人体の不思議

昔は無理だったのに…大人になると味覚が変化する理由とは?

雑学カンパニー編集部

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大人になると味覚が変化する理由に関する雑学

子どものころは砂糖とミルクを入れないと飲めなかったコーヒーが、大人になってブラックでも飲めるようになる。お寿司も絶対サビ抜きだったのに、大人になると物足りない。

食べているものの味は変わっていないのに、どうして嫌いだったものを好きになるんだ? まずいものは何度食べてもまずいわけじゃないのか? 大人になるに連れて訪れる味覚の変化は本当に不思議なものだ。

そんな味覚のメカニズムは、子どもが自分の身を守るためにあるというが…?

【人体雑学】大人になると味覚が変化する理由とは?

「食べても安全」という食体験が大人の味覚を作ってくれる。

【雑学解説】子どもは本能的に安全な味の食べ物しか食べたくない

大人になって、子ども時代は食べられなかったものが好きになったりするのは、脳が経験によってその食べ物が安全ということを学んでいくからだ。

味覚に対する経験の浅い子どもたちは、「安全だ」と確信がもてる食べ物以外を、本能的に避けるようになっている。大きく分けて5つに分類される味覚に対して、子どもが感じていることは以下の通りだ。

  • 酸っぱい…腐ってる! 危険!
  • しょっぱい…ミネラル分だから、生きていくために必要
  • 甘い…エネルギー源だから、生きていくために必要
  • 旨い…アミノ酸だから、生きていくために必要
  • 苦い…毒だ! 危険!

子どもは自分の体に必要な栄養が摂れる最低限のものしか好きにならない。これは有害なものを体に入れないための防衛機能なのである。このほかだと辛みは刺激が強く、熱いものと認識されるため、やはり子どもは食べたがらない。

大人の味覚は経験と味覚センサーの劣化から

味覚研究者の都甲潔(とこうきよし)氏の著書『味覚を科学する』によると、以下のような経験を積んで脳が発達することで、味覚は変化していくというぞ。

  • 食事環境
  • 経験
  • 食文化、食習慣
  • 食情報
  • 心身の状態

要は実際に苦いコーヒーを何度か飲んでみて「これは飲んでも大丈夫だ」、酸っぱい漬物を食べて「食べてもお腹を壊さなかった」などの経験を経て食べられるものが増えていくのだ。

また舌の味覚センサーは大人になると数が減って鈍感になってくる。このため刺激を与えないと満足できなくなるというのも、大人になって苦いものや辛いものが好きになる理由に含まれる。

「食べられるようになったぞ!」と成長した気でいたが…逆に劣化しているというのか…。

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【追加雑学①】「苦いものが好き」はストレス過多の可能性も…

この一杯がたまらない! とコーヒーを楽しんでいる人は実は危険かもしれない。

産業保健新聞によると、人間はストレスを感じると苦み感受センサーが低下して、苦みを「美味しい」と感じるようになるのだという。

カフェインには覚醒作用があるので、脳が経験的に体を活性化させようとしているのかもしれない。近年のカフェチェーンの台頭は現代人のストレスの象徴か!?

それにしても経験によって安全な食べ物がわかるようになるだけでなく、心身の状態に応じて必要な味覚まで判別できるようになるとは…脳ってやっぱりすごい。

もちろんコーヒーのせいではないので、飲むのをやめる必要はまったくない! ただ疲れを癒す目的で飲んでいる人は、ストレス改善に意識を向けてみるといいかも?

【追加雑学②】「苦いのが苦手」は遺伝の可能性も

大人になってもピーマンが食べられない筆者だが、実は苦味に関しては遺伝子のせいにできることが判明した。

「LIFE SCIENCE NEWS MEDICAL」によると、人は7番染色体にある苦みを感じる遺伝子に3つの型があり、これが高感度になるほど苦みを強く感じるのだそうだ。

この遺伝子が反応する苦味物質は「フェニルチオカルバミド(PTC)」というもの。いかにも苦そうな名前である。…と思ったが、これを感知する遺伝子がない人は、食べてもその苦みをまったく感じられないという。

ブロッコリーやキャベツの苦みはPTCによるものだといい、この遺伝子が発達している人は大人になってもこれらが嫌いなままだ。

ブロッコリーとキャベツ? 別に苦くないぞ。しかも筆者が嫌いなピーマンは含まれていない! ピーマン嫌いは遺伝のせいにはできないということか…。

【追加雑学③】お腹のなかにいるときから、味覚の経験を積んでいる

味の素株式会社の理事・二宮くみ子さんと、同社名誉理事の鳥居邦夫さんの研究資料によると、赤ちゃんはお腹のなかにいるときから、味覚を学んでいるというぞ!

なんでも母親の食べたもので、羊水の成分が変化するのだとか。胎児は外に出る訓練のため羊水を飲み込むので、母親が食べたものの味覚を疑似体験しているということだ。

日本人は世界的に見ても旨み成分を感知しやすいといい、それは出汁文化の影響で、旨み成分に胎児のころから触れているからかもしれない。妊娠中の食生活の大切さが実感できるトリビアだ。

雑学まとめ

子どもが苦いものや辛いもの、酸っぱいものが苦手なのは、有害なものを食べまいとする防衛本能だった。そして大人になると経験に伴って、食べても安全なものを判断できるようになる。

つまり子どものうちの好き嫌いは、多少は仕方がないということだ。作ったものを食べないからといってあまり目くじらを立てず、気長に経験を積ませていくのがよさそうである。

ということは…大人になってもピーマンが嫌いな筆者は、もう克服するには遅すぎるということか?

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