香川県といえば讃岐うどんが名物であり、最近では自ら「うどん県」としてアピールしている。
そして、讃岐うどんがここまで全国区で有名になったのは、讃岐うどんを提供するチェーン店の力も大きいといえるだろう。
そのなかでも「丸亀製麺」は、香川県丸亀市の名前を冠しており、地元企業としてがんばっている…と思いきや、丸亀製麺は香川県とは無関係なことがわかったのだ!
丸亀市どころか香川県とも無関係なのに、なぜ丸亀製麺という名前なのか? 今回の雑学では丸亀製麺に関する豆知識を紹介したい。
【生活雑学】「丸亀製麺」は香川県の会社ではなかった!
【雑学解説】「丸亀製麺」が丸亀を名乗っている理由
下の動画でもわかるように、丸亀製麺は「讃岐式」を謳い、香川県のうどん店でよくみられるセルフサービス方式を導入している。
しかし、丸亀製麺を運営する株式会社トリドールは、兵庫県加古川市で設立された企業であり、創業時には同市で焼鳥居酒屋を経営していたのだ。このように、当初はまったく讃岐うどんと無関係だったトリドールは、なぜ丸亀製麺という名前のチェーン店を経営するようになったのか?
これは創業者が仕事で丸亀市を訪れた際に、できたてのうどんを食べさせる製麺所に行列ができているのを見て感銘を受けたこと。そして、創業者の父親が香川県出身で讃岐うどんに親しみをもっていたことから、「うどん文化を全国に広めたい」という願いを込めて「丸亀」を名乗ったそうだ。
ちなみに、トリドールは丸亀市に本部や支社はおろか、店舗すら1つも出していない。そして、2019年7月時点で丸亀製麺は香川県にたったの2店舗しか出店しておらず、これは鳥取県と並んで全国でもっとも少ないのだ。
これは香川県には安くて美味しい讃岐うどんを提供する店が多く、ほかの地域に比べて丸亀製麺の優位性がないからと考えられている。
なお、丸亀市にはトリドールとは無関係の「丸亀製麺」も存在するとか。こちらは昔ながらの「玉売り」をしている製麺所であり、お客さんも地元の方が多いようだ。
丸亀市を訪れた際には、こちらの丸亀製麺を訪れてみたいものである。
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【追加雑学①】うどん県のプライド!?丸亀製麺のスポンサーを断ったJリーグクラブ
プロサッカー・Jリーグに所属する「カマタマーレ讃岐」は、香川県高松市と丸亀市を本拠地としており、クラブ名の由来が釜玉うどんという地元密着クラブである。
カマタマーレがJリーグの下部リーグであるJFLに所属していた2011年、Jリーグ昇格のためには資金面の条件を満たしておらず、スポンサーの確保が急務となっていた。
そんな、喉から手が出るほどスポンサーが欲しいカマタマーレに対して、丸亀製麺がメインスポンサーに名乗りをあげる。
しかし、釜玉うどんの名前を冠し、地元密着を掲げているカマタマーレは、丸亀製麺が県外の会社であることからこの申し出を拒否。
目先の資金に飛びつかなかったこの決断は「うどん県のプライドをみせた」とされ、サポーターからは称賛の声があがったそうだ。
ちなみに、その後2013年にカマタマーレ讃岐がJリーグ昇格を決めると、丸亀製麺のライバル・はなまるうどんが「かま玉」の麺を1.5倍に増量するキャンペーンを行なっている。
【追加雑学②】「はなまるうどん」はどこの会社?
ここまで、丸亀製麺が香川県とは無関係だということは説明した。そこで気になるのは、丸亀製麺と並んで有名な讃岐うどんチェーン店「はなまるうどん」の発祥の地がどこなのか? だろう。
実は、はなまるうどんは香川県とは…密接な関係にあり、もともとは香川県高松市でオープンした同名の店舗が発祥である。ちなみに、「はなまる」という名前は、創業者が「お客様から花丸をもらいたい」という希望を込めて付けられたそうだ。
はなまるうどんは、本社こそ東京に移ったものの、高松に工場があり香川県内の店舗も多い。地元企業として、これからも讃岐うどんの魅力を全国に伝えてほしいものである。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。讃岐うどんの伝道師ともいえる丸亀製麺が、まさか香川県と無関係だったとは! 世間では丸亀製麺を香川県の企業だと思っている人も多く、イメージ戦略に成功した例といえるだろう。
いまや世界各地へ展開し、讃岐うどんを広めている丸亀製麺だが、アメリカで「丸亀」を冠する名前をつけた他店に対して「丸亀を店名に使わないように」というクレームを入れたこともあったとか。
そのニュースが報じられた際は、ネット上で丸亀製麺に対して「お前がいうな」という批判もあったらしい。
いずれにしろ、丸亀製麺には香川県へのリスペクトを忘れず、これからも安くて美味しい讃岐うどんを全世界に提供してもらいたいものだ。
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