筋トレ好きの人には欠かせないもの、プロテイン。タンパク質を効率的に摂取し、筋肉の発達をサポートしてくれる大切なアイテムである。
プロテインは運動後にすぐ摂取すると、筋肉の発達スピードが上がるという話をよく耳にする。しかし、プロテインは運動直後に摂らなくても構わないかもしれないのだ。
今回の雑学記事では、プロテインを摂取するタイミングについてご紹介しよう。筋トレ直後の人もプロテインを飲む前に目を通していただき、一息ついてほしい。
【人体雑学】プロテイン補給は運動直後でなくてもよい
【雑学解説】筋肉の発達にプロテイン補給のタイミングはあまり関係ない
2013年に国際スポーツ栄養学会誌に発表された論文で、運動後のプロテインの補給タイミングについて調べたものがある。この研究では、過去に発表された論文23件をまとめたメタ分析を行なっている。
その結果、筋肉の発達にプロテイン摂取のタイミングは関係ないということがわかった。
筋トレの直後にプロテインを飲んだ場合も、1日かけて同じ量のプロテインを飲んだ場合も、筋肉の成長量には違いがみられなかったのだ。つまり、大切なのはタイミングではなく、プロテインを飲む量ということか。どうやら、運動直後に無理して飲む必要はないようだ。
ただ、運動後に体が栄養を吸収しやすくなっているのは間違いないとしていて、研究者によると、運動後6時間は栄養を吸収しやすい状態が続くそうだ。
ということは、運動直後でなくても栄養を吸収しやすい時間が長いから、プロテインを飲むタイミングは運動直後でなくても構わないのだろう。
運動後は食欲がないという人は、一息ついてからプロテインを飲んでも良いだろう。
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【追加雑学①】タンパク質は体重1kgあたり1.66gが効果的
また、このメタ分析では、タンパク質をどのくらい摂取したら、筋肉の発達に良いのかも調べている。
その結果、大半の参加者は体重1kgあたり1.66gのタンパク質を摂取すると、筋肉の発達に大きな効果が得られたそうだ。
つまり、体重60kgの人であれば、約100gのタンパク質を摂れば良いことになる。運動後6時間以内を目安に、体重に応じた必要量のプロテインを飲むのが良いだろう。
【追加雑学②】タンパク質は摂りすぎると体に悪いかも
筋肉の成長に必要不可欠なタンパク質であるが、摂りすぎると体に悪影響がでることもある。
その一つが、腸内細菌との関係にある。腸内細菌は、炭水化物を食べた場合は、酪酸などの体に良い成分に変換してくれる。だが、タンパク質を食べた場合は、硫化水素などの有害物質に変換してしまうのだ。
硫化水素は臭いのキツイ物質で、タンパク質の多い食事をしたときにおならが臭くなるのは、この硫化水素が原因である。
そして、タンパク質を摂りすぎると生じるもう一つのデメリットが、アンモニアが生成されることだ。
タンパク質は、体内でエネルギーなどに変わる際にアンモニアを生成する。通常量であれば、肝臓で尿素に変えて体外に排出されるのだが、プロテインの過剰摂取などでタンパク質を摂りすぎると、肝臓がアンモニアを処理しきれない状態になってしまう。
アンモニアは非常に毒素の強い物質で、体内での量が増えると、肝臓がダメージを受けることになるので気を付けたいところだ。
普通に生活している分には、まず心配はないと思われるが、プロテインをよく飲んでいる人は、自分が1日に摂取している量が必要以上になっていないかを一度確認してみると良いかもしれない。
雑学まとめ
今回は、プロテインを摂取するタイミングについての雑学をご紹介した。
プロテインの補給は運動直後でなくても構わないことがわかった。具体的には、運動後6時間は体が栄養を吸収しやすい状態になっているので、その間を目安にプロテインを摂取するとよいだろう。
ただ、運動をしたからといって、プロテインをガバガバと摂取するのは良くない。タンパク質の摂り過ぎは体に悪影響をもたらすので、プロテインなど高タンパクな食事になるときは1日の必要量を計算して食べるようにしよう。
プロテインやタンパク質も用法用量を守って摂取することが大切である。