普段何気なく使う言葉「無茶苦茶」。「こいつ無茶苦茶だ!」なんて友達とふざけている時に使ったりする。
また父親に「またお前、無茶苦茶にしやがって!」と言われながら、げんこつを食らったこともあるかもしれない。そんな日常に密接した言葉だが、その由来について気にかけたことはあるだろうか。
実は「無茶苦茶」の「苦茶」には特に意味はないらしい。ということは別の言葉で代用してもいいのか? 今回はこの雑学について検証してみたので最後までご覧いただきたい。
【生活雑学】「無茶苦茶」の「苦茶」に特に意味はない
【雑学解説】「無茶苦茶」はただの当て字
無茶苦茶は、道理に合わないことや程度がはなはだしいこと、乱暴なさまや知識がないことを示す「無茶」を強めた言葉だ。「無茶だ!」よりも「無茶苦茶だ!」のほうがスゴそうなニュアンスがあるが、だいたいその印象で当たっている。
そもそもの由来は仏教用語の「無作」からきているようで、道理が合わない、程度がはなはだしいなどの意味で使われているうちに、訛って「ムチャ」と発音しやすい言葉に変化したのだそう。さらに後半に強調する意味の「苦茶」が付けくわえられたようだ。
無茶苦茶の語源を探ると、「無茶」が「来客にお茶を出さないこと」・「苦茶」が「苦いお茶を出すこと」で、ともに常識外れの行動を表しているとの説もあるのだが、これは単に漢字をもとに考え出されたもので正式な説とはいえないそう。
ただ漢字から考えても「常識がない」という本来と近しい意味となるし、むしろこちらのほうがイメージが湧きやすいかもしれない。漢字の意味に即して四字熟語は作られていると考えたほうが自然にも感じる。
「無茶苦茶」が常識がないというマイナスのイメージのある言葉だが、「無茶苦茶」はプラスのイメージでも使われることがあるので注意が必要! 下の例文でも説明しているので、読んでいただきたい。
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【追加雑学①】「無茶苦茶」と「滅茶苦茶」の違いは?
無茶苦茶と似た言葉に「滅茶苦茶」という言葉もある。これも「とても」とか「大変」という意味で日常生活でよく使う言葉だ。無茶苦茶ともほぼ同じ意味で、特に使い分けを意識していないはずだ。
しかし、ネットでこれらの言葉は同じ意味だとする記事も多い中、ちゃんと調べてみたら違いがあったぞ!
「滅茶苦茶」は悪い結果が生じているときに使い、一方、「無茶苦茶」は原因に無理があるときに使うのだ。これだけではちょっと分かりにくいので例文を用いて説明する。
「滅茶苦茶」
「ケンカをして、2人の関係は滅茶苦茶になった」「寝坊して、スケジュールが滅茶苦茶になった」
これが正しい滅茶苦茶の使い方。関係が悪化したりスケジュールが思い通りにいかなかったり、悪い結果が生じている。
「無茶苦茶」
「昼飯にカレー3杯なんて無茶苦茶だ!」「あの人は無茶苦茶な仕事量をこなしている」
滅茶苦茶と違って結果は関係ないことが分かるだろう。また2文目のように必ずしもマイナスな内容ではない。
雨上がり決死隊の宮迫博之さんが、がんのCMで「めちゃめちゃ大事!!」と言っていたが、結果を表す意味ではないので「むちゃくちゃ大事!」が正しい意味となるわけだ。しかし何だか揚げ足を取っているみたいであまり気分がいいものではないので、指摘はしないで心のうちに留めておいたほうがいいかもしれない。
【追加雑学②】「お茶を濁す」の正しい意味は?
同じく茶をつかう表現に「お茶を濁す」という言葉があるが、皆さんこの言葉を正しく使えているだろうか? 「適当にごまかす」という意味で使っている人が多いが、実は「都合が悪いその場を取り繕ってしのぐ」というのが正しい意味。
お茶を淹れるのは一定の技術がある人でないと難しく、作法を知らない人はそれっぽく見えるようにごまかしてお茶を淹れていたことが由来なのだ。間違って使っていた人は、これを機に正してみよう。
雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。「無茶苦茶」の「苦茶」には特に意味がなく、ただ強調していただけだった。見た感じ明らかに意味のありそうな雰囲気があるのに、何も隠されていないとはなんとも拍子抜けしてしまう。
無茶苦茶はカッコいい四字熟語で、皆さんもふとしたときに使ってしまいがちな言葉であろう。リズム感もよくて使い勝手の良い言葉だ。
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