キュビスムの先駆者として知られる偉大な画家・ピカソ。なんと、彼の本名は「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ」という!
ピカソ本人も自分の名前を覚えられなかったらしく、通称は「パブロ・ピカソ」と名乗っていた。
このように、実は本名がめちゃくちゃ長いため、省略している例は意外に多い。なんと「LA」の略称で知られる、あのロサンゼルスもその1つだ。
今回は、覚えるのも話すのも一苦労な、世界の長~い地名をご紹介するぞ!
【世界雑学】世界の長すぎる地名をご紹介!
【雑学解説】ロサンゼルスの正式名称が長すぎ…
全米有数の世界都市・ロサンゼルスの基盤を作ったのはスペイン人だ。
18世紀後半、スペインのカトリック教会は、現在のカリフォルニア州で「カリフォルニア・ミッション」と呼ばれる宣教活動を始めた。このときのおよそ50年の間に作られた21か所の伝道所が、現在の主要都市のもととなっている。
たとえば、1769年に作られた最初の伝道所から発展したのが現在のサンティエゴだ。ロサンゼルスも、もともとは1781年、現在のオルベラ街に作られた小さな村落から始まった。
「我らが貴婦人、ポルツィウンコラの天使たちの女王の町」という長ったらしい名前になったのは、探検隊を率いていたスペインの軍人ガスパル・デ・ポルトラが命名した川「ポルツィウンコラの天使たちの女王」が村落近くにあったためだ。
「天使たちの女王」とは聖母マリアを意味し、「ポルツィウンコラ」は、イタリアのアッシジにある教会のことである。
カリフォルニア・ミッションはイタリア発祥のフランシスコ会主導のもとで行われたので、同派の始まりとして知られる聖地の名前を採ったというわけだ。
その後、時代を経て「天使たち(Los Angeles)」の部分のみが残った。この地名に冠した天使の加護のおかげか、ロサンゼルスは瞬く間に発展を遂げ、今や全米2位の人口を有する巨大都市となっている。
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【追加雑学】もはや呪文!世界の長すぎる地名
ロサンゼルスは知名度こそ高いものの、正式名称の長さとしては序の口だ。
世界には、まだまだ早口言葉のような名前をもつ地名があるぞ!
世界一長い地名
ニュージーランドの丘「タウマタファカタンギハンガコアウアウオタマテアトゥリプカカピキマウンガホロヌクポカイフェヌアキタナタフ」。通称「タウマタ」。
意味は「タマテアという、大きな膝をもち、山々を登り、陸地を飲み込むように歩く男が、愛する者のために鼻笛を吹いた頂」である。
世界一長い駅名
イギリス・ウェールズのアングルシー島にある「スランヴァイルプールグウインゲルゴウゲールウクウィールンドロブウリスランダスイハオゴゴゴッ」駅。
息が続かなかったような、唐突な終わり方をする名前だ。
通称は「スランヴァイル」。意味は「赤い洞窟の聖ティシリオ教会のそばの激しい渦巻きの近くの白いハシバミの森の泉のほとりにある聖マリア教会」。…赤い洞窟と聖マリア教会だいぶ離れてないか?
世界一長い首都名
「クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロック・ポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」
実はこれ、タイの首都バンコクの正式名称である。
意味は「イン神がウィッサヌカム神に命じてお作りになった、神が権化としてお住みになる、多くの大宮殿を持ち、九宝のように楽しい王の都、最高・偉大な地、イン神の戦争のない平和な、イン神の不滅の宝石のような、偉大な天使の都」。
日本をはじめ諸外国ではバンコクと呼んでいるが、これは正式には首都の1地域の名前である。タイ人は「クルンテープ」と呼んでいるので、現地に行った際はご注意あれ。
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バンコクの正式名称は世界一長い。絶対に覚えられない。
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「世界の長すぎる地名」の雑学まとめ
どれもこれもカタカナ表記だと「これ適当にキーボード打ってない?」と怪しんでしまうような名前ばかりだが、すべてれっきとした正式名称だ。早口言葉にしてもレベルが高すぎる。息継ぎする場所もわからないし、舌をかみすぎて血まみれになりそうだ…。
余談ながら、日本一長い地名は「愛知県海部郡飛島村大字飛島新田字竹之郷ヨタレ南ノ割(あいちけんあまぐんとびしまむらおおあざとびしましんでんあざたけのごうよたれみなみのわり)」! う~ん、まだ漢字の方が覚えやすいかもしれない。