筆者はおでこが広い。家族みんなおでこが広いので、遺伝だと思われる。
そんな広いおでこをヘアバンで全開にしていた筆者の小学~中学時代のあだ名は、「でこ」・「でこっぱち」。そして、最終的には「はげ」となった。人よりもちょっとおでこが広いくらいで、この呼ばれ方。
廊下で同級生とすれ違うときは、ハイタッチ的ノリでおでこを叩かれるのが当たり前であり、「だーれだ♪」と、背後から目ではなく、おでこを手でおおわれるのが日常であった。子供とは残酷な生き物である。
ところで、このおでこと呼ばれる部位、顔の一部なのか頭の一部なのかを考えてみたことはないだろうか? おそらく、多くの方はおでこは顔に属している部位と認識していると思われるが、実はそれは間違いなのである! 今回はおでこがどこの一部なのか、雑学として解説していこう!
【人体雑学】おでこは顔の一部ではなく「頭」の一部
【雑学解説】医学的にみると、おでこは頭の一部
「頭ってどこ?」と尋ねると、多くの場合は髪の毛が生えているエリアを指す人が多いであろう。また、「顔ってどこ?」と尋ねると、「おでこからあごまで」と答える人が多いであろう。
上記のように、一般的に「頭」というのは、髪の生え際から始まる体の一番上にある部分とイメージされている。そして、髪の生え際より下にあるおでこは、顔の一部と認識されているのだ。しかし、これは正しいとはいえない。実は、おでこも頭に含まれるのだ。
これには、医学的な理由がある。解剖学上、頭と顔の境とは、「鼻の付け根から眉毛を通り、耳の穴までを結ぶ線」上にあると定義されているのだ。
たとえば、髪の生え際から眉毛の間にある部位も顔の一部としてしまうと、ある悲劇が生まれてしまう。生え際が不明なほどはげ上がっている人や、スキンヘッドで生え際どころか毛髪がない人たちは、「あれ! お前の顔、無限に広がってね!?」と言われかねない事態になってしまうのである!
どちらにせよ、一部の人にとっておでこはあいまいな存在ではあるものの、少なくとも万人の顔と頭の位置はキチンと定まっている。生え際が人より後退気味の筆者も、これには安心だ。あー、よかったよかった…。
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【追加雑学】本来、「おでこ」と「ひたい」には違いがあった
ところで、おでこに「ひたい」という別の表現があるのは、多くの方が知っていることであろう。両方とも同じ部位を指す言葉であるが、本来これらには微妙な違いがあるのだ。
もともと、髪の生え際から眉毛までの範囲を示す言葉として存在していたのは、「ひたい」の方である。そして、「おでこ」というのは、ひたいが通常よりも出ている人のことを示す表現であった。おでこの「でこ」とは「凸」である。
今でも、ひたいが出ている人は、「おでこちゃん」なんてあだ名を付けられることがあるのではなかろうか? それが時代を経て、おでこも、ひたいと同様の使われ方をするようになったのだ。
そして、両者にはまだまだ違いがある。本来は、ひたいは人間・動物ともに使うことができる言葉であるが、対するおでこは人間にしか使うことができない。また、おでこは俗語なので、話し言葉としてのみ使用するのが正しいとされている。
雑学まとめ
今回はおでこにまつわる雑学をご紹介した。頭と顔の境は、「鼻の付け根を通り、眉毛の上から耳の穴までを結ぶ線」である。つまり、眉毛から上にあるおでこは頭の一部なのだ。
また、本来はおでことは「ひたいが出ている人」のことを指す言葉であり、この部位そのものを表すものではない。
つまり、今回の記事で使用した「おでこ」は、文法的には間違いがあるともいえる。だが、そんな細かいことを気にしてはいけない。
はげではない筆者が「はげ」と呼ばれても、怒ったことなんて一度もなかった。訂正したこともない。正しさを追求するのもよいが、大らかさだって人生には大切なのである!