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ミミズは体の構造上バックできない。自然界のミミズの役割とは?

雑学カンパニー編集部

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ミミズはバックできないという雑学

暖かくなると地上に現れ、くねくねと動くミミズ。子供の頃は平気で触ってたのに、年齢を重ねてからはちょっと気持ち悪いなぁ…なんて思うようになってしまった。

熱くなってくると、道路の至るところに干からびたミミズの死骸が転がっている。なぜ、夏の暑い中道路に出てしまうのか…。

道路を渡って反対側の草を食べに行こうとして、途中で力尽きてしまうとか? 「道路に出てみたのはいいけど熱すぎ。元いたとこに戻らないとやばい」というようなことは考えないのだろうか?

いや、考えてもすぐに実行できなかったのかもしれない。…実は、ミミズはバックができず、自分が来た方向に簡単に戻ることができないのだ

今回の雑学記事では、ミミズの体の構造をご紹介するぞ!

【動物雑学】ミミズはバックできないが役に立つ

ライオンくん
ミミズはどうしてバックできないんだ?
ウサギちゃん
それはね、ミミズの体には短く太い毛が生えていて、毛の流れに沿ってしか動けないからなんだ。

【雑学解説】前にしか進めないけど、ミミズは人の役にも立っている!

一見どっちが頭でどっちがお尻だかわからないミミズの体だが、ちゃんと前後は決まっている。ミミズの体を眺めてみたときに、どちらかの先端の近くで1か所色が変わっている部分があるのはご存知だろうか。

あれは環帯と呼ばれるもので、粘液・たんぱく質・卵嚢(らんのう)を作る物質を分泌する腺がある大事な部分だ。環帯がある方の先端が頭で、頭がある方向に進んでいく

前に進むために行うのが、体を伸ばしたり縮めたりして進む「蠕動(ぜんどう)運動」だ。動き方のイメージが湧かないという人は、次の動画を見てほしい。

ライオンくん
不思議な色のミミズだな~。
ウサギちゃん
このシーボルトミミズは日本産のミミズなんだ。

ミミズの体には短く太い毛が生えていて、毛の流れに沿ってしか動けないのでバックできない

進みたい方向に体を伸ばして頭を地面につけ、後ろの体を引っ張るように動かしている。…うん、動き遅いね。これは猛暑のアスファルトの上で干からびてしまうわけだ。

ちなみにこの蠕動運動、実はとっても身近なところにもあって、腸が便を肛門まで押し出すのも蠕動運動なのだ!

ミミズがバックできないのは、この動きを逆にすることができないからである。もし後ろから前にも蠕動運動ができてしまったら、腸の中でうんこが逆流することもありえるということに…!? 恐ろしい。

蠕動運動を助ける剛毛

ミミズは蠕動運動をすることで前に進んでいるということはわかった。しかし、あのヌメヌメした体ではさぞ進みづらいだろう…と思ったら、ミミズの体には毛が生えているらしい! 毛というよりは短くて頑丈なトゲみたいな見た目だ。

その剛毛はミミズの体節ごとに1対ずつ斜めに生えていて、伸縮自在のようだ。進みたい方向に体を伸ばすときは剛毛を引っ込め、地面についたら剛毛を出してスパイクのように地面を掴む。剛毛が滑り止めの役割を果たすため、蠕動運動で前に進めるのだ。

しかし、剛毛は斜めに生えているためバックしようとしても地面に引っかかってしまい、後ろには進めない

ミミズは前方に障害物があって前に進めなくなった場合、「後ろに戻る」という考えはなく「遠回りしてでも前に進む」ということしか考えないようだ。向上心の塊だな。

ライオンくん
そんなひたむきなミミズの姿勢、オレは嫌いじゃないぞ!

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【追加雑学】ミミズはみんなの役に立っている!

ミミズはあの見た目と動きで敬遠されがちだが、実は彼らは生きているだけで人々の役に立っているのだ。

食べて出すだけで役に立つ

ミミズは1日に、自分の体重の半分から同量くらいの落ち葉を食べるらしい。そして、落ち葉とともに土の中の微生物を飲み込み排泄する。

微生物が排泄されると、窒素・リン・カリウムなどの栄養を豊富に含んだ腐植土のもとになるそう。腐植土は保水性と通気性に優れていて、作物の生育に良い影響を与えてくれるのだ。

ただ食べて出すだけなのにめちゃくちゃ役に立っているミミズ、すごい!

ウサギちゃん
ミミズの糞の堆肥も売ってるんだよ。

移動するだけで役に立つ

ミミズは土の中を掘りながら移動する。これにより土の中が自然と耕された状態になるため、ふかふかの水はけが良い土壌ができあがっていくそうだ

さらに、ミミズがまとっている粘液に含まれる窒素が、土の中を移動中にいい感じに混ざるのも、良い土をつくる要因らしい。あのヌメヌメにそんな効力があったとは…。恐れ入った…!

ライオンくん
こんなに自然の役に立ってるのに、無駄に人間に気持ち悪がられてるミミズ…なんだかかわいそうだぞ!

雑学まとめ

どんなことがあっても振り向かず後戻りもしない生き物、ミミズ。あまり好かれない見た目なのがかわいそうだが、彼らはいつも“前向きに”頑張って生きている。

ミミズ自身は何も考えずに食べて出して動いているだろうが、それだけで他の生き物の役に立っているなんて素晴らしいではないか!

ミミズのおかげで、私たちは今日もおいしいごはんが食べられるんだなぁ…としみじみ思う。今回の雑学で、ミミズのことをちょっと見直した筆者だった。

ライオンくん
ひたむきに前にしか進めないミミズ…!この雑学を多くの人に知ってもらって、もっとみんなにミミズをかわいがってほしいと思うぞ!
ウサギちゃん
ライオンくん、鼻息荒いよ…。

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