「九尾の狐」…この名前を聞いただけでなんだかワクワクする人も多いのではないだろうか。現に、今この記事を書いている私自身がとてもワクワクしている。
大人気になった漫画、うしおととら・封神演義・NARUTOなどで九尾の狐の存在を知った人もいるだろう。九尾の狐は漫画の中に存在するものではなく、古来より伝えられてきた妖怪なのである。日本では、三大悪妖怪にも選ばれているほどだ。
今回の雑学では、九尾の狐の伝説と現代に残るその痕跡を紹介していこう!
【歴史雑学】九尾の狐は退治されたあと石になった
【雑学解説】九尾の狐が石となった理由
時は平安時代後期、第七十四代天皇である鳥羽上皇が玉藻の前(たまものまえ)という名の絶世の美女を寵愛したことから物語は始まる。
玉藻の前と過ごすようになってから鳥羽上皇は病に伏せることが多くなり、医者たちですらその原因がわからずにいた。次第に弱っていく鳥羽上皇を前に、医者たちは為す術がなかった。
しかし宮中に仕えていた陰陽師が、玉藻の前の仕業であることを見破ったのだ。見破られたと知った玉藻の前は正体を現し、九尾の狐の姿のまま逃亡するのである。
鳥羽上皇は回復し平和は訪れたその一方で、逃亡した九尾の狐は現在でいう栃木県の那須町で暴れまわっていた。九尾討伐の依頼が都に届き、鳥羽上皇は討伐隊を送り出すのである。
戦いの末に敗れた九尾の狐は大きな石へと姿を変え、石になってもなお毒を振りまき生き物を殺していた。それが由来となって生き物を殺す石「殺生石」と呼ばれるようになったのだ。その後、源翁心昭(げんのうしんしょう)という僧侶に石を打ち砕かれ、噴出していた毒は止まったのだという。
【追加雑学①】九尾の狐とは
その名のとおり、九本の尾をもつ狐の妖怪のことである。九尾弧(きゅうびこ)や九尾弧狸(きゅうびこり)という名前でも呼ばれ、元は日本ではなく中国の神話に登場する妖怪であり霊獣でもある。
狐は古来より特殊な力をもつ生き物と考えられてきた。長く生きれば生きるほど妖力を増し、妖力が増すほど尾が増え、その尾は最高九本まで増えるのだという。九尾の狐とは、長く生き妖力を蓄えた狐の中でも、最高位の存在だということだ。
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【追加雑学②】殺生石が見られる場所
栃木県那須郡の那須町湯本で実物をみることができる。もし興味があって行こうと思っている人は、一度ネットで殺生石の写真を見てから行った方がいいかもしれない。
というのも、伝説さえ抜きにすれば殺生石とはもちろんただの石だからだ。石というか岩というか、狐の形をしているわけでもなく、見た目は本当に普通の石なのだ。伝説に期待を膨らましすぎて、実物を見てがっかりしたという話をよく聞くため、そこは自己判断に任せたい。
私は、写真で見てから実物を実際に見に行った。こんなことをいうと怒られそうだが、殺生石自体はそのへんにありそうな石だなと思ったのはたしかだ。しかし、その石に残る伝説を詳しく調べてから行ったため、十分に感動することができた。
【追加雑学③】九尾の狐は悪者?
有名な伝説などでは悪者として登場することが比較的に多いため、それに比例して漫画やアニメでも悪役になっていることが多いように思う。
しかし、中には九尾の狐は吉兆をもたらす霊獣だという説もあるのだ。真逆の要素を重ね持つ九尾の狐は、時には絶対悪となり、時には神の使いとなるようだ。
雑学まとめ
九尾の狐にまつわる雑学をご紹介してきた。
九尾の狐・殺生石という単語にワクワクする人は、見た目はただの石でも実物を見て感動できるかもしれない。頭の中で九尾の狐が討伐隊と戦っているところを妄想しながら、殺生石を眺め、その世界観に浸ってきてほしい。
実際に観に行き、ただの石でショック! となった人は、近くに那須高原や温泉などの観光地もあるため、そのショックを癒してきてもらいたい。どちらにしても、興味が出たならぜひ行ってきてほしい。
伝説に生きる九尾の狐と、現代に生きる私たちが交差できるものが存在するなんて嬉しい限りだ。休みが取れたら、伝説と温泉で心も体も満たされ癒されるためにぜひ那須町へ!!
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