背負うことになるかもしれない。

ちなみに、「科料」とは金銭徴収のことで、罰金よりも少額(1千円以上1万円未満)の金銭処分のことである。

こういった名簿を求められた場合、個人情報の記載をためらう方もいるかもしれないが、前科がつくよりマシだろう。素直に記載するほうが賢明である。

また、文書の記載でウソを書くことは、ものによっては「私文書偽造罪」にあたることもあるので、注意が必要である。

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【追加トリビア】私文書偽造罪と公文書偽造罪

「文書偽造罪」とは、刑法159条に明記された罪名で、私人間(民間人の間)でやりとりする書類を偽造・変造した場合に適用され、詐欺事件などで用いられることが多い。こちらは旅館業法違反とは異なり、そこそこの重罪で処罰を受ける場合は、懲役刑または罰金刑となる。

これだけ聞くと、今回の宿泊者名簿も私人間の書類で「私文書偽造」に該当しそうなものだが、ここでいう私文書とは「権利・義務もしくは事実証明に関する文書」を指し、契約書や履歴書などがこれに該当する。宿泊者名簿の場合、権利義務関係を示す文書ににはあたらず、私文書には該当しないので、私文書偽造罪の適用とはならない。

また、似たような罪名に「公文書偽造罪」というものがあるが、これは字の通り、公的な文書を偽造した場合に適用される罪名で、国や地方自治体などの機関や職員が作成した文書が対象となる。ちなみに、罰則は私文書偽造罪と同等である。

どちらも共通して「文書の公共の信頼を傷つける」犯罪として、厳しい処罰を貸しているが、初犯であれば、執行猶予が認められることも多い。実刑となってしまった場合「3年から5年」の服役が相場となっており、なかなか出てはこれなそうだ。

トリビアまとめ

宿泊施設での名簿の記載は法的な強制力があるもので、避けることは難しいようだ。お忍びなどで宿泊施設を利用する際はご注意を。

実際、この旅館業法6条違反で逮捕まで行った例はほとんどないようだが、用心するに越したことはない。もし、どうしても記載を避けたい場合はラブホテルなど名簿記載がない宿泊施設の利用をおすすめする。

ラブホテルでは食中毒などの心配がないため、宿泊名簿をとるところはほとんどない。これはラブホテル側に旅館業法違反があるということだが、暗黙の了解なのだろうか、ほとんどのラブホテルで規制が入ることはない。

このように実際は宿泊者名簿の必要性自体が薄れているのが現実であるのかもしれない。

ちなみに、ほかにもあまり知られていない犯罪行為はたくさん存在する。気になる雑学記事はこちらから!

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