最近寝る前にグーグル先生や某動画コンテンツにて「面白い 動物」「珍 動物」と検索してもらうのが日課になっている。…別に心が疲れているわけではない。
それにしてもそのキーワードは再生回数が多く、みんな珍しい動物に癒されたいのだと勝手に思っている。そんな動物好きのあなたは、とっても器用に死んだふりをする「オポッサム」を知っているだろうか?
また、彼らのおもしろいところは、死んだふりだけではない。今回はとってもユニークなオポッサムの動物雑学をお届けしよう!
【動物雑学】オポッサムという、死んだふりが得意な動物がいる
【雑学解説】袋で子育てをするネズミ?オポッサムは自然界の実力派俳優
今回紹介するのは、アメリカ大陸に広く生息する「オポッサム」という生き物。彼らはカンガルーのようにおなかに育児袋をもつ有袋類(ゆうたいるい)の仲間で、見た目はネズミによく似ている。
ネズミみたいな癖にカンガルーみたいでもある時点ですでに変わっているが、彼らにはそれにも勝るユニークな特技がある。ズバリ「死んだふり」だ!
以下の動画1:00~その迫真の演技が捉えられている。
オポッサムは「敵! 怖い! 無理!」と感じるとぽてっとその場に倒れこんでしまう。
これを擬死行動といい、動画でも映されていたようにちょっとやそっとつついたぐらいではピクリとも動かない。場合によっては痙攣しているような演技をすることもあるという、超本格派の死んだふりである。
また口を大きく開いて舌をベーッと出しているのが印象的だが、これは見た目を死んでるっぽく見せるためだけではない。オポッサムの唾液は非常に臭いため、これによって死臭を演出することができるのだ!
こうして敵を油断させると、隙をついてあっという間に逃げてしまう。弱肉強食もなんのそのである。
自然界の実力派俳優・オポッサム。なんだかコミカルで愛着が湧いてくるが、…口が臭いのはちょっと嫌だ。
オポッサムは貴重な有袋類の生き残り
カンガルーやオポッサムのように袋で子育てを行う有袋類は今でこそ珍しく思えるが、太古の時代においては実はメジャーな種だった。しかし約1億2000万年前になると、同じく陸上に生息する哺乳類の数も増え、生存競争に負ける形でその数が減ってしまったのである。
なかでもオポッサムは、過酷な生存競争を生き抜いてきた貴重な有袋類だというぞ。
カンガルーの住むオーストラリアはほかの大陸から隔離されているが、オポッサムの住んでいた南アメリカには、北アメリカと徐々につながっていった歴史がある。そのため、外から来た種との争いはより熾烈を極めたのだ。
きっといくつもの修羅場を死んだふりでしのいできたのだろう。
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ちなみにオポッサムは別名「コモリネズミ」ともいわれ、子どものころはどこに行くのもお母さんと一緒。以下の動画のように袋から出てくるようになると、大量の子どもを背中に乗せて歩く微笑ましいシーンを目にすることができるぞ!
有袋類は私たち有胎盤類のように胎盤で子どもを育てないため、妊娠してからなんと12~13日ほどで子どもが体外に出てくる。
生まれてきた子どもは0.15グラムと、ミツバチほどの大きさしかない。そこから袋のなかで、大事に育てられていくわけだ。実に不思議な生態に思えるが、我々より歴史は長いんだもんなあ…。
【追加雑学①】狸寝入りも死んだふり?
死んだふりをする動物はオポッサムだけではない。有名どころを挙げるとリス・モルモットなどがそうだが、外せないのは「狸寝入り」でおなじみのタヌキだ!
狸寝入りという言葉は銃声に驚いたタヌキが失神して、しばらくすると何事もなかったかのように起き上がって逃げ出す様子からきたもの。これが本当は失神なんかしてないんじゃないか? といわれており、オポッサムの擬死行動と同じだと考えられているのだ。
我らがタヌキも負けじと演技派! オポッサムと日米対決できるかも!?
【追加雑学②】慣用句にもなったオポッサムの死んだふり
アメリカ英語には「play possum(プレイ ポッサム)」という慣用句がある。意味はオポッサムの十八番、死んだふりにちなんで「死んだふりをする、居留守を使う」だ。
「セールスがうざかったからポッサムしちゃった!」みたいな使い方をするのか? 慣用句にまでなるとは…まさに日本の狸寝入りのノリじゃないか。
ちなみに、オポッサムはアメリカにしか生息しないため、その他の英語圏ではこの表現が通じない。アメリカ大陸において彼らが強く生き抜いてきたことが、如実に表れた言葉なのだ!
雑学まとめ
死んだふりをさせたら超一流! オポッサムはその生態にしても、とってもユニークなトリビアが満載だった。とっても珍しい有袋類である彼ら。袋のネズミとはまさにこのことである(?)。
もっともオポッサムたちは袋のネズミ状態になっても、死んだふりでなんなく逃げ切ってみせるだろう!