法事の時やお寺の参拝の際に、「なぜお坊さんはみんな坊主頭なのか」と疑問に思ったことはないだろうか?
実は、お坊さんが坊主にしているのは、修行の一環なのだ。とはいえ、お坊さんみんなが坊主にしているわけではない。
知ってるようで知らない、お坊さんの頭にまつわる雑学を解説していこう。
【歴史雑学】お坊さんはなぜ坊主にするのか?
【雑学解説】お坊さんの坊主頭は欲を捨てる第一歩
そもそもお坊さんが信仰している仏教は、「修行をして悟りを開き、輪廻転生(生まれ変わりのループ)から抜け出そうぜ」という目標がある。また、仏教ではなるべく欲を持たないほうが良いという考えがあり、欲を捨てることが修行の一環にもなっている。
その欲を捨てる修行の中に、髪の毛を剃って坊主頭にするというものがあるのだ。
なぜ坊主頭にするのかという由来は諸説ある。「一生を通して生えてくる髪の毛が欲の象徴だから剃る」という由来もあれば、「髪型を気にして修行に支障が出ないように」という由来など様々だ。
ちなみに、常に坊主頭をキープするために、お坊さんは定期的に髪の毛を剃っている。
髪の毛を剃るタイミングは、真言宗だと修行時や大事な儀式の時、禅宗は毎月4日と9日に剃るなど、宗派によって違いがある。
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【追加雑学】お坊さんでも坊主にしない宗派もある
一口に仏教と言っても様々で、日本では坊主頭にしない宗派もある。それが、「南無阿弥陀仏」と唱える浄土真宗だ。坊主頭にしない理由としては、浄土真宗を開いた親鸞聖人(しんらんしょうにん)が関係している。
親鸞聖人は「お国の僧侶でもなければ俗世の人間でもない」という「非僧非俗」の考えを持っていた人物だった。さらに、浄土真宗は「どんな人物でも阿弥陀如来が助けてくれる」という考えの宗派ということもあり、親鸞聖人は僧侶でありながら結婚や肉食も普通にしていた。
これまでの日本の仏教に無い考えを持っていたからこそ、「髪の毛があっても良いじゃない。浄土真宗だもの」という感じに、髪を剃らない浄土真宗のお坊さんがいるのだ。
雑学まとめ
今回の記事ではお坊さんが坊主にするのはなぜか、という雑学を紹介した。それは、欲を捨てるという修行の一環という、仏教らしい考えからきているものだった。
確かに髪の毛があると、「ヘアスタイルが決まらない…」というように髪型を気にしてしまう。それは「良く見られたい」という欲からくる悩みだし、髪型を気にしていれば修行にも身が入らない。
とはいえ、浄土真宗では「どんな人でも阿弥陀如来が助けてくれるんだし、お坊さんでも髪の毛があって良いじゃない」という考えから、坊主にしないのが基本となっている。
お坊さんのヘアスタイル1つとっても、様々な考えがあるのだ。
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