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制作秘話。ドラマ版最終回"寅さん"死亡→クレーム→映画化決定!【男はつらいよ】

雑学カンパニー編集部

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映画「男はつらいよ」の下敷きドラマで、寅さんはハブに噛まれて死んでいたという雑学

1972年公開の「男はつらいよ」

「男はつらいよ」は、世界で最も長い映画シリーズである。映画が制作され続けている年数では「男はつらいよ」よりも長いシリーズはあるが、制作本数はギネスに登録されるほど多いのだ。そんな「男はつらいよ」だが、元々は最終回で主人公が死亡するラストを迎えるはずだった。

「男はつらいよ」の主人公の寅さんは1度死んでいるのである。寅さんがハブに噛まれて死ぬはずだった話や寅さんには実の弟がいたという雑学などをご紹介しよう。

【サブカル雑学】映画「男はつらいよ」の下敷きドラマの最終回、寅さんはハブに噛まれて死んでいた

ひかり
「男はつらいよ」は、最初テレビドラマとして作られたんだけど…なんとびっくり!テレビの最終回で寅さんはハブに噛まれて死んでしまうんだよ!
ゆい
ええ!知らなかったわ…!でも、そんな最終回を寅さんファンが許すはずないんじゃ…
ひかり
さすがゆいちゃん!ゆいちゃんの言う通り批判が殺到しちゃって、それで映画が作られたみたい!

【雑学解説】テレビドラマ「男はつらいよ」は、最終回で寅さんが死んでいる

「男はつらいよ」は国民的な人気映画である。人気ゆえに次々に続編が作られ、全50作で完結する構想になっていた。寅さん役の渥美清が亡くなっても、続編が作られているのも「男はつらいよ」の人気の高さを証明しているだろう。

そんな「男はつらいよ」だが元々は劇場作品ではなく、テレビドラマだったことはあまり知られていない。実は「男はつらいよ」は1968年からフジテレビで放送されたテレビドラマだったのだ。さらに最終回で寅さんは死亡している。

当時、木曜22時の時間帯は他のテレビ局に視聴率で圧倒されており、フジテレビは渥美清のドラマでなんとか人気を得たいと考えていたようだ。思惑通り「男はつらいよ」は好評を博した。半年間で全26話を放送し、話は完結する予定だったのだ。

最終回は寅さんがハブを捕まえに奄美大島に出かけていき、ハブに噛まれて死亡するという驚きの結末になっている。下の動画はテレビドラマの最終回の制作について語っている。

しかし、予想外の事態が発生した。寅さんが死んでしまったことに、視聴者からの抗議が殺到したのである。あまりの反響の大きさに映画化が検討されることになった。山田洋次監督と松竹プロデューサーの上村力が松竹を説得し、当時としては異例の映画化が実現した。

ゆい
寅さんが日本中の人たちに愛されていたってことが、とてもよく分かるエピソードね…!

寅さんは映画で奇跡の復活を遂げることになったのだ。テレビドラマ版「男はつらいよ」の映像はほとんど残っていない。現在では第1話と最終話以外を視聴することは不可能になっている。

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【追加雑学①】テレビドラマ「男はつらいよ」には寅さんの弟が登場する

テレビドラマ「男はつらいよ」の主人公は車寅次郎で、渥美清が演じている。しかし、様々な設定が映画とは異なっている。物語の舞台は葛飾柴又ではないし、妹のさくらを演じているのは倍賞千恵子ではなく、長山藍子である。

それでも、おなじみのおいちゃんやおばちゃんが登場するなど、映画「男はつらいよ」の原型はすでに出来上がっている。しかし、テレビドラマと映画では非常に大きな違いがある。なんと、寅さんの弟の雄二郎という人物が登場するのだ。

テレビドラマは1話と最終回しか見られないため、雄二郎について詳しいことは分からない。しかし、寅さんの生まれの父親が違う異父弟(いふてい)だという。最終回でハブに噛まれた寅さんを看取ったのは雄二郎だった。

雄二郎役の佐藤蛾次郎は映画にも登場し、寅さんの弟分の源吉を演じている。なぜ設定が変更になったのかはわからないが、実の弟から弟分に変わったのである

【追加雑学②】「男はつらいよ」の元になったのはフランスの喜劇

男はつらいよのモデルになったのは、フランスの喜劇でマルセイユ3部作だという。3部作のタイトルには、「マリウス」・「ファニー」・「セザール」と登場人物の名前がそれぞれつけられている。

山田洋次監督は学生時代にこの3部作を読み、浪花節や落語など日本人の人情の世界がフランスの作品の中で描かれていると感じて驚いたという。

渥美清主演のドラマの脚本を依頼された山田洋次は、学生時代のことを思い出してマルセイユ三部作古典落語の登場人物を元に「男はつらいよ」を作り出したという。

ちなみにセザールは寅さん、ファニーはさくら、マリウスは博のイメージなのだという。ちなみに企画の段階では「男はつらいよ」ではなく、「愚兄賢妹」という堅苦しいタイトルがつけられていた。

これのタイトルではテレビドラマとして問題があるということで、番組名が変更になった。北島三郎の曲「意地のすじがね」の中の歌詞「つらいもんだぜ男とは」を参考に「男はつらいよ」というタイトルが生み出されたのだ。

ひかり
「男はつらいよ」…印象に残るカッコいいタイトルだよね!

ブラジルでは「男はつらいよ」はあまり評判が良くないともいわれたが、海外で人気がないわけではない。オーストリアのウィーンではファンクラブもできており、映画41作目「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」のロケ地にもなっている。

フランスの喜劇が元になっている「男はつらいよ」は、ヨーロッパの人間の心に訴えるものがあるのかもしれない。

雑学まとめ

「男はつらいよ」は元々テレビドラマの最終回で、寅さんが死亡したという雑学についてご紹介した。映画化された後も5作目で終了予定だったのが伸びていき、「男はつらいよ」は50作で完結予定になった。主演の渥美清が亡くなり全48作で終了するはずだったが、その後も特別編が作られている。

さらに、50作目も2019年に制作されることになり、「男はつらいよ」は終了しなかった。テレビドラマだけで終了するはずだった作品が、ここまで続くとは誰も考えていなかっただろう。これも「男はつらいよ」がそれだけ愛されている証拠といえる。

ひかり
あたしも寅さんみたいに、たくさんの人から愛される存在になりたいな!

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