五輪トリビア

左回りじゃない!第1回アテネオリンピックのトラック競技は右回りで行われた

雑学カンパニー編集部

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オリンピック第1回のトラック競技は右回りで行われたという雑学

リオ五輪のリレーで疾走するウサイン・ボルト(中央)

陸上は今やオリンピックの花形競技のひとつでもある。そんなオリンピックのトラックが右回りだったというのだ。

違和感を感じずにはいられないが、いったいどうして右回りにしてしまったのだろうか? そして、いつから今のような違和感のない左回りに定着したのだろうか?

今回は、陸上のトラックがかつて右回りだったという雑学について調べてみた。

【オリンピック雑学】第1回五輪のトラック競技は右回りで行われた

マッチョ課長
今では左回りが当たり前の陸上トラックだが、第1回アテネオリンピックのトラック競技は右回りで行われていたんだ。
新人ちゃん
じゃあ途中からトラックの回り方が変わってたんっすね。なんか理由ってあるんっすか?

【雑学解説】実は第3回オリンピックまではトラック競技は右回りだった

実は第3回オリンピックまでは右回りだったというトリビア

なんと、第3回セントルイスオリンピック(1904年)まで陸上のトラック競技は右回りだったという事実。

さらに、1912年にIAAF(国際陸上競技連盟)が設立されるまで、トラック1周の長さも幅もばらばらだったというのだ。長いコースでは1周536.45m(現代は400m)もあったそうだ。

新人ちゃん
昔のオリンピックって案外適当だったんっすね。

記録では第1回アテネオリンピックのトラック競技では、100m・400m・800m・1500mが行われている。第2回・第3回大会では上記に加え400mハードルも追加になっている。

この3大会は右回りだったというのだが、タイムや走りやすさに影響はあったのだろうか? そして、なぜ第4回オリンピックからは左回りに変更されたのだろうか?

実際にトラックを走ったら左回りのほうが走りやすかった

選手たちが「左回りに走ったら走りやすかった!」という声があったために左回りに変更したという説がある。実際に400mのタイムが右回りに比べ、2秒も早くなったらしい。

マッチョ課長
実際にやってみるとわかると思うが、右回りで走るのと左回りで走るのはけっこう感覚が変わるからな。

1913年、IAAF(国際陸上競技連盟)は、陸上に関する国際ルールを決めた。そこには陸上トラックを回るときは「左手を内側に」と記載されていた。ここで初めて、左回りがルール化されたのだ。

実はIAAFによって決定された記載はあるものの、なぜ左回りにしたのかを記載した資料が見つかっておらず、左回りになった理由は闇の中なのだ。そのため、研究者たちがさまざまな説を提唱した。

研究者たちの「左回りが良かった理由」が3つほどあるのでご紹介するぞ。

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【追加雑学①】なぜ陸上のトラックは左回りのほうが良いのか

なぜ陸上のトラックは左回りのほうが良いのかというトリビア

陸上トラックはなぜ左回りのほうが良いのだろうか?

私も陸上部で短距離走者だったが、トラックを逆周り(右回り)してみようだなんて考えたこともなかったし、いくら考えても右回りは違和感しかない。が、この違和感がポイントだった。

足は左右で「けり足と軸足」がある

人間の足は右足がけり足・左足が軸足になっている人が多いそうだ。カーブを曲がるときに、左足で身体を支え、右足で蹴って前へ前へ進んでいく。その足の機能性を考えると、左回りのほうがスピードが出ることがわかる。

利き足が右:左=7:3という話もあり、全員に当てはまるわけではないが、走りやすい身体の構造という面では納得がいく。

心臓が左にあるため

心臓が左にあるため、人間は左側に重心がかかりやすい。そのため、遠心力から心臓を保護するために左回りにしたという説もある。

しかし、実際のところ心臓は真ん中(やや左寄り)にある。左側にポンプ作用のある左心室があるため、拍動を感じるのが左というだけで、心臓自体は真ん中にぶら下がっている状態なのだ。しかも臓器で一番大きい肝臓は右にあるし、右腎は左腎より下にある

内臓の位置を考えると、人間が何気なく立ったときの重心は右に寄っているのが普通だ。ということで、この説はどうも説得力に欠ける

新人ちゃん
結局、『心臓が左にあるから』っていうのは理由にならないってことっすね。

人間の視線の動かし方の違い

欧米では文字は左から右に書く。現代でもwebサイトも雑誌も、横書きの読み物はたいていが左から右に書いている。これは、人間の視線が左から右に動かすことが自然なことだからだ。

人間はこの視線の動きに慣れているので、観客たちは選手が左から右へ走っていくほうが見やすかった。そういったことから、トラックを左回りに設定したという説もある。

このほかにも地球の自転の問題とか、さまざまな説があるそうだが、走りやすい=身体の構造上の問題という考えが一番しっくりくるような気がする。

マッチョ課長
これだけ科学が発達した現代でも、左回りの方が良い理由が分かっていないとは…なんだか不思議な話だよな…。

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【追加雑学②】モータースポーツは右回りが多い

モータースポーツは右回りが多いというトリビア

モータースポーツが始まったヨーロッパでは、一般道は右側通行で左ハンドルだったため右回りに設計されたという説が有力である。

またかつてのアメリカでは、ダート(土)コースの競馬場が多く、左回りが多かった。モータースポーツもこの競馬場を使用していたため左回りが多かった。アメリカは現在は右回りのほうが圧倒的に多い

【追加雑学③】競馬は右回りも左回りもある

競馬場は右回りも左回りもある。日本に10あるJRAの競馬場のうち、ビッグレースが行われる東京は左回りだ。中京・新潟競馬場も左回りである。ほかの7つの競馬場は右回り。

新人ちゃん
へー。競馬は人間のトラック競技とは別で、回り方はバラバラなんっすね。

馬によってはどっち回りでも結果に差が出ない馬もいれば、明らかに回る方向で順位に差が出る馬もいるそう。馬にも利き足があるようだ。もし競馬で一発当てたい人は、そういった馬の特性や出馬するコースが右か左かを研究すると、もしかしたら良い結果がでるかもしれないぞ!

【追加雑学③】お化け屋敷は右回りが多い

お化け屋敷は右回りが多いというトリビア

お化け屋敷…怖いし暗いしどっち回りに歩いているかなんて考えた事もなかったが、実は右回りが多いそうだ。

これは、人間に違和感を感じさせるため。左回りに慣れている人間が右に回らされると気持ち悪さを感じる。これを利用して、より恐怖感や気持ち悪さ・不安を感じさせているそうなのだ。

お化け屋敷なんてへっちゃら! という余裕があるツワモノは、ぜひ検証してきてもらいたい!(全てのお化け屋敷に当てはまるわけではない)

マッチョ課長
普段はあまり考えることのないお化け屋敷の回り方すら、しっかり考えて作られているものだったんだな。

雑学まとめ

陸上トラックがかつて右回りだったという雑学、いかがだっただろうか?

考えれば考えるほど、右回りで走るのは気持ち悪さを感じる。私としては、一番最初がなぜ右回りだったのか? のほうが不思議なのだが、詳しいことはわかっていないのが残念だ。

オリンピックを見るときには、ぜひともたくさんあるオリンピック雑学を思い出しながら観戦してほしい。絶対今までより楽しく見られるはず!

新人ちゃん
違和感って気持ち悪さを感じさせるっすよね。課長が筋トレしてなかったら気持ち悪いっすもん。
マッチョ課長
オレ、そんなに新人ちゃんの前で筋トレしてた…?

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